ミナカラ
大人のためのプロテイン活用法|運動しないけど健康目的でプロテイン飲んでいい?
更新日
2024.10.16
薬剤師監修日
2024.10.16

大人のためのプロテイン活用法|運動しないけど健康目的でプロテイン飲んでいい?

健康な生活を維持するためには、毎日のタンパク質摂取量を増やしていくことがおすすめです。ただし、飲むプロテインの種類やタイミングを間違えてしまうとカロリーの過剰摂取などの恐れがあります。健康維持のために飲むべきプロテインの種類や飲むタイミングについて解説します。
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小寺 瑶
監修薬剤師
ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶

運動しないけど健康目的でプロテイン飲んでいい?

健康維持のためには、運動しない人もプロテイン摂取がおすすめです。

なぜなら、日本人は一般的にタンパク質の摂取が足りないとされているためです。

カラダの中ではタンパク質の合成と分解が常に行われており、分解されたタンパク質の一部は体外に排出されるため、食事からタンパク質を摂取しないとカラダのタンパク質が不足してしまいます。

しかし、ダイエットブームや偏食傾向の影響で、日本人の食生活におけるタンパク質の摂取量は激減しています。平均摂取量は1950年代と同じくらいの水準まで落ち込み、摂取するべきタンパク質の量が摂れていない人も増えているようです。毎日の食事だけでは、必要なタンパク質を摂取することが難しくなってきています。

タンパク質が不足すると、毎日の健康維持に影響を与えるだけでなく、高齢者では筋肉が衰え、フレイル*に陥りやすくなります。健康を保つため、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、タンパク質を維持するための必要量が全年齢区分(1歳以上)で男女ともに0.66g/kg体重/日へ引き上げられ、2025年度版においても引き続き同じ値となっています。また、高齢者の低栄養予防やフレイル予防のために、50歳以上が目標とするタンパク質摂取の下限値を他の年齢区分よりも引き上げています。積極的にタンパク質を毎日補給する習慣が健康維持につながります。

*フレイルとは加齢によって心身が衰えた状態です。高齢者のフレイルは生活の質の低下やさまざまな合併症をひきおこすリスクが高くなります。

健康な生活を維持するためには、運動の有無にかかわらずプロテインを活用し、毎日のタンパク質摂取量を増やしていくことがおすすめです。ただし、飲むプロテインの種類やタイミングを間違えてしまうとカロリーの過剰摂取などの恐れがあります。健康維持のために飲むべきプロテインの種類や飲むタイミングについてこれから解説していきます。

プロテインの種類

プロテインによく使われているタンパク質は、大きく分けて3種類あります。

牛乳由来のホエイプロテインカゼインプロテイン大豆由来のソイプロテインです。それぞれの特徴から目的に応じてプロテインを選択しましょう。

ホエイプロテイン

ホエイプロテインは、牛乳由来のタンパク質で “乳清タンパク質” とも言われます。ホエイプロテインだけでなく、カゼインプロテインも牛乳に含まれており、含まれている割合は、約20%がホエイプロテイン、約80%がカゼインプロテインです。

ホエイプロテインは水に溶けやすい特徴があり、カゼインや大豆由来のソイプロテインよりも消化吸収が早いのが特徴です。速やかに消化吸収されるので、運動や筋トレ後のボディケアをサポートし、コンディションを整えると考えられています。牛乳のタンパク質は、必須アミノ酸*がバランス良く含まれています。また、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の中でも特に筋肉のタンパク質合成において、最も重要とされるアミノ酸のロイシンが豊富なことも特長の1つです。

クセが少ないため、プロテインを初めて飲む人でも飲みやすい味わいに設計された商品が多く販売されています。プロテイン初心者の方は、ぜひホエイプロテインを試してみてください。

*「必須アミノ酸」
約20種類あるタンパク質を構成するアミノ酸のうち、体内で作り出せない9種類のアミノ酸(イソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・バリン・ヒスチジン)のこと。それぞれに、カラダを作る働きがあり、1つでも不足してしまうと、健康なカラダを維持する事が出来なくなってしまいます。

カゼインプロテイン

カゼインプロテインは、ホエイプロテインと同じく牛乳由来のタンパク質です。水に溶けにくいため、ホエイプロテインに比べて吸収スピードがゆるやかで、満足感が続くと感じる方もいます。食事や就寝前に摂ることで、穏やかに吸収され長時間にわたって体内にアミノ酸を供給し、ボディケアをサポートします。

