かゆみ止めの飲み薬|じんましんや湿疹などによるかゆみに効く市販薬を紹介
かゆみ止めの飲み薬とは
皮膚のかゆみに効く飲み薬にはさまざまな種類がありますが、一般的に使われることが多いのは抗ヒスタミン薬と呼ばれる薬です。
抗ヒスタミン薬は皮膚のかゆみに対して広く使用される薬で、「蕁麻疹診療ガイドライン2018」でも第2世代の抗ヒスタミン薬が第一選択薬(まず最初に投与するべき薬)として推奨されています。
抗ヒスタミン薬とは|じんましん・湿疹による皮膚のかゆみに
抗ヒスタミン薬は、じんましんや湿疹による皮膚のかゆみなどに使用される薬で、病院ではアトピー性皮膚炎に対して処方されることもあります。また、花粉症やハウスダストによる鼻のアレルギー症状に使われることもあります。
ただし、抗ヒスタミン薬であっても種類によって効能・効果が異なるため、市販薬を購入する際は薬の添付文書を確認しましょう。
また、同じ成分の薬であっても処方薬と市販薬では使用できる症状が異なる場合もあるため注意が必要です。
漢方薬やステロイドが使われることも
病院で処方される皮膚のかゆみに効く飲み薬は、抗ヒスタミン薬以外にも漢方薬やステロイドなどもあります。
■漢方薬とは
漢方薬は抗ヒスタミン薬に比べて素早い効果は期待できませんが、運転などで眠くなっては困る方や、抗ヒスタミン薬の服用ができない方などは、漢方薬を使用することもできます。
ただし、漢方薬に比べて抗ヒスタミン薬の方がかゆみを素早く抑える効果があり、「蕁麻疹診療ガイドライン2018」のなかでも第2世代抗ヒスタミン薬が第一選択薬(まず最初に投与するべき薬)として推奨されているため、基本的には抗ヒスタミン薬がおすすめです。
■ステロイドとは
ステロイドとは炎症を鎮める作用を持つ成分です。ステロイドの飲み薬は、皮膚病やアレルギー疾患など、さまざまな病気の治療のため使用されます。ステロイドの飲み薬は用法用量や服用期間に注意を必要とするため、市販薬は販売されておらず病院で医師の診察のもと処方されます。
かゆみ止めの飲み薬|抗ヒスタミン薬を紹介
抗ヒスタミン薬は、じんましんや湿疹などの皮膚の症状に効果をあらわします。
抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代があり、第2世代の抗ヒスタミン薬では、第1世代の特徴であった眠気や口が渇くなどの副作用が比較的あらわれにくくなっています。
比較的眠くなりにくい薬を探している方は、第2世代の抗ヒスタミン薬がおすすめです。
ただし、第2世代の抗ヒスタミン薬であっても、服用後に自動車や機械類の運転が禁止されている薬もあるため、使用前には説明書をしっかり確認しましょう。
なお、じんましんや湿疹など皮膚のかゆみに使える市販の第2世代抗ヒスタミン薬は、15歳以上の方のみが使用できます。
お子様に使用できるものを探す場合は、第1世代の抗ヒスタミン薬を選びましょう。
アトピー性皮膚炎の場合は病院の受診を
市販の抗ヒスタミン薬でアトピー性皮膚炎に効能効果があるものはありません。アトピー性皮膚炎が疑われる場合は病院を受診しましょう。
また、アトピー性皮膚炎の対処法として有効なのがスキンケアです。病院を受診するととともに、皮膚を清潔に保つ、皮膚を保湿するなどのスキンケアを行いましょう。
アレジンAZ錠|かゆみだけではなく皮膚の腫れにも効く
| 有効成分 | 対象年齢・服用回数 |
|---|---|
| アゼラスチン塩酸塩 | 15歳以上|1日2回(1回2錠) 15歳未満の方は服用できません |
第2世代の抗ヒスタミン成分であるアゼラスチン塩酸塩が、じんましんや湿疹・かぶれによる皮膚の腫れやかゆみ、花粉やハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状を改善します。
アゼラスチン塩酸塩には抗炎症作用があるため、皮膚のかゆみだけではなく、皮膚の腫れにも効果を発揮します。
ジンマート錠|3種類のビタミン配合
| 有効成分 | 対象年齢・服用回数 |
|---|---|
| メキタジン リボフラビン(ビタミンB2) ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) ニコチン酸アミド | 15歳以上|1日2回(1回1錠) 15歳未満の方は服用できません |
第2世代の抗ヒスタミン成分であるメキタジンが配合された飲み薬で、じんましんや湿疹による皮膚のかゆみや鼻炎症状を緩和します。
抗ヒスタミン成分の他にも、3種類のビタミン成分が配合されています。
リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、ニコチン酸アミドが皮膚の正常な働きを助けます。
アレルギール錠|4歳から大人まで服用可能
| 有効成分 | 対象年齢・服用回数 |
