足の水虫(足白癬)は市販薬で治せる?
足の水虫は正式には「足白癬(あしはくせん)」といいます。白癬菌という真菌(カビ)の一種が原因で、皮膚の角質層に白癬菌が寄生することによって水虫になります。
白癬菌は身体のさまざまな部位に寄生しますが、高温多湿なところで繁殖しやすい特徴があるため、靴や靴下で蒸れやすい「足」に水虫の症状が出る方が多いです。
市販薬でも水虫は治せる
水虫の原因は細菌ではなく、真菌というカビの一種であるため、真菌に効果のある抗真菌薬を使用すれば治療が可能です。
現在は市販でも抗真菌薬が販売されており、処方薬と同じ成分を配合した市販薬も販売されています。
原因が白癬菌かどうか検査が必要
水虫は市販薬でも治療が可能ですが、それは原因が白癬菌だと断定できている場合のお話です。万が一症状の原因が白癬菌ではなかった場合、抗真菌を使用しても意味がなく、かえって症状を悪化させる危険性もあります。
初めて水虫と疑わしい症状が出た場合は、まずは病院で検査を受けましょう。
足の水虫の症状に合わせた薬の選び方
足の水虫症状は主に3つのタイプに分類されます。
①趾間型
足の指の間の皮膚が白くふやけてジュクジュクし、皮が剥けるタイプ。
ふやけた皮をむしると液が出て、患部がグジュグジュとただれてしまうケースもあります。
足の水虫の中でもよく見られるタイプの症状です。
②小水疱型
足の裏や土踏まず周辺、足のふちなどに小さな水疱が沢山でき、それが破裂して皮がむけるタイプ。強いかゆみをともなうことが多いです。
③角質増殖型
足裏全体に生じる水虫で、足の裏の皮が硬くなるタイプ。
かゆみなどの自覚症状はなく、表面がザラザラになって皮がむけていきます。ひび割れをともなうケースもあり、爪白癬を合併することが多いです。
※爪白癬は市販薬では治療ができないため、爪に水虫症状が出た場合は病院を受診するようにしましょう。
それぞれの症状に合った薬のタイプ
水虫の薬にはクリームや軟膏、スプレーなど、さまざまな剤形があります。それぞれの症状に合わせて、適した剤形のお薬を選ぶようにしましょう。
症状のタイプ | 部位 | おすすめの剤形 |
---|---|---|
趾間型 |
足の指の間 |
《表面が乾燥している場合》 ・液体タイプ 《ジュクジュクしている場合》 ・軟膏タイプ ・クリームタイプ ・パウダースプレータイプ |
小水疱型 |
足の縁・足裏 土踏まず |
《水疱がまだ破れていない場合》 ・軟膏タイプ |
角質増殖型 |
かかと 足裏全体 |
《乾燥している・皮膚が硬くなっている場合》 ・液体タイプ ・クリームタイプ 《ひび割れている場合》 ・軟膏タイプ |
また、水虫の市販薬には白癬菌に効果のある抗真菌成分以外にも、以下のような成分が配合されています。ご自身の悩みに合わせて、配合されている成分を選択すると良いでしょう。
成分名 | 効果 | |
---|---|---|
抗ヒスタミン成分 |
クロルフェニラミン塩酸塩 ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
かゆみをおさえる |
局所麻酔成分 |
ジブカイン塩酸塩 リドカイン |
かゆみをおさえる |
鎮痒成分 |
クロタミトン |
かゆみをおさえる |
殺菌消毒成分 |
イソプロピルメチルフェノール ベンザルコニウム塩化物 |
雑菌の増殖をおさえる |
抗炎症成分 |
グリチルレチン酸類 |
炎症をおさえる |
足の水虫に効くおすすめの市販薬
クリームタイプ
抗真菌成分 | その他成分 | メリット |
---|---|---|
テルビナフィン塩酸塩 |
・グリチルレチン酸 ・イソプロピルメチルフェノール ・ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
・かゆみ、においに効く ・購入後に薬剤師に相談できる |
ハイミズムシールは薬剤師によって開発されたクリームタイプの水虫薬です。
抗真菌成分であるテルビナフィン塩酸塩、炎症をおさえるグリチルレチン酸を配合しています。
雑菌の繁殖を抑制するための殺菌成分であるイソプロピルメチルフェノールやかゆみ止め成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩も含まれるため、におい・かゆみどちらもお悩みの場合にも対応しています。
ハイミズムシールは日本初※5gサイズの小規格もあり、試し使いにも便利です。
また、商品に添付してあるQRコードを読み取ることで無料で薬剤師へ相談ができるため、「症状がおさまらなくて心配」「使い方は合ってる?」などのお悩みにも安心してご使用いただけます。
※当社調べ
抗真菌成分 | その他成分 | メリット |
---|---|---|
ブテナフィン塩酸塩 |
・塩酸リドカイン ・dl-カンフル |
・強いかゆみに効く |
ラマストンMX2は抗真菌成分としてブテナフィン塩酸塩を配合。さらにかゆみ止め成分として塩酸リドカインが含まれているため、かゆみが強く掻きむしってしまうような水虫に適しています。
抗真菌成分 | その他成分 | メリット |
---|---|---|
テルビナフィン塩酸塩 |
・グリチルレチン酸 ・クロタミトン ・l-メントール |
・かゆみに効く ・症状が進行している場合におすすめ |
フットラッククリームは抗真菌成分のテルビナフィン塩酸塩を配合しています。また、抗炎症成分であるグリチルレチン酸を含んでいるので、ただれて赤みをもっている患部におすすめです。
かゆみがあって掻いてしまうことで炎症がおこるケースが多いため、3つのかゆみ止め成分を配合しているフットラッククリームは、症状が進行している場合に使用するといいでしょう。