ソイプロテイン

大豆由来のタンパク質をソイプロテインといい、植物性のたんぱく質を摂りたい方におすすめです。ヴィーガンやベジタリアンの方にも適しており、健康的な食事に配慮したい人に選ばれています。ゆっくりと吸収されていく特徴があるため、満足感が続くと感じる方もいます。

ソイプロテインの特徴としては、乳由来のプロテインと比較してグルタミンやアルギニンといったアミノ酸が豊富に含まれていること、さらには脂質の含有率が低いことが挙げられます。大豆由来のイソフラボン食物繊維を含有しています。大豆風味があるのも特徴です。

日本人はカゼインやホエイプロテインに含まれる乳糖を消化吸収できない乳糖不耐症の人が50%以上ともいわれます。乳糖不耐症の人は、牛乳や乳製品など乳糖を含む食事を食べた後、30分から2時間で切迫した便意や腹部の膨満、下痢などの症状が見られることがあります。ソイプロテインは乳糖を含まない為、乳由来のプロテインが苦手な人でも使用できるというメリットがあります。

その他のプロテイン

エンドウ豆由来のピープロテイン、卵白由来のプロテイン、ライス(発芽玄米など)プロテインなども広く商品化されています。最近はコオロギ由来のプロテインなども発売されています。

プロテインの選び方

運動習慣がなくても健康目的のためにプロテインを飲む人が増えていますが、カラダづくりや健康維持など目的が異なると、それぞれ飲むべきプロテインも異なります。カラダづくりのためのプロテインを運動していない人が飲むと、糖質・脂質の過剰摂取になってしまい太る原因にもなりえます。目的に合わせてプロテインを選びましょう。

筋トレのサポートのために

筋トレを行っている方には、「ホエイプロテイン」がおすすめです。

筋肉に必要な豊富なタンパク質とアミノ酸を含み、トレーニング前後のボディケアをサポートします。さらに、カラダづくりに重要な「ロイシン」が他のプロテインよりも多く含まれています。これにより、筋肉トレーニングに励む方を力強くサポートします。トレーニング後のボディをやさしくいたわり、しっかりとカラダづくりに臨みたい方におすすめのプロテインです。

ダイエットのサポートのために

ダイエット中の方は、低カロリーでありながら満足感を得られる「ソイプロテイン」や「カゼインプロテイン」がおすすめです。

どちらもゆっくりと消化・吸収され、腹持ちが良くダイエット中の栄養補給に適していると考えられます。特に女性には大豆由来の栄養素も補給できるソイプロテインがおすすめです。

また、商品を選ぶ際にはパッケージの栄養成分表示もチェックしてみましょう。ビタミンB2は美容に関わるビタミンなので、美容にもこだわりたい方はビタミンB2が含まれたプロテインを選ぶのもよいでしょう。また、プロテインを訴求している商品の中には炭水化物が多く含まれる商品のもあるので、原材料表示とタンパク含有量をチェックを忘れずに。

運動習慣がない人の健康習慣のために

運動習慣がない人の健康維持のためには、「ソイプロテイン」や「カゼインプロテイン」を食事の一部として取り入れることをおすすめします。日々の健康に不可欠なタンパク質を手軽に摂取できます。吸収スピードが穏やかなため、間食対策にもよいでしょう。

プロテイン初心者の方や、プロテインの味が気になる方には「ホエイプロテイン」がおすすめです。ホエイプロテインは風味が抑えられているため、毎日続けやすい商品が多く発売されています。

商品を選ぶ際には低カロリー・低糖質のプロテイン製品を選び、摂取タイミングを考慮することで、エネルギーの過剰摂取を防ぎつつ、健康的な食習慣をサポートできます。

運動習慣がない人におすすめなプロテイン

ホエイプロテイン

森永乳業 タンパク生活 

消化吸収生が良いホエイプロテイン使用。ほとんど無味無臭のプロテインパウダーで、飲み物・料理など、好きなものに加えて手軽に使用できます。

明治メイプロテイン 

タンパク質補給食品として、いつもの食事に混ぜるだけでタンパク質・亜鉛・鉄・カルシウムをおいしく補給できます。栄養機能食品(亜鉛)。良質なタンパク質であるホエイプロテインを主に使用しています。

ホエイ&カゼインプロテイン

森永乳業 ミルク生活プラス 

大人のための粉ミルク。ラクトフェリンやビフィズス菌、シールド乳酸菌®*に加え、カルシウムや鉄など不足しがちな栄養素を効率よく摂ることができます。

大人のための粉ミルク ミルク生活プラス 300g 栄養補助食品 健康サポート6大成分

クリニコ エンジョイプロテインFeZ

タンパク質と鉄・亜鉛を一緒にとれるプロテイン粉末。消化・吸収に配慮し、乳たんぱく質(カゼイン)に乳清たんぱく質消化物(ホエイ)およびコラーゲントリペプチド含有ゼラチン加水分解物を組み合わせています。

