メトホルミンの効果・副作用・飲み方について薬剤師が徹底解説!
メトホルミンとは?
メトホルミンは血糖値を下げる効果を持つ成分です。主に糖尿病の治療に使用される薬で、ビグアナイド系に分類されます。
メトホルミンを配合した医療用医薬品にはメトグルコ®︎*錠や、メトホルミン塩酸塩錠などが各メーカーから販売されています。
糖尿病に使われる薬には、ビグアナイド系とスルホニルウレア系、DPP-4阻害薬などがあります。ビグアナイド系は、ヨーロッパなどに分布するマメ科の植物から発見されたグアニジン誘導体から開発された薬でインスリン抵抗性改善薬の一つです。
メトホルミンは、食事療法や運動療法で血糖値が下がらなかった2型糖尿病の方が使用します。
また、スルホニルウレア系の糖尿病薬で治療をして効果がなかった方や、副作用が出てスルホニルウレア系の薬が使えなかった方にも処方されます。
メトホルミンの効果
メトホルミンは、肝臓で糖が生成されるのを抑えることで血糖値を下げます。そのほか、小腸で糖が吸収されることを抑制したり、末梢組織での糖利用を促進します。
メトホルミンの効果を最大限に得るためには
メトホルミンのような血糖降下剤は、食事療法や運動療法を正しく行った上で利用しないと薬の効果が出ません。
メトホルミンの効果を上げるために、食事療法と運動療法を続けながらメトホルミンを使用してください。
特に、肥満の方は薬の効きが悪いので食事療法と運動療法で肥満を解消しましょう。
メトホルミンの副作用
低血糖に要注意
もっとも注意する副作用は低血糖です。低血糖は血糖値が下がりすぎてエネルギーが不足する症状で、体に力が入らなくなったり意識が薄れたりけいれんが起こったりします。
また、下痢・高熱・おう吐の症状があり体調が悪い場合は、薬が効きすぎてしまい低血糖がおこることがあります。
低血糖の初期症状は、手の震えや体のふらつきです。低血糖の初期症状が起こったら、糖分を含む缶ジュースや缶コーヒー、ブドウ糖などを摂ることで、低血糖の悪化を防ぐことができます。
低血糖をおこさないために、食事は1日3食規則正しく摂ってください。食事の時間が遅くなったり抜いたりすると、薬の効果で血糖値が下がりすぎ低血糖をおこすおそれがあります。
その他の重い副作用
まれに生じる重大な副作用には、乳酸アシドーシスや横紋筋融解症、肝機能障害、黄疸があります。
乳酸アシドーシスは血液が酸性に傾いた状態で、血中乳酸値の上昇や血液pHの低下を示します。乳酸アシドーシスの初期症状は、下痢・食欲不振・消化不良・おう吐・腹痛・全身倦怠感・過呼吸などです。
横紋筋融解症は、骨格筋が壊死し、骨格筋に含まれる成分(ミオグロビンなど)が血液中に大量に流出する病態です。横紋筋融解症の初期症状は、筋肉痛、脱力感、赤褐色尿などが挙げられます。
また、肝機能障害では、全身倦怠感や黄疸、食欲低下などがあらわれます。
これらの症状があらわれた場合には、メトホルミンの使用を中止し、すぐに医師の診療を受けてください。
その他の副作用
その他の副作用は、吐き気、おう吐、下痢、便秘、腹部不快感、だるさ、頭痛、筋肉痛などがあります。メトホルミンの使用中にこのような症状があらわれたらすぐに医師に相談してください。
メトホルミンの用法・用量
今回はメトホルミン製剤のなかで、メトグルコ*錠の添付文書を元に解説します。
メトホルミンの用法・用量は成人と小児では異なります。
成人の場合、通常1日2~3回にわけて食直前か食後に飲みます。成人は1日量を500mgから開始し、750~1500mgで維持します。状態によって用量は調整されますが、1日最大2,250mgを超えません。
10歳以上の小児の場合、通常1日2~3回にわけて食直前か食後に飲みます。10歳以上の小児は1日量を500mgから開始し、500~1500mgを使用します。状態によって用量は調整されますが、1日最大2,000mgを超えません。
メトホルミンは、体の状態によって調整する必要があるため、必ず医師や薬剤師に指示された量を守りましょう。
メトホルミンの使用上の注意
メトホルミンが使用できない方
重い乳酸アシドーシスをおこすことがあるので、乳酸アシドーシスを起こしやすい方は、メトホルミンを使用しないでください。重い乳酸アシドーシスで、死亡した例も報告されています。
乳酸アシドーシスとは、血中乳酸値の上昇や血液pHの低下などを示す病態です。
