乙字湯(おつじとう)の効果
乙字湯(おつじとう)には、6種の生薬が含まれており、患部のとどこおった血の巡りを改善し、うっ血を取り除くことで、腫れや出血、痛みなどの痔による症状をおさえる効果があります。
また、便の排出をうながすことで、排便時の痛みや圧迫をやわらげるとともに、筋肉の緊張を高めて、肛門の中にできた痔が外に出てこないようにする効果もあります。
乙字湯は、トウキ、サイコ、オウゴン、カンゾウ、ショウマ、ダイオウの6種類の生薬から作られています。
乙字湯の効能・効果 |
---|
体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの次の諸症: 痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘、軽度の脱肛 |
(※)体力中等度がどのくらいの体力を示すかについては、通常の生活をするのに差し障りがない程度の体力と考えられています。
乙字湯(おつじとう)の市販薬を紹介
市販の乙字湯(おつじとう)には、顆粒タイプと錠剤タイプ、2種類の剤形があります。
剤形以外にも成人(15歳以上)1日あたりの服用量に含まれる乙字湯の量や用法・用量に違いがあるため、お好みでお選びください。
商品画像 | 特徴 |
---|---|
・成人1日量に含まれる乙字湯エキス|2,200mg ・顆粒タイプ ・1日2回、1回1包 (15歳以上) |
|
・成人1日量に含まれる乙字湯エキス|2,000mg ・顆粒タイプ ・1日2回、1回1包 (15歳以上) |
|
・成人1日量に含まれる乙字湯エキス|2,520mg ・錠剤タイプ ・1日3回、1回4錠 (15歳以上) |
本草乙字湯エキス顆粒-H
本草乙字湯エキス顆粒-H 30包【第二類医薬品】
特徴 |
---|
・成人1日量に含まれる乙字湯エキス|2,200mg *トウキ、カンゾウ、サイコ、ショウマ、オウゴン、ダイオウ ・顆粒タイプ ・1日2回、1回1包 (15歳以上) |
漢方処方「乙字湯」を煎じて簡便に服用できるように、エキス顆粒(分包)とした製品です。6種類の生薬から抽出した乙字湯エキスが、便秘がちな人のいぼ痔、切れ痔、軽度の脱肛、便秘に効果をあらわします。
1日2回(朝夕)の服用のため、昼間にオフィスや外出先で服用することなく続けられます。痔の薬と気づかれにくいパッケージも特徴の一つです。
■用法用量
以下の量を1日2回(朝・夕)、食前または食間に、水または白湯で服用してください。
年齢 | 1回量 |
---|---|
大人(15歳以上) | 1包 |
7歳以上15歳未満 | 2/3包 |
4歳以上7歳未満 | 1/2包 |
2歳以上4歳未満 | 1/3包 |
2歳未満 | 1/4包 |
■注意点
・他の瀉下薬(下剤)との併用は避けてください。 ・授乳中の方は服用を避けるか、服用する場合は授乳を避けてください。 ・生後3か月未満のお子様には服用させないでください。 ・1歳未満の乳児の場合、医師の診断を優先し、やむを得ない場合のみ服用させてください。 ・小児に服用させる場合は、保護者の指導監督のもとに服用させてください。 ・保管するときは、直射日光のあたらない湿気の少ない涼しい場所にしてください。 |
ツムラ漢方乙字湯エキス顆粒
ツムラ漢方乙字湯エキス顆粒 12包(第2類医薬品)【第二類医薬品】
特徴 |
---|
・成人1日量に含まれる乙字湯エキス|2,000mg *日局トウキ、日局カンゾウ、日局サイコ、日局ショウマ、日局オウゴン、日局ダイオウ ・顆粒タイプ ・1日2回、1回1包 (15歳以上) |
乙字湯から抽出したエキスよりつくられた顆粒タイプの薬です。
顆粒タイプは、1回の服用量が個包装されているため、外出の際の携帯にも便利です。
1日2回の服用回数で済むため、お仕事などで昼間の服用が難しい方にもおすすめです。
■用法用量
以下の量を1日2回、食前に水またはお湯で服用してください。
年齢 | 1回量 |
---|---|
成人(15歳以上) | 1包 |
7歳以上15歳未満 | 2/3包 |
4歳以上7歳未満 | 1/2包 |
2歳以上4歳未満 | 1/3包 |
2歳未満 | 服用しないでください |
■注意点
・他の瀉下薬(下剤)との併用は避けてください。 ・授乳中の方は服用を避けるか、服用する場合は授乳を避けてください。 ・小児に服用させる場合は、保護者の指導監督のもとに服用させてください。 ・保管するときは、直射日光のあたらない湿気の少ない涼しい場所にしてください。 |
クラシエ漢方乙字湯エキス錠
クラシエ漢方乙字湯エキス錠 180錠【第二類医薬品】
特徴 |
---|
・成人1日量に含まれる乙字湯エキス|2,520mg *トウキ、サイコ、オウゴン、カンゾウ、ショウマ、ダイオウ ・錠剤タイプ ・1日3回、1回4錠 (15歳以上) |
クラシエから販売されている、錠剤タイプの乙字湯です。
錠剤タイプは漢方特有の味やにおいを感じにくいため、漢方薬の味やにおいが苦手な方におすすめです。