クリニコ エンジョイプロテインFeZ 0652653 220g

ソイプロテイン

森永製菓 ウイダー おいしい大豆プロテイン コーヒー味 

大豆特有の香りや苦みがほとんどなく、飲みやすい商品です。1食分目安でたんぱくタンパク質10gに加え、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB群が摂取できます。また、乳製品を使用していないので、乳糖不耐症の方でも気にせずプロテインを摂ることができます。

おいしい大豆プロテイン コーヒー味 900g

森永製菓 おいしい大豆プロテイン プラズマ乳酸菌入り 

日常生活での体調管理に、健康な人の免疫機能の維持をサポートし、タンパク質がおいしく摂取できる大豆プロテインです。

プロテインの適切な摂取タイミング

筋トレ、ダイエット、健康維持などの目的によってタンパク質を摂取すべき最適なタイミングがあります。健康的な食生活とあわせて、タンパク質を摂取するタイミングを意識することが効果をアップさせてくれます。

運動前〜運動直後

筋トレサポートには、運動前~運動直後にタンパク質摂取がおすすめ

運動後45分間がタンパク質摂取のゴールデンタイムといわれ、刺激された筋肉ケアのために体が栄養素を取り込みやすい状態になります。

タンパク質をすみやかに体に取り入れたいときのおすすめは、吸収スピードの速い「ホエイプロテイン」です。ぜひこのタイミングにあわせてタンパク質を摂取しましょう。

食事に

ダイエットサポートや健康維持の方には、食事とあわせたプロテインの摂取がおすすめ

ダイエットや健康維持にはタンパク質をしっかり摂り、カラダ作りを助けるアミノ酸を体内に補給することが大切です。バランスよく食事をしていると思っていても、不足しがちなのがタンパク質。特にダイエット中はタンパク質の補給が不足しがちで、筋肉量が減ってしまう原因となります。筋肉が減ると基礎代謝が下がり、リバンドしやすくなります。

食前にプロテインを飲むことで満足感をコントロールし、食べすぎ対策も期待できます。また食事はしっかりという方には食後の摂取をオススメします。

プレーンタイプ(無味)のプロテインであれば、いつもの料理に加えることで料理のタンパク量をアップすることもできるので活用してみましょう。大豆由来のソイプロテインは、みそ汁などに加えると相性がよいのでオススメです。

ただし、プロテイン製品は、あくまでもタンパク質の摂取をサポートするものです。摂取できる栄養素や量は限定されます。そのため、プロテインは食事の代わりにはなりません。カラダに必要な栄養素は食事から摂取することが基本です。またプロテイン製品にはビタミン・ミネラルなどを含む製品もありますので、過剰摂取にならないように注意が必要です。

おやつに

筋トレサポートやダイエットには、間食(おやつ)としてタンパク質摂取がおすすめ

間食にプロテインを摂ることで、満足感を感じつつタンパク質を補給することができます。コラーゲンやビタミンを含むプロテインで美容や健康にも配慮しましょう。プロテインバーやプロテイン訴求のおやつも多数発売されています。

一般的に、筋肉の分解を防ぐためには食事以外にもタンパク質を2~3時間おきに摂取するのが理想的だといわれます。おやつなどで定期的にタンパク質補給することは、日々の筋トレのサポートにつながるでしょう。

ただし、日々の運動レベルにあわせて必要なタンパク質や栄養素、カロリーなども異なるので過剰摂取には注意しましょう。

就寝前に

健康維持や筋トレ後のケアのためには、就寝前の摂取がおすすめ

就寝前にタンパク質を摂取すると、成長ホルモンの働きが促進され、筋トレ後のボディケアを助けます。また、美容サポートにもつながります。

ただし、寝る直前に摂ると胃への負担があるため、就寝30分~1時間前が適切です。特に「カゼイン」や「ソイプロテイン」は、ゆっくりとタンパク質を補給してくれるためおすすめです。

※シールド乳酸菌は森永乳業株式会社の登録商標です。

かかりつけ医をオンラインで。医師によるオンライン診療で薬を処方。ミナカラ e-クリニック。
監修薬剤師
小寺 瑶
ミナカラ薬局薬剤師
小寺 瑶
【経歴】

福岡大学薬学部薬学科卒業
福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
株式会社大賀薬局
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局

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