ヘモリンド®︎舌下錠の効果|市販薬の特徴や副作用、注意点を紹介
ヘモリンド*舌下錠は舌の下で溶かして使用するいぼ痔専用薬です。有効成分がいぼ内部のうっ血を内側から改善します。いぼ痔を根元から小さくすることで、内痔核・外痔核の諸症状を改善し、繰り返すいぼ痔に効果を発揮します。
医療用と同成分の市販薬
ヘモリンド*舌下錠は、痔核の症状の緩解に用いられる医療用医薬品の「ヘモリンガル*1舌下錠0.18mg」と同成分の「静脈血管叢エキス」を有効成分として配合しています。
効果と作用のしくみ
ヘモリンド*舌下錠の効能・効果は、内痔核、外痔核の症状の緩解です。
有効成分の静脈血管叢エキスには5つの作用があり、いぼ痔の改善に効果が期待できます。
・血液循環の改善
静脈血管叢エキスの主な作用です。舌の下から吸収された成分は、血流に乗って体内をめぐり患部に届くと、血流の機能を調節・改善し、うっ血状態を回復させます。
・抗浮腫
いぼ痔の腫れをおさえます。
・繊維素溶解
うっ血箇所の固まった血を溶かし、いぼをやわらかくします。
・組織修復
傷ついた組織を修復し、出血をおさえます。
・抗炎症
かゆみ・痛み・腫れなどの症状をおさえます。
ヘモリンド*舌下錠の特長
内側から効く
最大の特長は「内側から効く」点にあります。
ヘモリンド*舌下錠の有効成分である静脈血管叢エキスは、舌下から吸収することで、いぼ痔の原因となるうっ血状態の血管へ作用し、回復を促します。
いぼ痔を根元から改善
有効成分がいぼの内側に届き、いぼ痔の原因となるいぼの内部の根を小さくし、うっ血状態を回復させる効果があります。
服用のしやすさ
服用のしやすさも大きな特長の一つです。
水なしで服用できるので、手を汚さずに、場所を選ばずに手軽に服用できます。
ヘモリンド*舌下錠の使い方
ヘモリンド*舌下錠の用法・用量
ヘモリンド*舌下錠は、症状に応じて次の量を空腹時に舌下間で服用します。
| 症状の名称 | 1回量 | 服用回数 |
| 急性症 | 2錠 | 1日4回 |
| 一般症状 | 1錠 | 1日3回 |
| 慢性症 | 1日目 2錠 | 1日4回 |
| 2日目 2錠 | 1日3回 | |
| 3日目以降 1〜2錠 | 1日3回 |
慢性症の方は、3日目以降は状態を見ながら1回1錠に減量してください。
服用のタイミングは、1日3回の場合は毎食前などの空腹時、1日4回の場合は毎食前と就寝前などの空腹時を目安とします。
また、症状がどれに該当するかは以下を参考にしてください。
| 症状の名称 | 具体的な症状 |
| 急性症 | 激しい痛み、出血・腫れ・かゆみ・違和感などをともなう症状 |
| 一般症状 |
急性症の激しい痛みが緩和した後の排便時の痛み、出血・腫れ・かゆみ・違和感などをともなう症状 |
| 慢性症 |
長期にわたる排便時の痛み、出血・腫れ・かゆみ・違和感などをともなう症状 |
直接飲み込まないこと!
舌下錠は、文字通り「舌の下」に入れて、5~10分程度かけて溶かす形での服用となります。味は無味で、場所や状況を選ばずに水なしで服用できます。
ただし、そのまま飲み込んでしまうと期待された効果はあらわれません。噛み砕いたり、飲み込んだりしないようにしましょう。
ヘモリンド*舌下錠は、舌の下から吸収させることで、有効成分が胃酸で分解されることを防いでいます。
直接飲み込むと、薬効が失われてしまうのでご注意ください。
ヘモリンド*舌下錠の効果発現と服用期間
効果が出るのはいつ?
