ミナカラ
尿が赤いのは薬の副作用?尿の色の変化、原因、影響について
更新日
2025.04.21
薬剤師監修日
2025.04.21

尿が赤いのは薬の副作用?尿の色の変化、原因、影響について

薬を飲んで尿が赤くなったら、それは薬の副作用なのでしょうか?尿が赤くなる薬とその原因や影響、対処法について解説します。
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編集
高橋 伊津美
監修薬剤師
ミナカラ薬局薬剤師高橋 伊津美

健康な尿の色は、淡い黄色が一般的ですが、もし突然赤い尿が出たら驚いてしまいますよね。
女性の場合、生理の時は気づきにくいものですが、通常時に赤い尿が出たら、何かの病気かもしれない、と心配になるでしょう。

尿は食べたものや水分量などに影響を受けやすく、日々微妙な変化はあるものですが、服用した薬の影響で尿が赤くなることもあります。
もし薬を服用中に尿が赤くなったら、服用をやめるべきか、不安になることも多いですね。

今回は、尿が赤くなる原因と対処法について解説します。
 

尿が赤くなる原因

尿が赤くなるにはいくつかの原因があり、心配のないものと、すぐに医師に相談すべきものがあります。
主にどのような原因があるのか見てみましょう。

1. 薬の成分が排出されている

薬を飲むことにより、尿の色が変わることがあります。
これは、薬そのものの色が出る場合や、体内で分解された薬が代謝物として尿に排出されることによって起こる現象で、着色尿と呼ばれるものです。

服用後に尿が赤くなる薬は複数あります。代表的な薬は以下のものです。

薬剤の分類薬品名 尿の色
鎮咳薬アスベリン赤色
抗生物質セフゾン
リファジン
赤色
橙赤色  
下剤プルゼニド黄褐色~赤色
糖尿病治療剤キネダック黄褐色~赤色
抗原虫剤フラジール 暗赤色
血管強化薬アドナ赤色~橙黄色  


このように、尿の色が赤くなる薬がありますが、これは薬の副作用とは異なります。
一時的
なもので、通常、服用をやめると正常に戻ります。
事前に医師から尿の色が変わることがある、と説明を受けた薬に関しては心配いりません。
薬をもらう時には、医師や薬剤師による説明をよく聞いておきましょう。
 

2. 薬の副作用

薬や代謝物の影響で尿の色が赤くなるだけでなく、薬の副作用として尿が赤くなったり、血尿が出る場合もあります。

主な例として、薬剤性膀胱炎があります。抗がん剤や免疫抑制薬、抗生物質、漢方薬、抗アレルギー薬などにより、膀胱粘膜への作用やアレルギー反応などで、膀胱炎が起こり、出血することがあります。

また、放射線性膀胱炎といって、がんの治療などの放射線治療の副作用として膀胱炎が起こることもあります。

そのほか、横紋筋融解症という、骨格筋が融解し筋肉細胞中の成分が尿に混じり赤褐色尿をきたすこともあります。重症の場合は腎臓に影響をおよぼすこともあります。横紋筋融解症はまれな副作用ではありますが、コレステロール値を下げる薬や抗生物質、降圧剤で生じる場合があります。


これらすべての薬で赤い尿や血尿が起きるわけではありませんが、尿に異変が見られたら、すぐに医師に相談しましょう。​
自分が飲む薬については、副作用を事前に確認しておくことが大切です。
 

3. 病気によるもの

血尿には、目で見て血尿だと判断できる「肉眼的血尿」と、尿検査をしてはじめて分かる「顕微鏡的血尿」があります。

血尿が起こる主な病気には、膀胱炎、腎盂腎炎、尿管結石、膀胱がん、前立腺がん、腎がんなどがあり、尿の排泄経路である腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかで出血したり、結石や腫瘍ができることによって起こります。

これらには、排尿痛や腹痛、高熱などを伴うことが多いのですが、自覚症状がなく、突然血尿が出る場合もあります。

早期治療を必要とするものもあるため、一度でも血尿が出たら、すぐに医療機関を受診しましょう。
 

赤い尿が出た時の対処法

薬を飲んでいる場合は、まず、その薬の特徴を確認しましょう。
もともと尿が赤くなる薬だと分かれば、服用期間が終わって数日すれば元に戻るため、指示通り服用して様子を見ましょう。

薬による副作用として血尿が出ることもありますが、薬剤性によるものかどうか、きちんと診断してもらうことが必要です。
近年は、出血を防ぐための投与方法が工夫されていますが、必要に応じで薬を変更することもあります。
赤い尿が見られたら、まずは医師に相談しましょう。

何も薬を飲んでいない場合に血尿が見られたら、排尿通や腹痛などがなくても病気の可能性があります。
血が混じっているようなことがあれば、絶対に放置せず、必ず早めに病院を受診しましょう。

さいごに 

薬を服用することで尿の色が赤くなることがありますが、原因にはさまざまなものがあるため、日頃から自分の尿はよく見ておくことが大切です。

自分が服用する薬については、医師や薬剤師に副作用などどのような影響があるのかもしっかりと確認するようにしましょう。

また、赤い尿が出ても、薬の影響で心配のないものもある一方で、副作用や病気による血尿は早めの対策が必要です。

目で確認できない血尿もあるため、健康診断などによる定期的な尿検査を受けることも大切です。

かかりつけ医をオンラインで。医師によるオンライン診療で薬を処方。ミナカラ e-クリニック。
監修薬剤師
高橋 伊津美
ミナカラ薬局薬剤師
高橋 伊津美
【経歴】

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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