|---|---|
| クロルフェニラミンマレイン酸塩 ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) グリチルリチン酸カリウム グルコン酸カルシウム水和物 | 15歳以上|1日2〜3回(1回3錠) 7〜14歳|1日2回(1回2錠) 4〜6歳|1日2回(1回1錠) 4歳未満の方は服用できません |
第1世代の抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩のほか、抗炎症成分が含まれているため、かゆみと腫れの両方に効きます。
また、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)が皮膚や粘膜の健康を保ちます。
授乳中の方や、4歳以上のお子様にも使えます。
レスタミンコーワ糖衣錠|5歳から大人まで服用可能
| 有効成分 | 対象年齢・服用回数 |
|---|---|
| ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 15歳以上|1日3回(1回3錠) 11歳以上〜15歳未満|1日3回(1回2錠) 5歳以上〜11歳未満|1日3回(1回1錠) 5歳未満の方は服用できません |
第1世代の抗ヒスタミン成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩のみが配合された飲み薬です。
ジフェンヒドラミン塩酸塩が、体内のアレルギー反応をおさえつつ、じんましんや湿疹をやわらげます。
甘味のある糖衣錠で、薬の味が苦手な方も比較的飲みやすいという特徴があります。
5歳以上のお子様から大人の方まで服用できます。
病院で処方される抗ヒスタミン薬と同じ成分の市販薬
病院でもらう薬と同じ成分の市販薬(抗ヒスタミン薬)をお探しの場合はこちらの記事をご覧ください。ただし、同じ成分でも効能・効果が異なる場合があります。
また、処方薬の代用として市販薬をお探しの場合は、まずかかりつけの医師にご相談ください。
かゆみ止めの飲み薬(漢方薬)|運転などで眠くなっては困る方などに
皮膚のかゆみに効く市販薬には、抗ヒスタミンの他に漢方薬があります。
漢方薬は抗ヒスタミン薬に比べて、素早い効果は期待できませんが、運転などで眠くなっては困る方や、抗ヒスタミン薬の服用ができない方などは、漢方薬を使用することもできます。
ただし、漢方薬に比べ、抗ヒスタミン薬の方がかゆみを素早く抑える効果があり、「蕁麻疹診療ガイドライン2018」のなかでも第2世代の抗ヒスタミン薬が第一選択薬(まず最初に投与するべき薬)として推奨されているため、基本的には抗ヒスタミン薬がおすすめです。
「クラシエ」漢方黄連解毒湯エキス顆粒|かゆみが強い皮膚症状などがある方に
| 対象年齢・服用回数 |
|---|
| 15歳以上|1日3回(1回1包) 7歳以上15歳未満|1日3回(1回2/3包) 4歳以上7歳未満|1日3回(1回1/2包) 2歳以上4歳未満|1日3回(1回1/3包) 2歳未満|1日3回(1回1/4包) |
「クラシエ」漢方黄連解毒湯エキス顆粒は、のぼせぎみで顔色が赤っぽく、いらいらする傾向がある方の湿疹や皮膚炎、皮膚のかゆみなどに効く飲み薬です。
体を冷やして熱をとり、炎症を鎮める作用で、かゆみが強い皮膚症状などを緩和します。
「クラシエ」漢方黄連解毒湯エキス顆粒は、生後3か月以上のお子様から大人の方まで服用できます。
ただし、1才未満の乳児には医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させてください。
| 効能効果 |
|---|
|
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症:鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症※、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎 ※血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のこと |
部分的に強いかゆみがあるときは塗り薬の併用もできる
部分的に強いかゆみの症状がある場合は、飲み薬とあわせて塗り薬を使用することもできます。
塗り薬には、大きくわけてステロイド配合のものと、ステロイド無配合のものがあります。
強いかゆみがある場合はかゆみ止め成分が配合された塗り薬を選びましょう。
強いかゆみに加えて赤み、腫れの症状が強く出る場合は、ステロイド配合の塗り薬がおすすめです。
デリナースクール|ステロイド無配合
デリナースクールは2種類のかゆみ止め成分と殺菌成分、血行促進成分、清涼感をもたらす成分が配合された塗り薬です。