乳酸アシドーシスを起こしやすい方は次のとおりです。
・過去に乳酸アシドーシスを起こしたことがある方
・重度の腎機能障害のある方または透析中の方(腹膜透析を含む)
・重度の肝機能障害のある方
・心血管系、肺機能に高度の障害(ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等)のある方およびその他の低酸素血症をともないやすい状態にある方
・脱水症の方または脱水状態が懸念される方
・過度にアルコールを摂取している方
他に、以下に該当する方もメトホルミンが使用できません。
・重症ケトーシス
・糖尿病性昏睡または前昏睡
・1型糖尿病の方
・重い感染症の方
・手術前後の方
・重い外傷がある方
・栄養不良を起こしている方
・飢餓状態の方
・衰弱している方
・脳下垂体機能不全または副腎機能不全の方
・妊婦または妊娠している可能性のある方
・メトホルミンの成分やビグアナイド系薬剤に対して過敏症がある方
メトホルミンの使用に注意する方
腎機能・肝機能に障害がある方や高齢の方に使用する際は、定期的に血液検査を行うなど慎重に投与する必要があります。
特に75歳以上の方では、メトホルミンを投与するかどうかについて慎重に判断しなければなりません。
また、食事が不規則な方・食事の摂取が少ない方・激しい運動をする方がメトホルミンを使用すると、低血糖を起こすおそれがあり危険です。メトホルミンを使用する際は、規則正しく食事をしたり運動量を調整するなど低血糖にならないように注意し使用してください。
そのほか、低血糖状態となるリスクがあるため、車の運転をする方は服用の際は十分に注意しましょう。
メトホルミンとの併用に注意する薬
メトホルミン服用中は過度のアルコール摂取が禁止されています。メトホルミンとアルコールを併用すると、肝臓における乳酸の代謝が妨げられる結果、乳酸アシドーシスを招くことがあります。また脱水状態を招くおそれがおります。
ヨード造影剤を用いてCTなどの検査を行う方は、乳酸アシドーシスをおこすことがあるのでメトホルミンの使用を一時的に中止してください。ヨード造影剤を使用した方で、メトホルミンの使用を再開していいのは造影剤使用後48時間以上経ってからです。
また、ゲンタマイシンなどのように腎毒性の強い抗生物質や利尿剤もメトホルミンと併用すると乳酸アシドーシスをおこすことがあります。抗生物質や利尿剤を使用する方は、医師に相談し一時的にメトホルミンの減量や中止などを行ってください。
他の糖尿病治療薬を使用している方は併用によって低血糖のリスクが高まるため、あらかじめ医師に伝えてください。医師が状態を確認しながら投与量の調節などを行います。
メトホルミンをオンライン診療で処方してもらう
メトホルミンは通販や個人輸入で購入しないこと
医療用医薬品のメトホルミンが通販サイトや個人輸入サイトなどで売られていることがありますが、購入することは避けてください。
個人輸入代行業者によって売られる薬は、医薬品としての安全性が保障されていないため、思わぬ健康トラブルが起こるおそれがあります。
また、厚生労働省は個人輸入の薬によって起こった健康被害については医薬品副作用被害救済制度の対象にならないと明記しています。
正しい治療を行うためにも、個人輸入・通販による医療用医薬品のメトホルミンの購入は避けましょう。
もし医療用医薬品のメトホルミンを購入したい場合は、病院を受診しましょう。
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まとめ
メトホルミンは血糖値を下げる血糖降下剤で糖尿病の治療に使用します。
メトホルミンのような血糖降下剤は、食事療法や運動療法を正しく行った上で使用しないと効果が出ないため、メトホルミンを飲みはじめてからも食事療法と運動療法は続けましょう。
メトホルミンを使用する人は、薬により副作用の低血糖がおこることがあるため食事を抜いたり食事の時間を遅らせたりしないようにしてください。
また、医師から指示された低血糖症の対策を行い、毎日規則正しい食事をしましょう。
※メトグルコはメルク・サンテ ソシエテ パー アクションズ シンプリフィエの登録商標です。

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