ミナカラ
ネキシウム®︎の市販薬はある?|胃酸の分泌をおさえる成分を解説
最終更新日
2025.03.19
薬剤師監修日
2025.03.19

ネキシウム®︎の市販薬はある?|胃酸の分泌をおさえる成分を解説

ネキシウム*は、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。ネキシウム*と同じ成分を含む市販薬はありませんが、ネキシウム*と似た作用の成分の薬はあります。この記事では、ネキシウム*の代わりに使える市販薬について解説します。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • LINEでシェアする
  • はてなブックマークでブックマークする
  • noteで書く
編集
小寺 瑶
監修薬剤師
ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶
朝比奈 裕介
編集者
株式会社ミナカラライター朝比奈 裕介

ネキシウム*と同じ成分の市販薬はある?

現在、ネキシウム*と同じ成分を使用した市販薬は販売されていません。(2025年3月時点)

しかし、ネキシウム*と似た作用をもつ成分の市販薬は販売されています。

ネキシウム*とは?

ネキシウム*は、胃潰瘍・逆流性食道炎などの治療やヘリコバクター・ピロリ除菌に使われる処方薬です。

ネキシウム*の剤形は、カプセルと懸濁(けんだく)用顆粒(※)の2種類あります。

また、ネキシウム*にはジェネリック医薬品があります。複数のメーカーから成分名の「エソメプラゾールカプセル」という名前で発売されています。

(※)懸濁用顆粒とは、水に入れ撹拌させて服用する顆粒です。

成分は『エソメプラゾールマグネシウム水和物』

ネキシウム*の成分『エソメプラゾールマグネシウム水和物』には、胃酸の分泌をおさえる働きがあります。胃酸の分泌が過剰になると、胃粘膜を傷つけ胃痛の原因になります。また胃痛の他にも、胃もたれ、胸やけなどの症状を起こします。

ネキシウム*と似た作用をもつ市販薬の選び方

市販の胃腸薬には、成分に『エソメプラゾールマグネシウム水和物』を使用した薬がなく、ネキシウム*とまったく同じ効能・効果をもつ市販薬はありません。

胃酸の分泌をおさえる『H2ブロッカー』を選びましょう

胃薬は様々な種類がありますが、ネキシウム*の主成分『エソメプラゾールマグネシウム水和物』の主な作用は胃酸の分泌をおさえることです。ネキシウム*と同じく胃酸をおさえる作用がある成分には、H2ブロッカーがあります。

『H2ブロッカー』とは胃粘膜のH2受容体と結びつくことで、過剰な胃酸の分泌をおさえる働きをする成分の総称です。

ネキシウム*の代わりに市販薬を使う場合の注意点

ネキシウム*などの処方薬の代用として市販薬を使用したい場合は、使用前に医師に確認してください。成分が異なると、薬が症状に合わず治療の妨げになる可能性があります。

市販の胃腸薬を3日間使用しても効果が感じられない場合は使用を中止し、医師に相談してください。また、2週間以上の長期連用もおやめください。

今回紹介する市販薬は、いずれも1日2回まで服用できますが、2回目の服用時は8時間以上の間隔をあけてください。また、使用できるのは15歳以上80歳未満の方のためご注意ください。

商品名
【第1類医薬品】ガスター10 S錠 6錠
【第1類医薬品】ガスター10 S錠 6錠
【第1類医薬品】ガスター10<錠> 6錠
【第1類医薬品】ガスター10<錠> 6錠
【第1類医薬品】ファモチジン錠「クニヒロ」 6錠
【第1類医薬品】ファモチジン錠「クニヒロ」 6錠
【第1類医薬品】ガスター10<散> 6包
【第1類医薬品】ガスター10<散> 6包
形状錠剤錠剤錠剤散剤
用法・用量成人(15歳以上、80歳未満):1回1錠、1日2回まで
15歳未満:服用しないこと 80歳以上:服用しないこと
成人(15歳以上、80歳未満):1回1錠、1日2回まで
15歳未満:服用しないこと
80歳以上:服用しないこと
成人(15歳以上80歳未満):1回1錠、1日2回まで
15歳未満:服用しないこと
80歳以上:服用しないこと
成人(15歳以上、80歳未満):1回1包、1日2回まで
15歳未満:服用しないこと 80歳以上:服用しないこと
特徴・過剰に分泌した胃酸をコントロール
・水なしで服用できる
・過剰に分泌した胃酸をコントロール
・錠剤タイプ
・胃酸の分泌をおさえる成分のみ配合
・食前・食間・食後いつでも服用できる
・過剰に分泌した胃酸をコントロール
・スーっとした服用感の散剤タイプ
Amazonで詳細を見るAmazonで詳細を見るAmazonで詳細を見るAmazonで詳細を見る

ガスター10<錠>

【第1類医薬品】ガスター10<錠> 6錠

有効成分含有量(1錠中)

ファモチジン(H2ブロッカー)

