ミナカラ
新型コロナの発熱に効く市販の解熱剤を紹介|対処法と薬の選び方を解説
最終更新日
2025.01.31
薬剤師監修日
2024.06.17

新型コロナの発熱に効く市販の解熱剤を紹介|対処法と薬の選び方を解説

新型コロナウイルス感染時、基本的には市販の解熱剤を服用しても問題ありません。ただし、解熱剤の種類や服用する方の年齢や体質によっては、服用をさけたほうがよい場合もあるため注意が必要です。この記事では、急な発熱時にも使える解熱剤の選び方と、発熱時の対処法について解説しています。
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編集
高橋 伊津美
監修薬剤師
ミナカラ薬局薬剤師高橋 伊津美
朝比奈 裕介
編集者
株式会社ミナカラライター朝比奈 裕介

新型コロナによる発熱に効く解熱剤の選び方

市販の解熱剤には「アセトアミノフェン」や「イブプロフェン」「ロキソプロフェン」などの種類があり、薬によって対象年齢や注意点が異なります。

イブプロフェンやロキソプロフェンはNSAIDs(エヌセイズ)というグループに分類され、アセトアミノフェンとは違った特徴があります。

●NSAIDsとは?
NSAIDs(エヌセイズ)は、非ステロイド性抗炎症薬の略称で、炎症や痛みをおさえたり、熱を下げる作用がある薬の総称です。痛みや発熱の元となるプロスタグランジンの生成をおさえます。

子どもにも使えるアセトアミノフェン

市販の解熱剤は対象年齢が15歳以上の薬が多いですが、アセトアミノフェンは15歳未満の子どもが服用できる小児用も市販されています。

また、NSAIDsの副作用のひとつである胃腸障害が起こりにくく、授乳中の方も使いやすい薬です。NSAIDsはインフルエンザによる発熱には使用できませんが、アセトアミノフェンはインフルエンザによる発熱にも使用できます。

イブプロフェン・ロキソプロフェンの注意点

NSAIDsに分類されるイブプロフェンやロキソプロフェンの市販薬は、15歳未満の方は服用できず、副作用として胃腸障害があらわれることがあります。

また、NSAIDsはインフルエンザに対して服用すると「インフルエンザ脳症と呼ばれる合併症の原因となる可能性がある」​​​​​​とされています。

そのため、胃腸の副作用が心配な方やインフルエンザの感染が疑われる方はアセトアミノフェンの使用がおすすめです。

 特徴
アセトアミノフェン

・15歳未満も服用できる小児用の薬がある

・NSAIDsに比べて胃への副作用が出にくい

イブプロフェン

ロキソプロフェン

・市販薬では15歳未満が服用できる薬はない

・アセトアミノフェンに比べて胃への副作用が出やすい

・インフルエンザには使用できない

新型コロナに感染した疑いがあるときの対処法

発熱や咳などの症状があらわれた場合、まずは抗原定性検査キットでセルフチェックをしましょう。

抗原定性検査キットは、国が承認した医薬品の抗原定性検査キットを使用してください。

国が承認した医薬品の抗原定性検査キットには、「体外診断用医薬品」もしくは「第1類医薬品」と明記されています。

抗原定性検査キット|第1類医薬品

ミナカラでは、以下の医薬品の抗原定性検査キット(第1類医薬品)を取り扱っています。新型コロナウイルス抗原とインフルエンザウイルス抗原を同時検出する定性検査キットです。
こちらの検査薬はすべて一般用医薬品として厚生労働省に承認されています。

 

エスプラインSARS-COV-2&FLUA+B(一般用)は、鼻腔ぬぐい液を用いて自宅で検査でき、20分で判定結果がわかります。

 

アンスペクトコーワWは、検体をテストカセットに滴下してから 15 分で結果を確認できます。

 

KBM ラインチェック nCoV/Flu(一般用)は、検体をテストデバイスに滴下してから15分で結果を確認できます。

抗原定性検査の使い方や結果(判定)の見方、陽性時の対応は、以下の記事で紹介しています。

新型コロナの感染疑いがある発熱に解熱剤を飲んでいい?

