タケプロン®(ランソプラゾール)の市販薬はある?|胃酸の分泌をおさえる成分を解説
タケプロン®と同じ成分の市販薬はある?
現在、タケプロン*と同じ有効成分を使用した市販薬は、タケプロン*sという商品名で販売されています。
タケプロン*(ランソプラゾール)とは
タケプロン*は主成分を『ランソプラゾール』とした、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。
タケプロン*の内服薬には、口の中で溶けるOD錠とカプセルの2種類があります。
OD錠もカプセルも成分の配合量が異なる15mgと30mgの薬があり、配合量によって使用できる病気や症状が異なります。
タケプロン*と似た市販薬の選び方
医療用医薬品のタケプロン*は、胃酸を分泌するプロトンポンプを抑制して胃酸の分泌を抑えます。胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療のほか、ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に用いられます。
市販薬のタケプロン*sは、同じ成分である『ランソプラゾール』を配合していますが、効能効果は「胸やけ、もたれ、胃痛」に限定されており、他の症状には使用できませんので注意が必要です。
また、市販薬のタケプロン*sは2025年10月現在、要指導医薬品に指定されているため、通信販売で購入することはできません。薬局やドラッグストアで、薬剤師から説明を受けた上で購入することが可能です。
胃酸の分泌をおさえる成分には『H2ブロッカー』もある
胃腸薬は様々な種類がありますが、タケプロン*の主成分『ランソプラゾール』の主な作用は胃酸の分泌をおさえることです。
『H2ブロッカー』とは胃粘膜のH2受容体と結びつくことで、余分な胃酸の分泌をおさえる働きをする成分の総称です。
タケプロン*の代わりに市販薬を使う場合の注意点
タケプロン*などの処方薬の代用として市販薬を使用したい場合は、使用前に医師に確認してください。成分が異なるため、薬が症状に合わず治療の妨げになる可能性があります。
市販の胃薬を3日間使用しても効果が感じられない場合は使用を中止し、医師に相談してください。また、2週間以上の長期連用もおやめください。
ガスター10<錠>
| 有効成分 | 含有量(1錠中) |
|---|---|
|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
主成分のファモチジン(H2ブロッカー)が過剰な胃酸の分泌を抑制することで、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。症状があらわれた時に服用するタイプの薬です。1日2回まで服用できますが、2回目の服用時は8時間以上の間隔をあけてください。
ファモチジン錠「クニヒロ」
| 有効成分 | 含有量(1錠中) |
|---|---|
|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ファモチジンが過剰な胃酸分泌を抑えて胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。1日2回まで服用できますが、2回目の服用時は8時間以上の間隔をあけてください。
ガスター10 S錠
| 有効成分 | 含有量(1錠中) |
|---|---|
|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10 S錠は口の中の水分を含むと速やかに溶け、水なしでも服用できる「口中速溶タイプ」です。移動中や仕事中にもその場ですぐに服用できることが特徴です。
市販薬が使用できる症状
この記事で紹介している『ファモチジン(H2ブロッカー)』を主成分とした市販薬は、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきに使用することができます。
胃痛・胃もたれに効く市販薬の選び方
胃の痛みや胃もたれなどの胃のトラブルは、胃を守る”防御因子”と胃を攻撃する”攻撃因子”のバランスが崩れることで起こります。胃のトラブルの原因によって適した薬は異なります。
市販薬の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。
タケプロン*とH2ブロッカーとの違い
タケプロン*は主成分を『ランソプラゾール』とした、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。
この記事で紹介している『H2ブロッカー』と胃酸の分泌をおさえるという点では同じですが、作用や効果が少し異なります。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)とは
『プロトンポンプ阻害薬』とは、胃酸を分泌するプロトンポンプの働きをおさえる作用がある薬の総称です。
通常は、アセチルコリン、ヒスタミン、ガストリンの3つの物質がそれぞれの受容体を刺激し、その信号がプロトンポンプに伝わることで胃酸が分泌されます。

H2ブロッカーとは
『H2ブロッカー』は別名を「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」といい、胃酸分泌の原因となるヒスタミンの信号をブロックする成分の総称です。
『H2ブロッカー』は、アセチルコリンやガストリンによる胃酸分泌までは抑制できないため、胃酸をおさえる強さは『プトロンポンプ阻害薬』の方が強いといえます。
タケプロン*の効果と副作用
タケプロン*は、胃酸を分泌するプロトンポンプを抑制して胃酸の分泌を抑えます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療のほか、ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に用いられます。
タケプロン*の主な副作用
タケプロン*の主な副作用として、発疹、かゆみ、便秘、下痢、口渇、腹部膨満感、頭痛、眠気、発熱などが報告されています。
また、ヘリコバクター・ピロリ除菌を目的として使用した場合は、軟便、下痢、味覚異常、腹部膨満感、貧血、発疹などが主な副作用として報告されています。
※タケプロンは武田薬品工業株式会社の登録商標です。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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