花粉症チャレンジプログラム

第4回:花粉症に似ている疾患ーそれぞれの症状の違いをチェックしておこう。
花粉症と似たような症状が出たとき、「これは花粉症だろう」と決めつけていませんか?場合によっては別の病気の可能性もあります。今回は、花粉症と似たような症状がでる病気について解説し、適切に対処するためのポイントをまとめます。
アレルギー vs 感染症
アレルギーと感染症の基本的な違い
花粉症に代表されるアレルギー性疾患と、風邪などの感染症は、似た症状が出ることがありますが、発症の仕方や経過、症状の性質にいくつかの違いがあります。
アレルギー疾患である花粉症は、症状が比較的ゆっくり始まり、数週間から数か月にわたって続くのが特徴です。また、毎年ほぼ同じ時期に繰り返し起こることが多く、特定の花粉が飛散する季節と一致します。
一方、風邪やインフルエンザなどの感染症は、急に症状が出現し、数日から1週間程度でピークを迎え、その後改善していく短期間の経過をたどることが一般的です。
症状の質にも違いがあります。
花粉症では、鼻や目のかゆみ、くしゃみ、さらさらした鼻水、目やまぶたの軽い腫れといった症状が目立ち、「痒い、むくみっぽい」という特徴があります。
これに対して感染症では、喉の痛み、寒気、発熱、関節や筋肉の痛みなど、炎症を背景として「痛み、熱を伴う」症状が出やすい傾向があります。
また、花粉症は体質(免疫反応)の問題によるもので、人にうつることはありません。
一方、ウイルスや細菌による感染症は、周囲の人にうつる可能性がある点が大きな違いです。
鼻づまりについては、一般に花粉症が悪化すると強い鼻づまりが続くことが多いのに対し、ウイルス感染症では初期に鼻水が出ても、鼻づまりが長く続くわけではありません。ただし、感染症の種類や個人差によって症状の出方は異なります。
花粉症の主な症状と原因をおさらい
花粉症は、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの植物が放出する花粉が体内に入り込むことで起こるアレルギー反応です。花粉症の特徴には以下のようなものがあります。
- くしゃみは連続して出ることが多い
- 透明でさらさらした水のような鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ・涙目
- 熱はでても微熱程度
- 花粉が飛んでいる間、症状が続くことが多い
風邪や感染症との違いをチェック
花粉症シーズンになると、「鼻水・くしゃみ=いつもの花粉症」とつい思い込んでしまう人も多いでしょう。しかし、注意が必要なポイントがあります。
- 併発の可能性
花粉症がある人でも、同時に風邪やコロナ、インフルエンザにかかることは十分ありえます。そのため、他の感染症を見逃してしまう可能性があります。
- 見逃しリスク
特に、発熱・強い喉の痛み・倦怠感がある場合は、単に「花粉症」と思って放置すると、感染症を見過ごすリスクがあります。
- 自己判断の限界
花粉症の症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが代表的ですが、人によっては、咳が出る、頭痛がする、のどがイガイガする、微熱が出る、倦怠感が続くといった症状が現れる場合もあります。これらの症状は、他の感染症の症状と似ており、症状だけでは判別が難しいケースもあります。毎年花粉症に悩まされている方はもちろん、いつもと違う症状がみられた場合は、そのまま放置せず、必ず医療機関で相談するようにしましょう。

次に、鼻炎が長期化し悪化することで起こる病気や症状を紹介します。
副鼻腔炎(蓄膿症)の特徴
副鼻腔(ふくびくう)は、鼻の周囲の骨の中にある空洞で、鼻腔と細い通路でつながっています。副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染や鼻炎をきっかけに副鼻腔に炎症が起こる疾患です。花粉症と異なり、以下のような症状が目立ちます。
- 黄色や緑色の粘り気のある鼻水
- 頬や目の奥、額の痛み・重さ
- 頭が重い感じや頭痛、集中力の低下
- 鼻や口から不快なにおいを感じる(副鼻腔に分泌物がたまるため)
花粉症の治療をしていても症状が10日以上改善せずに続く場合や、徐々に悪化する場合は、花粉症ではなく副鼻腔炎の可能性も考えられます。
後鼻漏(こうびろう)とは
後鼻漏とは、鼻水が喉の方へ流れ落ちる状態を指します。花粉症、副鼻腔炎、風邪など、さまざまな疾患で起こります。
特徴的な症状として、
- 喉に何かが張りついている感じ
- 頻繁に咳払いをしたくなる
- 横になると症状が強くなる
- 痰が絡むような違和感
などがあり、咳や喉の不快感が長引く原因になることがあります。
まとめ
花粉症のシーズンでも、他の感染症を併発する可能性は十分にあるため、自己判断に頼りすぎるのは危険です。
症状が長引く、強いだるさがある、市販薬では改善しないなど、いつもの症状と違う場合には医療機関を受診するようにしましょう。

東京大学医学部医学科卒業
東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了
秋葉原駅クリニック
生活のなかで実践できるセルフケアの開拓や、患者さんの不安を軽くできる、やさしい医療を目指している。
【資格】
•日本アレルギー学会専門医
•日本内科学会総合内科専門医
【著書】
•これ、もしかしてアレルギー?
【連載】
•ポスタルくらぶ 「欧先生の診察室」

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル
オンライン診療の活用
オンライン診療が特に有効なのは、感染症の疑いがあるけれど重症ではないときです。
オンライン診療の大きな特長は、診察から薬の処方までがオンライン上で完結する点にあります。(※ 最終的には医師の診断により処方の可否が決まります。)
- ウェブから予約
- スマホ・PCでビデオ通話による診察をうける
- 薬を薬局で受け取る or自宅に薬を配送する
このような流れで、必要な医療ケアが受けられます。特に体調不良で外出をためらう方にとっては、効率的な選択肢のひとつと言えるでしょう。
ただし、対面での検査や処置が必要な場合は、医師の判断により来院を勧められることもあります。オンラインで完結できる症状かどうかは、予約時や診察時に確認しましょう。
こんなときは対面受診を検討
以下のようなケースでは、病院の受診を検討しましょう。
- 症状が長引いている
- 高熱が続いている
- 強い倦怠感(だるさ)がある
- 呼吸が苦しい、胸が痛い
- 市販薬を使っても改善しない
- 症状が日常生活や仕事に支障をきたす(鼻づまりで眠れない、集中できない等)
- 水分が取れない、意識がもうろうとしている
- 乳幼児・高齢者・持病がある人・妊婦
また、鼻水が 色付き・粘り気が強いなど、副鼻腔炎(蓄膿症)の疑いがある場合も、対面で受診することをおすすめします。
「すぐに相談できる安心」が自宅に
体調が不安でも、病院に行くのはハードルが高い…。そんなとき、オンライン診療なら自宅にいながら、医師にすぐ相談できる安心感があります。
「もう少し様子を見よう…」と判断を遅らせることで、症状が悪化してしまうケースも少なくありません。症状がある方、ご家族が感染している方、少しでも不安を感じたら、まずは医師に相談しましょう。
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