ジスロマック®の市販薬はある?通販で買える?症状別の対処法を紹介
薬局でジスロマック®に似た市販薬は買える?
残念ながら、ジスロマック*と同じ成分を使用した市販薬は販売されていません。また、ジスロマック*と同じ効果が期待できる市販薬も販売されていません。(2024年6月現在)
ジスロマック*は抗生物質であり、症状に合わせて正しく使用する必要があります。
ジスロマック*を購入する場合は、病院で医師の診断を受ける必要があります。
ジスロマック*はどんな薬?
ジスロマック*とは、病院で処方される抗生物質の一種です。有効成分として「アジスロマイシン水和物」が配合されています。
ジスロマック*の飲み薬には成分量、成人用と小児用、剤形の違いによっていくつかの種類があります。
・ジスロマック*錠250mg
・ジスロマック*錠600mg
・ジスロマック*SR成人用ドライシロップ2g
・ジスロマック*細粒小児用10%
・ジスロマック*カプセル小児用100mg
ジスロマック*が効果を発揮するケース
ジスロマック*は、ブドウ球菌属・レンサ球菌属・肺炎球菌など、感染症をもたらす細菌に効果を発揮します。
ジスロマック*が治療に用いられる症状には次のようなものがあります。
| 呼吸器の症状 | 急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍 など |
| 耳鼻咽喉の症状 | 喉頭・喉頭炎、扁桃炎、副鼻腔炎 など |
| 歯の周囲組織の症状 | 歯周組織炎 など |
| その他の症状 | 尿道炎、子宮頸管炎 など |
ジスロマック*を4日程度使用しても症状が改善されない場合は、医師の判断で別の薬に変更されることがあります。
ただし、尿道炎や子宮頸管炎に使用する場合は、ジスロマック*を1回使用してから2~4週間ほど様子を見ることとなります。
ジスロマック*の副作用と注意点
ジスロマック*の主な副作用は下痢、嘔吐、腹痛などです。また、まれにショックやアナフィラキシー(呼吸困難など)といった重大な副作用を引き起こすこともあります。
ジスロマック*とアルコールの併用について、添付文書では注意喚起がされていません。
しかし、一般的にアルコールは薬の作用に影響を与えると考えられているため、飲酒は控えることをお勧めします。
そのほか、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの制酸薬はジスロマック*の作用を弱めることが報告されています。また、ワルファリンやシクロスポリンなどの薬と併用した場合に、これらの薬の作用を強めたという報告もあります。何か薬を飲んでいる人は、使用前に医師にご相談ください。
ジスロマック*は通販で買える?
ジスロマック*と同等の効果をうたう薬が、通販サイトなどで売られていることがあります。しかし、購入することは避けてください。
通販サイトなどで見かけるジスロマック*は、個人輸入代行業者などによって売られています。
こうした薬は医薬品としての安全性が保障されていません。場合によっては、服用後に思わぬ健康トラブルが起こるおそれがあります。
また、厚生労働省は個人輸入の薬によって起こったトラブルはすべて購入者の責任としています。そのため、トラブルが起こっても国の医薬品副作用被害救済制度のサポートを受けることができません。
正しい治療を行うためにも、個人輸入によるジスロマック*の購入は避けましょう。
症状別!ジスロマック*の市販薬を探してる人の対処法
ジスロマック*の市販薬は購入できませんが、症状に合わせて対処できることもあります。ジスロマック*が使用される主な病気の基礎知識と、症状をやわらげる市販薬を紹介します。
風邪をひいている場合
風邪の原因のほとんどは、ウイルス感染によるものです。そのため、細菌に効果を現すジスロマック*は風邪薬には向いていません。
風邪による諸症状(鼻水、喉の痛み、発熱など)に市販薬を使用する場合は、それぞれの症状を抑える成分が配合された総合感冒薬を選びましょう。
風邪は通常2~3日、長くても1週間程度で治ります。それ以上長引く場合は別の原因が考えられるので、医療機関を受診してください。
風邪の症状ごとの市販薬の選び方については、以下の記事で解説しています。
急性気管支炎の場合
急性気管支炎は、風邪の症状のひとつとして現れることがあります。しかし、症状が長引いている場合はウイルス感染の後に二次性の細菌感染を引き起こしているケースがあります。
細菌感染の場合は、市販の風邪薬では効果を得られません。細菌の種類に合わせた抗菌薬を飲む必要があります。
原因菌を特定し、自分に合った薬を処方してもらうために呼吸器科や内科を受診しましょう。
肺炎の場合
肺炎の主な原因のひとつが、肺炎球菌です。急性気管支炎を合併することもあります。
肺炎の治療には、ジスロマック*をはじめとした抗菌薬などを使います。市販薬では治療できないので、呼吸器科や内科を受診してください。
肺膿瘍(はいのうよう)の場合
肺膿瘍は、口の中の細菌が肺に侵入することで起こる病気です。
細菌の種類はさまざまですが、レンサ球菌やブドウ球菌などが原因菌としてあげられます。症状は以下のとおりです。
・咳、たん
・発熱、寝汗
・食欲不振、倦怠感 など
肺膿瘍かどうか確認するためには、胸部X線検査を受けるのが一般的です。そのため、まずは呼吸器科を受診しましょう。
治療は主にジスロマック*をはじめとする抗菌薬で行います。
喉頭炎・扁桃炎の場合
喉頭炎や扁桃炎は、ウイルスに感染して起こるケースが多いです。しかし、レンサ球菌やブドウ球菌などの細菌に感染して引き起こされる場合もあります。
