オイラックス®クリームの代わりに使える市販薬|オイラックス*HとAの違いを解説
オイラックス®クリームと同じ市販薬はある?
オイラックス*クリームは、『クロタミトン』のみを有効成分とする、湿疹やじんましんなど皮膚のかゆみを改善する処方薬です。
オイラックス*クリームと同じクロタミトンを同量含む市販薬に、オイラックス*ソフトがあります。
オイラックス*ソフトは、クロタミトン以外にもさまざまな成分が含まれていますが、湿疹やじんましんなどの皮膚のかゆみに使えます。
オイラックス*クリームとオイラックス*ソフトを具体的な効能・効果で比較すると、次のような違いがあります。
| 効能・効果 | |
|---|---|
| オイラックス*クリーム (処方薬) | 湿疹、じんましん、神経皮膚炎、皮膚そう痒症、小児ストロフルス |
| オイラックス*ソフト (市販薬) | しっしん、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん、しもやけ、 皮膚炎、あせも、ただれ |
クロタミトンの効果
クロタミトンは、皮膚に軽い熱感(ほてり)を感じさせ、その刺激により、かゆみを打ち消す効果があると考えられています。
オイラックス*Hクリームとオイラックス*Aの違い
処方薬のオイラックス*には、オイラックス*クリームのほかに、オイラックス*Hクリームという薬もあります。
オイラックス*Hクリームには、『クロタミトン』に加えて、炎症をおさえるステロイド成分『ヒドロコルチゾン』が含まれています。
一方、市販薬のオイラックス*Aは、オイラックス*Hクリームの有効成分と同じクロタミトンとヒドロコルチゾンを同量含みますが、そのほかにもさまざまな成分が配合されています。
また、オイラックス*Hクリームとオイラックス*Aが使える症状については、全く同じではなく、効能・効果は次のように異なります。
| 効能・効果 | |
|---|---|
| オイラックス*Hクリーム (処方薬) | 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、皮膚そう痒症、小児ストロフルス、虫さされ、乾癬 |
| オイラックス*A (市販薬) | しっしん、かぶれ、虫さされ、かゆみ、じんましん、しもやけ、皮膚炎、あせも |
オイラックス*クリームの代わりに使える市販薬
処方薬オイラックス*クリームの代わりに使える市販薬には、オイラックス*ソフトやオイラックス*Aなどがあります。
オイラックス*ソフトとオイラックス*Aの大きな違いは、ステロイド成分の有無です。ステロイド成分の有無によって、適した部位が異なります。
オイラックスソフト
| 剤形 | クリーム | |
|---|---|---|
| 成分 | クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 | かゆみ止め成分 |
| グリチルレチン酸 | 抗炎症成分 | |
| アラントイン | 組織修復成分 | |
| イソプロピルメチルフェノール | 殺菌成分 | |
| トコフェロール酢酸エステル (ビタミンE酢酸エステル) | 血行促進成分 | |
オイラックスソフトは、かゆみ止め成分だけではなく、抗炎症成分が含まれているため、赤みや腫れ、炎症にも効果を発揮します。
また、組織修復成分が傷ついた皮膚が修復するのを助けます。殺菌成分は、雑菌の繁殖をおさえ、血行促進成分は症状の回復を助けます。
ステロイド成分が入っていないため、顔などの敏感な部位や、デリケートゾーンにもご使用いただけます。
オイラックスA
| 剤形 | クリーム | |
|---|---|---|
| 成分 | クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 | かゆみ止め成分 |
| ヒドロコルチゾン酢酸エステル グリチルレチン酸 | 抗炎症成分 | |
| アラントイン | 組織修復成分 | |
| イソプロピルメチルフェノール | 殺菌成分 | |
2種類のかゆみ止め成分と2種類の抗炎症成分など、6種の有効成分を配合した薬です。
ステロイド成分『ヒドロコルチゾン酢酸エステル』の作用の強さは、5段階のうち、最も弱いウィークに分類されます。
顔にもご使用いただけますが、広範囲には塗らないでください。
ステロイドには5段階のランクがあります
ステロイドの塗り薬は、作用の強さによって5段階にランク分けされており、症状や部位などに応じて適した強さが異なります。
5段階のうち、ストロンゲストとベリーストロングは病院で処方される処方薬のみで、市販薬はストロング、ミディアム、ウィークの3段階に限られています。

また、ステロイドには免疫抑制作用もあり、化膿している(細菌に感染している)皮膚に使うとかえって悪化するおそれがあるため、注意が必要です。市販薬使用の際は、添付文書を確認しておきましょう。
すでに膿が出ているなどの場合に使える市販薬は、こちらの記事で紹介しています。
デリケートゾーン(陰部)のかゆみに|デリナースクール
| 剤形 | クリーム | |
|---|---|---|