病院を受診する前に解熱剤を使用したいとき、基本的には市販の解熱剤を服用しても問題ありません。

ただし、解熱剤の種類や服用する方の年齢や体質によっては、服用をさけたほうがよい場合もあるため注意が必要です。

アセトアミノフェンの解熱剤一覧

商品名
【第2類医薬品】バファリンルナJ 12錠
【第2類医薬品】バファリンルナJ 12錠
【第2類医薬品】小児用バファリンCII 16錠
【第2類医薬品】小児用バファリンCII 16錠
【第2類医薬品】小児用バファリン チュアブル 12錠
【第2類医薬品】小児用バファリン チュアブル 12錠
【第2類医薬品】ラックル 12錠
【第2類医薬品】ラックル 12錠
【第2類医薬品】ムヒのこども解熱鎮痛顆粒 8包
【第2類医薬品】ムヒのこども解熱鎮痛顆粒 8包
形状錠剤錠剤錠剤錠剤顆粒
用法・用量成人(15歳以上):1回3錠、1日3回まで
11歳以上15歳未満:1回2錠、1日3回まで
7歳以上11歳未満:1回1錠、1日3回まで
7歳未満:服用しないこと
11歳以上15歳未満:1回6錠、1日3回まで
7歳以上11歳未満:1回4錠、1日3回まで
3歳以上7歳未満:1回3錠、1日3回まで
3歳未満:服用しないこと
11歳以上15歳未満:1回4錠、1日3回まで
7歳以上11歳未満:1回3錠、1日3回まで
3歳以上7歳未満:1回2錠、1日3回まで
3歳未満:服用しないこと
成人(15歳以上):1回1錠、1日3回まで
15歳未満:服用しないこと
7歳以上11歳未満:1回1包、1日3回まで
3歳以上7歳未満:1回2/3包、1日3回まで
1歳以上3歳未満:1回1/2包、1日3回まで
1歳未満:服用しないこと
特徴・アセトアミノフェンのみ配合
・水なしで飲めるチュアブル錠
・7歳から服用できる
・子ども専用解熱鎮痛薬
・眠くなる成分は無配合
・3歳から飲める
・子ども専用解熱鎮痛薬
・眠くなる成分は無配合
・水なしで飲める
・アセトアミノフェンのみ配合
・1歳から飲める子ども専用の解熱鎮痛薬
・眠くなる成分(鎮静催眠成分)を含まない
・イチゴ味の顆粒剤
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ラックル

【第2類医薬品】ラックル 12錠

対象年齢有効成分含有量(1錠中)

15歳以上

アセトアミノフェン

300mg

ラックルは、1錠中にアセトアミノフェンを300mg配合しています。水にすぐ溶けるタイプの速溶錠です。口の中でかみくだくか、軽く口の中で溶かしてから水と一緒に服用してください。

パッケージには「腰痛 神経痛に早く効く」と記載されていますが、腰痛や神経痛のみならず、発熱の症状にもお使いいただけます。

●用法・用量

・1回1錠、1日3回を限度として使用してください。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

タイレノールA

対象年齢有効成分含有量(1錠中)

15歳以上

アセトアミノフェン

300mg

タイレノールAは、1錠中にアセトアミノフェンが300mg含まれている市販薬です。

●用法・用量

・1回1錠、1日3回を限度として使用してください。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・風邪による発熱時は、なるべく空腹時を避けて服用してください。

バファリンルナJ

【第2類医薬品】バファリンルナJ 12錠

対象年齢有効成分含有量(1錠中)

7歳以上

アセトアミノフェン

100mg

バファリンルナJは7歳以上から服用でき、子どもや授乳中の方でも服用できることが最大の特徴です。妊娠中の方は、時期や状況によって服用の可否が異なるため、服用前に主治医に相談してください。

水なしでも飲めるチュアブル錠です。

●用法・用量

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避け、かみくだくか口の中で溶かして服用してください。

・以下の服用量、服用回数を必ずお守りください。

年齢1回量1日の服用回数

15歳以上

3錠

3回まで

11~14歳

2錠

7~10歳

1錠

7歳未満

服用しないこと

小児用バファリンCⅡ

【第2類医薬品】小児用バファリンCII 16錠

対象年齢有効成分含有量(1錠中)

3~14歳

アセトアミノフェン

33mg

小児用バファリンCⅡは3歳から15歳未満の子ども専用の解熱剤です。フルーツ味で比較的飲みやすい小粒の錠剤です。

●用法・用量

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

・以下の服用量、服用回数を必ずお守りください。

年齢1回量1日の服用回数

11~14歳

6錠

3回まで

7~10歳

4錠

3~6歳

3錠

3歳未満

服用しないこと

小児用バファリンチュアブル

【第2類医薬品】小児用バファリン チュアブル 12錠

対象年齢有効成分含有量(1錠中)

3~14歳

アセトアミノフェン

50mg

小児用バファリンチュアブルは、錠剤を飲み込むのが苦手な子どもでも比較的服用しやすいオレンジ味のチュアブル錠です。かみくだくか、口の中で溶かして服用するため、水なしで服用できます。

●用法・用量

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

・以下の服用量、服用回数を必ずお守りください。

年齢1回量1日の服用回数

11~14歳

4錠

3回まで

7~10歳

3錠

3~6歳

2錠

3歳未満

服用しないこと

ムヒのこども解熱鎮痛顆粒

【第2類医薬品】ムヒのこども解熱鎮痛顆粒 8包

対象年齢有効成分(含有量/1包中)

1~10歳

アセトアミノフェン(150mg)
アスコルビン酸(50mg)
グリシン(150mg)

ムヒのこども解熱鎮痛顆粒は、1歳から服用できる顆粒タイプの解熱剤です。アセトアミノフェンにくわえて、ビタミンC(アスコルビン酸)や、胃への負担をやわらげるグリシンが配合されています。