10mg

主成分のファモチジン(H2ブロッカー)が過剰な胃酸の分泌を抑制することで、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。症状があらわれた時のみ服用するタイプの薬です。

薬の表面に甘いコーティングがされている小粒の錠剤のため、薬特有の味が苦手な方や粉薬が苦手な方におすすめです。

ガスター10<散>

【第1類医薬品】ガスター10<散> 6包

有効成分含有量(1包中)

ファモチジン(H2ブロッカー)

10mg

ガスター10の散剤(粉薬)タイプの薬です。1回分あたりの『ファモチジン(H2ブロッカー)』はガスター10<錠>と同量配合されています。スーッとする清涼感があるのが特徴です。

散剤タイプをお好みの方におすすめです。

ガスター10 S錠

【第1類医薬品】ガスター10 S錠 6錠

有効成分含有量(1錠中)

ファモチジン(H2ブロッカー)

10mg

ガスター10 S錠は、口の中の水分を含むと速やかに崩壊し、水なしでも服用できるタイプの薬です。移動中や仕事中にもその場ですぐに服用できます。

1回分あたりの『ファモチジン(H2ブロッカー)』はガスター10<錠>と同量配合されています。

ファモチジン錠「クニヒロ」

【第1類医薬品】ファモチジン錠「クニヒロ」 6錠

有効成分含有量(1錠中)

ファモチジン(H2ブロッカー)

10mg

『ファモチジン(H2ブロッカー)』が1回分当たり10㎎配合されています。胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。

薬の表面に甘いコーティングがされている錠剤のため、薬特有の味が苦手な方や粉薬が苦手な方におすすめです。

市販薬が使える症状

この記事で紹介している『ファモチジン(H2ブロッカー)』を主成分とした市販薬は、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきに使用することができます。

胃痛・胃もたれに効く市販薬の選び方

胃の痛みや胃もたれなどの胃のトラブルは、胃を守る”防御因子”と胃を攻撃する”攻撃因子”のバランスが崩れることで起こります。胃のトラブルの原因によって適した薬は異なります。

市販薬の選び方については以下のリンクからご確認ください。

ネキシウム*と市販薬の違い

ネキシウム*は主成分を『エソメプラゾールマグネシウム水和物』とした、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。

この記事で紹介している『H2ブロッカー』と胃酸の分泌をおさえるという点では同じですが、作用や効果が少し異なります。

プロトンポンプ阻害薬(PPI)とは

『プロトンポンプ阻害薬』とは、胃酸を分泌するプロトンポンプの働きをおさえる作用がある薬の総称です。

通常は、アセチルコリン・ヒスタミン・ガストリンの3つの物質がそれぞれの受容体を刺激し、その信号がプロトンポンプに伝わることで胃酸が分泌されます。

H2ブロッカーとは

『H2ブロッカー』は別名を「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」といい、胃酸分泌の原因となるヒスタミンの信号をブロックする成分の総称です。

『H2ブロッカー』は、アセチルコリンやガストリンによる胃酸分泌までは抑制できないため、胃酸をおさえる強さは『プトロンポンプ阻害薬』の方が強いといえます。

使用上の注意|治らない場合は病院へ

医師から処方された薬の代用として市販薬を使用する場合は、使用しても問題ないか医師や薬剤師に相談しましょう。

また上記の市販薬を使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された使用期間や用法・用量を守り、症状がよくならない場合や他にも気になる症状がある場合には早めに医療機関を受診しましょう。

※ネキシウムはアストラゼネカ アクチボラグの登録商標です。

かかりつけ医をオンラインで。医師によるオンライン診療で薬を処方。ミナカラ e-クリニック。
監修薬剤師
小寺 瑶
ミナカラ薬局薬剤師
小寺 瑶
【経歴】

福岡大学薬学部薬学科卒業
福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
株式会社大賀薬局
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
編集者
朝比奈 裕介
株式会社ミナカラライター
朝比奈 裕介
看護師歴10年の経験をいかして、『正確でわかりやすい』医療情報の発信をおこないます。ミナカラのライターとして、ヘルスケアがもっと身近で感動的になる世界をつくっていきます。

この記事は参考になりましたか?

この記事を見ている方は 他の関連記事も見ています

 
ご利用に当たっての注意事項
  • 掲載している情報は、セルフメディケーション・データベースセンターから提供されたものです。
  • 適正に使用したにもかかわらず副作用などの健康被害が発生した場合は(独)医薬品医療機器総合機構(TEL:0120-149-931)にご相談ください。
  • より詳細な情報を望まれる場合は、購入された薬局・薬店の薬剤師におたずねください。
  • 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラ及び、セルフメディケーション・データベースセンターではその賠償の責任を一切負わないものとします。
掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ミナカラが調査した情報をもとにしています。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。 掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラではその賠償の責任を一切負わないものとします。情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社ミナカラまでご連絡をいただけますようお願いいたします。 使用されている写真はイメージです。実際の内容と異なる場合があります。