軟膏タイプ
抗真菌成分 | その他成分 | メリット |
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ラノコナゾール |
・イソプロピルメチルフェノール ・グリチルレチン酸 |
・においに効く ・症状が進行している場合におすすめ |
ピロエースZ軟膏は1日1回塗るだけの、軟膏タイプの水虫薬です。雑菌の繁殖をおさえるイソプロピルメチルフェノールを配合。においの原因をブロックします。
抗真菌成分 | その他成分 | メリット |
---|---|---|
チアントール |
・ジフェンヒドラミン ・ジブカイン ・イソプロピルメチルフェノール ・イオウ ・酸化亜鉛 |
・強いかゆみに効く ・症状が進行している場合におすすめ ・ジュクジュクした患部を乾燥、保護する ・硬くなった皮膚を柔らかくする |
アスター軟膏は抗真菌成分としてチアントールを配合。ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジブカイン塩酸塩といった2種のかゆみ止め成分や、殺菌成分であるイソプロピルメチルフェノールも含んでいるため、かゆみ・においのどちらもお悩みの方におすすめです。
また、イオウによる硬くなった皮膚の軟化効果や、酸化亜鉛による分泌物の吸着効果により、カサカサ・ジュクジュクどちらの症状にも使いやすい商品です。
液体タイプ
※液体タイプの医薬品は下記の部位には使用しないでください。(患部を刺激し症状を悪化させるおそれがあります)
【ジュクジュクしている・ただれている・傷ができている】
抗真菌成分 | その他成分 | メリット |
---|---|---|
ラノコナゾール |
・クロルフェニラミン酸塩 ・クロタミトン ・グリチルリチン酸 ・l-メントール |
・かゆみに効く ・症状が進行している場合におすすめ ・清涼感ある使い心地 |
ピロエースZ液は抗真菌成分であるラノコナゾールに加え、かゆみ止め成分のクロルフェニラミン酸塩、クロタミトンや、抗炎症成分のグリチルリチン酸を配合。
2種のかゆみ止め成分と抗炎症成分で強いかゆみや炎症を鎮めます。
l-メントールが含まれるため、スーッとした清涼感のある使い心地です。
抗真菌成分 | その他成分 | メリット |
---|---|---|
テルビナフィン塩酸塩 |
・リドカイン ・ジフェンヒドラミン塩酸塩 ・グリチルレチン酸 ・イソプロピルメチルフェノール |
・かゆみに効く ・症状が進行している場合におすすめ |
メンソレータムエクシブW液は液体タイプの水虫薬です。抗真菌成分としてテルビナフィン塩酸塩を配合しています。さらにリドカインやジフェンヒドラミン塩酸塩といった2種のかゆみ止め成分や、抗炎症成分のグリチルレチン酸、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールを含んでいるため、強いかゆみや患部からのにおいが気になる方におすすめです。
パウダースプレータイプ
抗真菌成分 |
その他成分 | メリット |
テルビナフィン塩酸塩 |
・リドカイン ・グリチルレチン酸 |
・かゆみに効く ・炎症に効く ・清涼感 |
抗真菌成分であるテルビナフィン塩酸塩の他、3つの有効成分を配合。パウダースプレータイプは手を汚さずに薬剤が患部に効率よく付着し、成分が浸透します。また、付着したパウダーは表面の水分を吸収し、サラサラに乾燥させるので特にジュクジュクした水虫におすすめです。
抗真菌成分 |
その他成分 | メリット |
テルビナフィン塩酸塩 |
・リドカイン ・グリチルレチン酸 |
・かゆみに効く ・炎症に効く ・清涼感 ・シンプルなデザイン |
ダマリンパウダースプレーDXはかゆみや炎症に効果のある成分を配合しており、清涼成分も含まれるため爽やかな使い心地です。シンプルなデザインのため「外に持ち歩きにくい」といった水虫薬特有の悩みにも対応し使いやすい商品です。
水虫薬の正しい塗り方と注意点
水虫の市販薬を使用する際は、以下の点に注意してください。
足全体・アキレス腱の周囲まで薬を塗る
白癬菌は症状の出ていない部位にも潜んでいるため、薬は広範囲に塗るようにしましょう。
症状が出ている部位が足の指の間のみだったとしても、足全体(足裏、足の側面、指の背面、アキレス腱の周囲全て)に薬を塗るようにしてください。
薬を最低でも1ヶ月は塗り続ける
薬を使用して症状が良くなっても、最低でも1ヶ月は使用を続けるようにしましょう。
白癬菌は自覚症状がなくても患部に残っている危険性があるため、自己判断で薬の使用をストップするのは大変危険です。
入浴後に薬を塗る
水虫の薬を使うタイミングはお風呂上がりがおすすめです。患部が清潔であり、皮膚がふやけて薬が浸透しやすいためです。同じ時間に塗る習慣をつけておけば塗り忘れを防ぐことができます。
足の水虫予防対策方法
水虫の予防・対策に大切なことは、清潔な環境と乾燥です。
皮膚に付着した白癬菌は石鹸で洗い流すことができるので、毎日お風呂に入るなど、普段から足や体を清潔に保ちましょう。
ほかに身近にできる水虫の予防・対策としては次のようなものがあります。
・スリッパやサンダル、足ふきマットの共用は避けてこまめに洗う
・靴はこまめに洗い、中までしっかりと乾燥させる
・靴は2~3足をローテーションして履く
・お風呂から上がる前にシャワーを浴びる
・入浴後は指の間もしっかりと拭く
・水虫の人とは素足で触れ合わない
・畳や床をこまめに掃除して清潔に保つ