水虫が治らない:水虫と間違えやすい皮膚の病気について
症状が良くならない方へ:水虫に似た皮膚の病気の可能性
水虫薬を使用しても症状が良くならない場合、他の皮膚疾患にかかっている可能性があります。皮膚の病気は症状が似ていることが多く、水虫と間違えやすい皮膚疾患もあります。使用する薬は病気によって異なります。
汗疱(かんぽう)
汗疱は足の裏や手のひら、指の間に小さな水ぶくれができ、かゆみをともないます。その後、皮がめくれて皮膚がガサガサすることもあり、水虫と皮膚症状が非常に似ている病気です。
症状は似ていますが原因は全くの別物で、水虫は白癬菌が原因であるのに対し、汗疱はアレルギー反応が原因と考えられています。ステロイド外用剤で治療するケースが多いです。
接触皮膚炎
人によって原因は異なりますが、衣服との摩擦や汗による刺激、何らかの物質に接触することによるアレルギー反応で炎症が起こる皮膚病です。いわゆる皮膚のかぶれのことですが、かゆみや痛みをともなうことがあります。また、水虫でないのに皮膚に水虫の薬を塗ることによってアレルギー反応が起こり、接触性皮膚炎になる場合もあります。治療には主にステロイド外用剤が使用されます。
細菌感染
皮膚にできた傷や湿疹から細菌が感染し、炎症を起こす皮膚疾患です。いわゆる化膿と呼ばれる状態で、治療には抗生物質を使用します。
皮脂欠乏性湿疹
冬場の乾燥や洗いすぎが原因で皮膚の表面の脂が少なくなり、乾燥を生じてしまう病気です。かかとがひび割れしたり、皮膚がカサカサして剥がれ落ちます。かゆみをともなうこともあり、カサカサ系の水虫と間違われることが多いです。保湿剤やステロイド外用剤で治療します。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手や足の裏に膿んだ水疱が現れる病気です。皮が向けたり、かゆみがともなうことがあるため、水虫と間違える方も多いです。患者さんの喫煙率が高いというデータもありますが、原因ははっきりとは分かっていません。基本的にはステロイド外用剤で治療をします。
病院を一度受診してみましょう
症状が似ていても、原因が違えば治療方法も異なります。市販の水虫薬を2週間使用しても症状が良くならない方は、他の皮膚疾患にかかっている可能性があるため、一度病院で検査を受けた方が良いでしょう。原因を明確にすれば適切な治療方法が分かります。
また、原因が水虫ではないのに水虫の薬を使い続けると、皮膚の症状が悪化する危険性もあります。薬の使用は中止し、まずは原因特定のために病院を受診しましょう。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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