ウイルスと細菌、どちらが原因か自分で特定することは困難です。そのため、耳鼻咽喉科を受診して自分に合った治療を行いましょう。
しかし中には、病院にかかるまで喉の痛みだけでもおさえたいと考える人もいるでしょう。
こちらの記事では、喉の痛みに効果を発揮する市販薬をタイプ別にご紹介しています。
紹介した市販薬は、あくまで喉の炎症を一時的におさえるためのものです。根本的な治療は、医療機関を受診して行いましょう。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)の場合
副鼻腔炎とは、鼻の奥で炎症が起こり、鼻の両側にある副鼻腔に膿がたまる病気です。鼻水や鼻づまりといった症状が現れるほか、鼻の奥に悪臭を感じたり、頭痛が起こることもあります。
急性の副鼻腔炎は、ウイルス感染が主な原因です。その後、レンサ球菌やブドウ球菌による二次感染を引き起こすことがあります。風邪をひいた当初はサラッとした鼻水だったのに、次第にドロッとして色がつくようになった場合は副鼻腔炎の可能性があります。
副鼻腔炎をケアできる市販薬には次のものがあります。
眠くなる成分は入っていません。1日2回服用する錠剤タイプで、5歳以上の子どもから使用できます。
チクナインの顆粒タイプです。スティックタイプで持ち運びに便利です。こちらは、2歳以上の子どもから使用できます。
チクナインは、辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)を配合した医薬品です。
漢方薬のため、体質などを変えていくことで症状を和らげていきます。
チクナインの効能効果は次のとおりです。
| 効能効果 |
|---|
| 体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの次の諸症:鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎) |
チクナインを飲む場合は、効き目があるか、まず1か月程度服用して様子を見ましょう。効果が実感できない場合は使用を中止して耳鼻咽喉科を受診してください。
副鼻腔炎には、カビの仲間である真菌やハウスダストが原因だったというケースもあります。また、中耳炎や虫歯といったほかの病気が引き起こすケースもあります。
これらが原因だった場合は、それぞれの原因にあわせた治療が必要です。また、症状が重い場合は早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
歯周病・顎炎の場合
歯周病は、口の中にいる数多くの細菌が作り出すプラーク(歯垢)によって引き起こされます。そして、歯周病の原因菌が歯髄を通じて顎に達すると顎炎が起こることがあります。
歯茎に炎症が起こった場合には、歯科からジスロマック*をはじめとした抗菌薬が処方されることもあります。ただし、歯周病の原因となるプラークを作らせないためには毎日の歯みがきも欠かせません。
さらに、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間のケアにはデンタルフロスを活用したり、歯周病対策できる歯みがき粉の使用もおすすめです。
以下の記事で、歯周病のケアができるオーラルケアグッズを紹介しています。
尿道炎の場合
尿道炎は、排尿痛や頻尿といった症状がみられる病気です。尿道口の炎症によって膿が出ることもあります。
尿道炎の原因は、ウイルス、真菌、細菌感染などさまざまです。クラミジアをはじめとした性感染症の症状のひとつとして現れるケースもみられます。
尿道炎の原因を特定するためには、泌尿器科を受診しましょう。女性でクラミジアの疑いや膣炎も起こっている場合は、産婦人科や婦人科を受診してください。
細菌が原因の場合はジスロマック*をはじめとした抗菌薬を、ウイルス感染の場合は抗ウイルス薬を用いて治療します。
クラミジアのような性感染症の場合は、パートナーも同時に治療を行って再発を防ぎましょう。
子宮頸管炎の場合
子宮頸管炎にかかると、おりものの異常や性器からの出血が起こります。子宮頸管炎の主な原因は、細菌感染であるクラミジア感染症や淋菌感染症です。
これらの原因は市販薬で治すことができないため、婦人科を受診しましょう。子宮頸管炎は慢性化しやすいため、医師の指導にしたがい時間をかけて治すことが大切です。
ジスロマック*の市販薬はないがジェネリック医薬品はある
ジスロマック*には似た働きを持つ市販薬がありません。しかし、医療機関を受診すればジェネリック医薬品を処方してもらうことはできます。
ジェネリック医薬品とは、先発薬(ここではジスロマック*のこと)と同じ有効成分が含まれていながら、より少ない自己負担金で入手できる薬のことです。ジェネリック医薬品でもジスロマック*と同等の効き目や品質、安全性が認められています。
ジスロマック*を病院で処方され、薬代をおさえたいと思った場合は、薬局でジェネリック医薬品について相談してみましょう。
おわりに
ジスロマック*が処方される病気は、市販薬で対処できるものもあれば、できないものもあります。また、通販で購入できる個人輸入のジスロマック*を使用することは健康面でのリスクが高いので避けてください。
正しい治療を受けることが、健康への近道です。そのため、市販薬で対処できない症状については早めに医療機関を受診しましょう。
※ジスロマックはファイザー・プロダクツ・インクの登録商標です。

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