| 成分 | リドカイン ジフェンヒドラミン塩酸塩 | かゆみ止め成分 |
| イソプロピルメチルフェノール | 殺菌成分 | |
| トコフェロール酢酸エステル | 血行促進成分 | |
| l-メントール | 清涼成分 | |
デリケートゾーン(陰部)のかゆみに使える薬に、デリナースクールもあります。
デリナースクールには、クロタミトンとは作用の異なるかゆみ止め成分『リドカイン』が配合されています。リドカインは、局所麻酔成分ともいわれ、患部の感覚を一時的に麻痺させることで、痛みやかゆみを鎮めます。
また、デリナースクールは清涼成分が入っているため、塗るとスーッとします。クール感がお好みの方にもおすすめです。
市販薬オイラックス*シリーズの違い
市販のオイラックス*シリーズは5種類あり、クロタミトンを含む点は共通しておりますが、剤形や成分、クロタミトンの含有量やステロイドの有無などに違いがあります。
また、オイラックス*ソフトを除く薬に含まれるステロイドのランクにも、それぞれ違いがあります。
| 剤形 | 成分の種類 | クロタミトン含有量 (100g中) | ステロイドの有無 | |
|---|---|---|---|---|
| オイラックス*ソフト | クリーム | ・2種類のかゆみ止め成分 ・抗炎症成分 ・組織修復成分 ・殺菌成分 ・血行促進成分 | 10g | × |
| オイラックス*A | クリーム | ・2種類のかゆみ止め成分 ・2種類の抗炎症成分 ・組織修復成分 ・殺菌成分 | 10g | ◯ |
| オイラックス*PZリペア軟膏 ・クリーム | 軟膏・クリーム | ・かゆみ止め成分 ・2種類の抗炎症成分 ・組織修復成分 ・殺菌成分 ・血行促進成分 | 5g | ◯ |
| オイラックス*DX軟膏 | 軟膏 | ・かゆみ止め成分 ・2種類の抗炎症成分 ・組織修復成分 ・殺菌成分 ・血行促進成分 | 5g | ◯ |
オイラックスPZリペア軟膏
| 剤形 | 軟膏 | |
|---|---|---|
| 成分 | クロタミトン | かゆみ止め成分 |
| プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル グリチルレチン酸 | 抗炎症成分 | |
| アラントイン | 組織修復成分 | |
| イソプロピルメチルフェノール | 殺菌成分 | |
| トコフェロール酢酸エステル | 血行促進成分 | |
患部を保護する力が高く、しみにくい軟膏タイプの薬です。ジュクジュクしている皮膚におすすめです。
『プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル』はステロイド成分で、ステロイドの強さはミディアム(普通)です。
冬場の手湿疹やかぶれにも適しています。
オイラックスPZリペアクリーム
| 剤形 | クリーム | |
|---|---|---|
| 成分 | クロタミトン | かゆみ止め成分 |
| プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル グリチルレチン酸 | 抗炎症成分 | |
| アラントイン | 組織修復成分 | |
| イソプロピルメチルフェノール | 殺菌成分 | |
| トコフェロール酢酸エステル | 血行促進成分 | |
サラサラしてベタつかないクリームタイプのため、夏場の虫刺されやあせもにおすすめです。
オイラックスPZリペア軟膏と同じステロイド成分が配合されています。
オイラックスDX軟膏
| 剤形 | 軟膏 | |
|---|---|---|
| 成分 | クロタミトン | かゆみ止め成分 |
| デキサメタゾン酢酸エステル グリチルレチン酸 | 抗炎症成分 | |
| アラントイン | 組織修復成分 | |
| イソプロピルメチルフェノール | 殺菌成分 | |
| トコフェロール酢酸エステル | 血行促進成分 | |
クリームに比べて刺激が少なく、患部を保護する軟膏タイプです。
ステロイド成分『デキサメタゾン酢酸エステル』の強さは、ウィーク(弱い)にあたります。
お子さまからお年寄りの方まで、家族みんなでご使用いただけます。
市販薬のオイラックス*に関するQ&A
Q 疥癬(かいせん)に使うことはできますか?
A 市販薬のオイラックス*は、疥癬に適応がないため使うことはできません。
現在市販薬で疥癬に効く薬は販売されていないため、疥癬と疑われるような症状がある場合は、皮膚科などで医師の診察を受けてください。
Q 水虫に使えますか?
A 水虫の原因は、白癬菌という真菌(カビ)の一種です。水虫を治すためには抗真菌成分が必要で、オイラックス*シリーズ製品はいずれも抗真菌成分が入っていないため使えません。
水虫に効く市販薬については、こちらの記事で紹介しています。
Q シリーズ製品はどれも同じ症状に使えますか?
A シリーズ製品はそれぞれ配合されている成分が異なるため、すべて同じ症状に使えるわけではありません。
※オイラックスはジーエスケー コンシューマー ヘルスケア エスアーエールエルの登録商標です。


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