●用法・用量

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

・以下の服用量、服用回数を必ずお守りください。

年齢1回量1日の服用回数

7~10歳

1包

3回まで

3~6歳

2/3包

1~2歳

1/2包

1歳未満

服用しないこと

イブプロフェン・ロキソプロフェンの解熱剤一覧

商品名
【第1類医薬品】ロキソニンS 12錠
【第1類医薬品】ロキソニンS 12錠
【指定第2類医薬品】リングルアイビーα200 12カプセル
【指定第2類医薬品】リングルアイビーα200 12カプセル
【指定第2類医薬品】リングルアイビー錠α200 12錠
【指定第2類医薬品】リングルアイビー錠α200 12錠
形状錠剤カプセル剤錠剤
用法・用量成人(15歳以上):1回1錠、1日2回まで
(ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用できる)
15歳未満:服用しないこと
成人(15歳以上):1回1カプセル、1日2回まで
(ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用できる)
15歳未満:服用しないこと
成人(15歳以上):1回1錠、1日2回まで
(ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用できる)
15歳未満:服用しないこと
特徴・鎮痛成分ロキソプロフェンナトリウム水和物のみ配合
・小型の錠剤
・胃への負担が比較的少ない仕組みの製剤
・眠くなる成分(鎮静催眠成分)を含まない
・鎮痛成分イブプロフェンのみ配合
・イブプロフェン1回の服用量(200mg)を市販薬で最大量配合
・眠くなる成分(鎮静催眠成分)を含まない
・鎮痛成分イブプロフェンのみ配合
・イブプロフェン1回の服用量(200mg)配合
・眠くなる成分(鎮静催眠成分)を含まない
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フェリア

対象年齢有効成分含有量(1回量)

15歳以上

イブプロフェン

150mg

イブは、有効成分がイブプロフェンのみの解熱剤です。1回1包でイブプロフェン150mgを配合しています。

●用法・用量

・1回1包、1日3回を限度として使用してください。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

リングルアイビー錠α200

【指定第2類医薬品】リングルアイビー錠α200 12錠

対象年齢有効成分含有量(1回量)

15歳以上

イブプロフェン

200mg

リングルアイビー錠α200は、有効成分がイブプロフェンのみの解熱剤です。1回1錠でイブプロフェン200mgを配合しています。

●用法・用量

・1回1錠、1日2回まで。再度症状があらわれた場合は3回目を服用できます。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

リングルアイビーα200

【指定第2類医薬品】リングルアイビーα200 12カプセル

対象年齢有効成分含有量(1回量)

15歳以上

イブプロフェン

200mg

リングルアイビーα200は、液体が入ったカプセルタイプが特徴です。リングルアイビー錠α200と同量の有効成分を配合しています。

●用法・用量

・1回1カプセル、1日2回まで。再度症状があらわれた場合は3回目を服用できます。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

ロキソニンS

【第1類医薬品】ロキソニンS 12錠

対象年齢有効成分含有量(1回量)

15歳以上

ロキソプロフェンナトリウム水和物

60mg

ロキソニンSは、有効成分がロキソプロフェンのみの解熱剤です。1回1錠でロキソプロフェン60mgを配合しています。

●用法・用量

・1回1錠、1日2回まで。再度症状があらわれた場合は3回目を服用できます。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

ナロンLoxy

【第1類医薬品】ナロンLoxy 12錠

対象年齢有効成分含有量(1回量)

15歳以上

ロキソプロフェンナトリウム水和物

60mg

ナロンLoxyは、有効成分がロキソプロフェンのみの解熱剤です。1回1錠でロキソプロフェン60mgを配合しています。

●用法・用量

・1回1錠、1日2回まで。再度症状があらわれた場合は3回目を服用できます。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

ロキソプロフェンT液

対象年齢有効成分含有量(1回量)

15歳以上

ロキソプロフェンナトリウム水和物

60mg

ロキソプロフェンT液は、有効成分がロキソプロフェンのみの解熱剤です。1回1本でロキソプロフェン60mgを配合しています。

1回量ごとの飲み切りタイプのため、外出先でも服用できます。錠剤が苦手な方にもおすすめです。

●用法・用量

・1回1本、1日2回まで。再度症状があらわれた場合は3回目を服用できます。

・服用間隔は4時間以上あけてください。

・なるべく空腹時を避けて服用してください。

かかりつけ医をオンラインで。医師によるオンライン診療で薬を処方。ミナカラ e-クリニック。
監修薬剤師
高橋 伊津美
ミナカラ薬局薬剤師
高橋 伊津美
【経歴】

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル
編集者
朝比奈 裕介
株式会社ミナカラライター
朝比奈 裕介
看護師歴10年の経験をいかして、『正確でわかりやすい』医療情報の発信をおこないます。ミナカラのライターとして、ヘルスケアがもっと身近で感動的になる世界をつくっていきます。

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