リンデロン®VGと同じ成分の市販薬はある?代用薬や処方薬との違いについて解説
リンデロン*VGと同じ成分の市販薬はある?
医療用医薬品であるリンデロン*VGと全く同じ成分の市販薬はありません。しかし、リンデロン*VGと同じく、ステロイド成分と抗生物質が配合された市販薬をリンデロン*VGの代わりに使うことはできます。
リンデロン*VGの主成分は、ステロイド成分『ベタメタゾン吉草酸エステル』と抗生物質『ゲンタマイシン硫酸塩』です。軟膏やクリーム、ローションの剤形もあり、ジュクジュクやただれがあったり、細菌による二次感染をともなう湿疹や皮膚の炎症に対して使用されます。
似た名称で”リンデロン*V”という処方薬もありますが成分が異なるため注意してください。
また、リンデロン*の塗り薬には、主に5種類があります。医療用医薬品のリンデロン*DP、リンデロン*V、リンデロン*VG、リンデロン*A、そして市販薬のリンデロン*Vsになっており、名前の最後のアルファベットに違いがあります。
▶リンデロン*VGと”リンデロン*V”の違いは?|リンデロン*Vと同じ成分の市販薬
ステロイド+抗生物質の市販薬はある
医療用医薬品であるリンデロン*VGとは成分の種類が異なりますが、ステロイド成分と抗生物質が配合された塗り薬は市販されています。
ステロイド成分+抗生物質の塗り薬は、化膿をともなう湿疹や皮膚炎、とびひや毛包炎(毛嚢炎)などの細菌が原因となる皮膚疾患などに効果をあらわします。
リンデロン*VGは”ストロング”のステロイド
ステロイドは、皮膚の炎症・赤みを鎮める効果が高く、湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましんなどに使用される成分です。
ステロイドが含まれる処方薬や市販薬は、強さに応じて5つのランクに分けられています。リンデロン*VGは、その中でもストロング(強い)に分類されるステロイド配合薬です。
効き目が強い2つのランクは、入手するために医師の処方箋が必要ですが、医療用医薬品であるリンデロン*VGと同じストロングランクのステロイド外用剤は市販薬としても販売されています。

リンデロン*VGの代わりに使える市販薬
医療用医薬品であるリンデロン*VG(ベタメタゾン吉草酸エステル+ゲンタマイシン硫酸塩)の代わりに使える、ストロングランクのステロイドと抗生物質が配合された軟膏タイプの薬を2種類紹介します。
ベトネベートN軟膏AS
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
|
ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) |
軟膏 |
ステロイド成分『ベタメタゾン吉草酸エステル』が含まれた薬です。
ステロイド成分に加え、抗生物質の『フラジオマイシン硫酸塩』も配合されています。
化膿をともなう皮膚の炎症や、とびひ・毛のう炎などの細菌感染による皮膚疾患に使用できます。
■用法用量
| 1日1〜数回、適量を患部に塗布してください。 |
フルコートf
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
|
フルオシノロンアセトニド(ステロイド) |
軟膏 |
ストロングクラスに分類されるステロイド成分の『フルオシノロンアセトニド』と、抗生物質の『フラジオマイシン硫酸塩』が配合された薬です。
化膿をともなう皮膚の炎症や、とびひ・毛のう炎などの細菌感染による皮膚疾患に使用できます。
■用法用量
| 1日1〜数回、適量を患部に塗布してください。 |
市販薬を使用する上での注意点|顔面や陰部などは薬の影響を受けやすい
ステロイドを配合した塗り薬は、長期連用した場合に皮ふが薄くなったり、血管が浮き出てみえるような副作用が起こったりすることもあります。
特に、皮ふが薄い顔面や陰部などは薬の影響を受けやすいので注意が必要です。
用法用量を守って使用し、5〜6日使用しても効果が感じられない場合は使用を中止し、医師に相談してください。
■市販のステロイド薬は子どもにも使える?
使用する際の年齢制限はありませんが、乳幼児の肌はデリケートで薬が吸収されやすいため、使用期間や使用量に気をつける必要があります。
特に首や顔などの皮ふの薄い部分は吸収率が高く、思わぬ副作用が出る可能性があるため、使用前に医師(かかりつけの小児科医など)、薬剤師、または登録販売者に相談してください。
リンデロン*VGと”リンデロン*V”の違いは?
医療用医薬品であるリンデロン*Vには、リンデロン*VGに含まれている抗生物質が含まれていないため、化膿した皮膚には適していません。主成分はステロイド成分『ベタメタゾン吉草酸エステル』のみで、湿疹や皮膚炎などに対して使用されます。
また、リンデロン*Vは同量の成分が配合されたスイッチOTC医薬品が販売されています。
| 成分 | スイッチOTC医薬品 | |
|---|---|---|
| リンデロン*VG |
・ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) | × |
| リンデロン*V | ・ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) | ◯ |
リンデロン*Vの代わりに使える市販薬
医療用医薬品であるリンデロン*VのスイッチOTC医薬品には、リンデロン*Vsシリーズがあります。
リンデロン*Vsは、軟膏、クリーム、ローションの3つの剤形から、塗る箇所や患部の状態に合ったものをお選びください。
リンデロン*Vs軟膏
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
|
ベタメタゾン吉草酸エステル |
軟膏 |
『ベタメタゾン吉草酸エステル』が配合されています。抗生物質は配合されていないため、化膿した部位には使用しないでください。
軟膏タイプのため、ジュクジュクした患部にも、カサカサした患部にもお使いいただけます。
■用法用量
| 1日1〜数回、適量を患部に塗布してください。 |
リンデロン*Vsクリーム
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
|
ベタメタゾン吉草酸エステル |
クリーム |
『ベタメタゾン吉草酸エステル』が配合されています。抗生物質は配合されていないため、化膿した部位には使用しないでください。
クリームタイプのため、伸びが良く塗りやすいです。
■用法用量
| 1日1〜数回、適量を患部に塗布してください。 |
リンデロン*Vsローション
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
|
ベタメタゾン吉草酸エステル |
ローション |
『ベタメタゾン吉草酸エステル』が配合されています。抗生物質は配合されていないため、化膿した部位には使用できません。
ローションは、頭皮など毛のある部位に塗るのに適しています。
■用法用量
| 1日1〜数回、適量を患部に塗布してください。 |
リンデロン*VGの類似薬が使える症状
医療用医薬品であるリンデロン*VGなどの処方薬と、この記事で紹介しているような抗生物質を含む市販薬では適した症状に違いがあります。
市販薬の正確な効能・効果は、それぞれの薬の添付文書をご確認ください。
| 抗生物質を含む市販薬が使用できる主な症状 |
|---|
|
○化膿をともなう次の症状: ○化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
やけどには使えない?