医療用医薬品の「ヘモリンガル*1舌下錠0.18mg」では、服用後1週間では約5割の方に、服用後2週間で約8割の方にいぼ内部の縮小や消失、出血などの症状の改善がみられました。
いぼ痔の症状の特徴としては排便時の違和感などがありますが、違和感などが緩和したと感じられたらヘモリンド*舌下錠の効果が出ていると考えられます。
症状や体質によってヘモリンド*舌下錠の効果を感じる時期は異なりますが、まずは1週間ほど服用し、効果を確認しましょう。
服用期間の目安は1か月
効果を感じる場合は1か月以上服用を続けることができますが、1か月を目安に一度服用を中止し、経過をみましょう。
症状と体調を確認し、症状があるときのみヘモリンド*舌下錠を服用してください。
1か月程度服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、ヘモリンド*舌下錠の説明書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
ヘモリンド*舌下錠の使用上の注意
15歳未満の小児は服用禁止
ヘモリンド*舌下錠は、15歳未満の小児は服用できません。小児の手の届かない場所に保管するようにしてください。
また、以下に該当する方は服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
・医師の治療を受けている人
・妊婦または妊娠していると思われる人
・薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
市販の痔の外用薬と併用はできる?
ヘモリンド*舌下錠には、併用に注意すべき外用薬の報告がなく、ラホヤA注入軟膏などの外用薬と併用することができると考えられます。
ラホヤA注入軟膏などは外から、ヘモリンド*舌下錠は中から痔に効く薬です。
なお、医師の治療を受けている場合は、念のため医師または薬剤師に確認するようにしましょう。
6つの有効成分が、きれ痔(さけ痔)・いぼ痔の痛み・かゆみ・はれ・出血の緩和に効果をあらわします。注入と塗布、2通りの使い方ができる注入軟膏剤です。
ラホヤA注入軟膏EXは、無理なく続けられるリーズナブルな価格です。痔の薬と気づかれにくいパッケージも特徴の一つです。
■用法容量
| ・成人(15歳以上):注入:1回1個:1日1〜2回 ・成人(15歳以上):塗布:適量:1日1〜3回 ・15歳未満:使用しないでください |
*注入する場合:ノズル部分を肛門内に挿入し、全量をゆっくり注入してください
*塗布する場合:肛門部に塗布してください。なお、一度塗布に使用したものは、注入には使用しないでください
他の内服薬と併用はできる?
2024年8月時点で、ヘモリンド*舌下錠の有効成分「静脈血管叢エキス」には、特に飲み合わせに注意のある成分は報告されていません。
しかし、他の内服薬を飲んでいる場合は、念のため服用前に医師または薬剤師に相談してください。
ヘモリンド*舌下錠の副作用
ヘモリンド*舌下錠の添付文書(説明書)には、以下のような副作用の記載があります。
服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、製品の添付文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
関係部位 症状 皮ふ 発疹・発赤、かゆみ 消化器 食欲不振、吐き気・嘔吐、口内炎様の症状、腹部膨満感 服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、製品の添付文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
軟便、下痢
「ヘモリンド舌下錠」添付文書 より引用
医療用の「ヘモリンガル*1舌下錠0.18mg」の添付文書では、これらの副作用の発生頻度は1%未満と低頻度であり、かつ症状からしても重大な副作用ではないことがうかがわれます。
何かしらの症状が現れた場合には使用を中止し、大事にいたる可能性は低いと考えられますが、気になる場合には医療機関を受診しましょう。
おわりに
ヘモリンド*舌下錠は、いぼ痔を根元から改善する効果が期待できる医薬品です。また、水なしで服用できるため利便性も高く、手軽に服用することができます。
決められた用法・用量を守り、まずは1週間様子を見ながら服用し、いぼ痔の症状を改善していきましょう。
*ヘモリンドはファルマコン・テクノロジーズ・アーゲーの登録商標です。
*1 ヘモリンガルはビーエヌティー・アー・ゲーの登録商標です。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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