■用法用量
以下の量を1日3回、食前または食間に水または白湯で服用してください。
年齢 | 1回量 |
---|---|
成人(15歳以上) | 4錠 |
15歳未満7歳以上 | 3錠 |
7歳未満5歳以上 | 2錠 |
5歳未満 | 服用しないでください |
■注意点
・他の瀉下薬(下剤)との併用は避けてください。 ・授乳中の方は服用を避けるか、服用する場合は授乳を避けてください。 ・小児に服用させる場合は、保護者の指導監督のもとに服用させてください。 ・保管するときは、直射日光のあたらない湿気の少ない涼しい場所にしてください。 |
痔に効く漢方薬以外の市販薬|ヘモリンド舌下錠など
痔に効く飲み薬には漢方薬以外にも、ヘモリンド舌下錠や内服用ジーフォーなどの西洋薬があります。
以下の記事では、痔に効く漢方薬に加え、西洋薬も紹介しています。
乙字湯(おつじとう)|ツムラとクラシエの違い
市販のツムラとクラシエの乙字湯は、生薬の量・配合比、用量・用法に違いがあります。
また、ツムラの乙字湯は顆粒タイプのみであるのに対し、クラシエには顆粒と錠剤タイプがあります。
ただしいずれも効能・効果に変わりはなく、体力が中程度以上で、大便がかたく、便秘ぎみの方のいぼ痔、きれ痔、便秘、軽度の脱肛に効く漢方薬です。
乙字湯(おつじとう)の処方薬と市販薬の違い
乙字湯(おつじとう)の処方薬と市販薬は、それぞれさまざまな製薬会社から販売されており、薬に含まれる生薬成分に違いはありません。
ただし、剤形や生薬成分の量・配合比、用法・用量が異なることがあります。
たとえば剤形で比べてみると、処方薬の乙字湯の剤形には細粒と顆粒があります。細粒と顆粒は、それぞれ粒の大きさが異なり、粒が小さいものが細粒、比較的大きいものが顆粒です。対して市販の乙字湯の剤形は、顆粒と錠剤です。
また、処方薬は医師が患者さんの身体の状態や体質に基づいて服用量を適宜増減することができるのに対し、市販薬は自身の自由な判断で選ぶことができます。そのため、市販薬では安全性を考慮し、1日の服用量が年齢ごとに決められています。
乙字湯(おつじとう)の効き目に即効性はある?効果がでるまでの期間は?
乙字湯(おつじとう)の効果が出るまでの期間は、体質や症状によりさまざまですが、服用後1か月位(切れ痔、便秘に服用する場合には5~6日間)までに、「いぼが小さくなる」「表に出る頻度が少なくなる」などの効果があらわれると考えられています。
乙字湯の効果を実感するためには、用法・用量に従い正しく服用することが大切です。
ただし、乙字湯を1か月位(切れ痔、便秘は5~6日間)服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
乙字湯(おつじとう)の副作用
市販の乙字湯(おつじとう)で報告されている副作用は、次の通りです。乙字湯を服用する際は、副作用を起こさないためにも、添付文書をよくご確認の上、用法・用量を守って服用してください。
副作用とみられる症状があらわれた場合は、すぐに服用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
服用後、下痢の症状があらわれることがありますが、下痢の持続または増強が見られた場合には、服用を中止し、この場合も医師・薬剤師に相談してください。
部位 | 副作用とみられる症状 |
---|---|
皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ |
消化器 | 吐き気・嘔吐、食欲不振、 はげしい腹痛を伴う下痢、腹痛 |
重篤な症状がみられた場合はすぐに病院へ
また、まれに以下のような重篤な症状が起こることがあります。
その場合は、直ちに医師の診療を受けてください。
症状の名称 | 症状 |
---|---|
間質性肺炎 | 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・ 息苦しくなる、空せき、 発熱等がみられ、これらが 急にあらわれたり、持続したりする。 |
偽アルドステロン症、 ミオパチー |
手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、 脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。 |
肝機能障害 | 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、 褐色尿、全身のだるさ、 食欲不振等があらわれる。 |
乙字湯(おつじとう)を飲んだら痩せる?
乙字湯(おつじとう)は、排便をうながす作用があるため、便秘気味の方が服用することで、便が出やすくなるという効果もあります。
そのため、便が出やすくなる効果によって、一時的に体重が落ちることがあるかもしれませんが、乙字湯自体には体重を減らす作用はありません。