この記事で紹介している、市販のリンデロン*の類似薬は、やけどに適応がなく、また、ステロイドには免疫抑制作用があり、化膿している(細菌に感染している)皮膚に使うとかえって悪化するおそれがあるため、自己判断で使用することはできません。
ただし、病院で処方された医療用医薬品のリンデロン*などのステロイド外用薬は、患者さん一人一人の皮膚の状態や症状に合わせて処方されているため、やけどで処方された場合は、医師の指示に従い使いましょう。
やけどに使える市販薬については、次の記事をご参考にしてください。
虫刺されに効く市販薬の選び方
虫刺されに効く薬を選ぶ際は、ステロイド成分が必要かどうかを確認しましょう。
炎症がそこまで強く出ない虫刺されに関してはステロイド無配合の薬でも十分ですが、かゆみや腫れの炎症が強く出ている場合は、ステロイド配合の薬を検討しましょう。
アブやブヨ、ダニ、ハチなどのかゆみや腫れが出やすい虫だけでなく、蚊による虫刺されでも患部の赤みや腫れが強い時はステロイド配合薬を使うことで、かきこわしや悪化を防ぐことができます。
ただし、ハチに刺されたあと、冷や汗や息苦しさがある場合は、すぐに医療機関(救急科)での診察をうけましょう。
また、マダニに咬まれた場合は、自分で取り除くとかえって危険なため、自分で取り除かずにそのまま医療機関(皮膚科)での診察をうけ、処置してもらいましょう。
虫刺されに効く市販薬の詳しい選び方はこちらで解説しています。
あせもに効く市販薬の選び方
基本的には、皮膚が化膿しているようなあせもには、抗生物質が含まれた塗り薬が適しています。軽度のあせもにはかゆみ止め成分が入った塗り薬、皮膚の赤みがある場合はステロイド成分が配合された塗り薬を使用しましょう。
薬の選び方の詳細は以下のリンクからご確認ください。
| 特徴 | |
|---|---|
| 抗生物質 |
・化膿した皮膚に適している。 |
| かゆみ止め成分 |
・強いかゆみに適している。(かき壊しを防ぐ) |
| ステロイド成分 |
・炎症が強い皮膚に適している。 |
市販薬を使用する上での注意点
リンデロン*VGなどの処方薬の代用として市販薬を使用したい場合は、使用前に医師に確認してください。薬が症状に合わず治療の妨げになる可能性があります。
また、市販薬を5~6日使用しても効果が感じられない場合は使用を中止し、医師(皮膚科)に相談してください。
リンデロン*VGとは
医療用医薬品であるリンデロン*VGは、ステロイド成分『ベタメタゾン吉草酸エステル』と『ゲンタマイシン硫酸塩』という抗生物質が含まれた塗り薬です。化膿している湿疹や皮膚の炎症などに対して使用されます。
リンデロン*VGには、軟膏・クリーム・ローションの3タイプがあり、患部の位置や症状によって使いわけられます。
| 特徴 | 適した部位 | |
|---|---|---|
| 軟膏 |
・傷口にしみにくい |
・ジュクジュクした部位 |
| クリーム |
・伸びが良く塗りやすい |
・乾燥した部位 |
| ローション |
・クリームよりさらにべたつきがない |
・毛が多い部位 |
リンデロン*VGの効能・効果
○ 湿潤,びらん,結痂を伴うか,又は二次感染を併発している次の疾患:
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,脂漏性皮膚炎を含む),乾癬,掌蹠膿疱症○ 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
リンデロン*VGはさまざまな皮膚疾患に処方されますが、以下のような症状によく処方されます。
単純性湿疹、蕁麻疹、虫刺され、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、あせも、おむつかぶれ、とびひ、軽度の火傷 など
リンデロン*VGの成分
医療用医薬品であるリンデロン*VGはステロイドと抗生物質の2つの成分が配合された塗り薬です。
| リンデロン*VGの成分 |
|---|
|
ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) |
ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド)
『ベタメタゾン吉草酸エステル』などのステロイド成分は、炎症を鎮める効果がある成分です。ステロイドは効果の強さによってランク分けされますが、『ベタメタゾン吉草酸エステル』は5段階中、上から3番目のストロング(強い)に分類されています。
ゲンタマイシン硫酸塩(抗生物質)
『ゲンタマイシン硫酸塩』などの抗生物質は、患部への細菌感染を防ぎます。また、細菌の増殖を防ぎ、症状の悪化をおさえます。
ただし、抗生物質はむやみに長期使用すると細菌に耐性ができ効果が出づらくなることがあります。
※リンデロンは塩野義製▲薬▼株式会社の登録商標です。


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