2種類のかゆみ止めがかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部の雑菌の繁殖をおさえ、血行促進成分が荒れた肌の修復をうながします。
クリームタイプの塗り薬で、スーッとした清涼感のある使い心地が特徴です。
オイラックスPZリペアクリーム|ステロイド配合
オイラックスPZリペアクリームは、ステロイドと抗炎症成分、かゆみ止め成分、殺菌成分、血行促進成分が配合された市販薬です。
ステロイドと抗炎症成分が赤みや腫れを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部を殺菌消毒し、血行促進成分が患部の血行を促します。
塗りやすいクリームタイプで、軟膏に比べて塗った後のべとつきが少ないという特徴があります。メントールが含まれていないため、スーッとした刺激が苦手なお子さまにも使いやすい薬です。
じんましんにステロイドの塗り薬を使う時の注意点
一般的に病院でのじんましんの治療は、抗ヒスタミンの飲み薬が中心となっており、ステロイドの塗り薬は推奨されておりません。そのため、自己判断によるステロイドの使用はおすすめしません。
じんましんの症状がひどくなってしまった場合は、一度病院を受診することをおすすめします。
抗ヒスタミン配合の飲み薬を使用するときの注意点
抗ヒスタミン薬を服用する際の主な注意点について解説します。
使用上の注意については薬ごとに異なるため、市販薬を使用する際は、商品に添付された説明文書をよく読んでから服用してください。
他の薬と併用する場合は、服用する前に医師や薬剤師に相談する
抗ヒスタミン薬を服用している間は、他のアレルギー用薬(皮膚疾患用薬、鼻炎用内服薬を含む)や抗ヒスタミンを含有する内服薬など(風邪薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬、乗り物酔い薬)を服用しないでください。
他の薬と併用する場合は、服用する前に医師や薬剤師に相談してください。
妊娠中・授乳中の方は使用前に医師や薬剤師に相談する
薬によって使用できるものとできないものがあります。
妊娠中・授乳中の方は薬に添付された説明文書を確認し、必要であれば服用前に医師や薬剤師に相談してください。
病院で処方される主なかゆみ止め一覧|アトピー性皮膚炎に用いられる主な抗ヒスタミン薬
アトピー性皮膚炎に効く市販薬はありません。アトピー性皮膚炎は長期的な管理が必要な疾患のため、病院を受診する必要があります。自己判断で市販薬を使用せず、医師に相談してください。
アトピー性皮膚炎で病院を受診すると、普通、抗ヒスタミン作用がある内服薬が処方されます。
病院で処方される主な抗ヒスタミン薬は、以下のとおりです。
第1世代の抗ヒスタミン薬(飲み薬)
| 一般名 | 販売名 |
|---|---|
| ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
・レスタミン®*1コーワ錠10mg など |
| シプロヘプタジン塩酸塩水和物 | ・ペリアクチン®錠4mg ・ペリアクチン*2散1% ・ペリアクチン*2シロップ0.04% など |
| ヒドロキシジン塩酸塩 | ・アタラックス®錠10mg ・アタラックス*3錠25mg など |
| プロメタジン塩酸塩 | ・ヒベルナ®糖衣錠5mg ・ヒベルナ*4糖衣錠25mg など |
| クロルフェニラミンマレイン酸塩 | ・アレルギン®*5散1% など |
| d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 | ・ポララミン®散1% ・ポララミン*6錠2mg など |
| ヒドロキシジンパモ酸塩 | ・アタラックス*3−P散10% など |
| クレマスチンフマル酸塩 | ・タベジール®錠1mg ・タベジール*7散0.1% ・タベジール*7散1% など |
第2世代の抗ヒスタミン薬(飲み薬)
| 一般名 | 販売名 |
|---|---|
| エバスチン | ・エバステル®錠5mg ・エバステル*8錠10mg ・エバステル*8OD錠5mg ・エバステル*8OD錠10mg など |
| アゼラスチン塩酸塩 | ・アゼプチン®錠0.5mg ・アゼプチン*9錠1mg など |
| エピナスチン塩酸塩 | ・アレジオン®錠10 ・アレジオン*10錠20 など |
| オロパタジン塩酸塩 | ・アレロック®錠2.5 ・アレロック*11錠5 など |
| セチリジン塩酸塩 | ・ジルテック®錠5 ・ジルテック*12錠10 など |
| レボセチリジン塩酸塩 | ・ザイザル®*13錠5mg など |
| フェキソフェナジン塩酸塩 | ・アレグラ®錠30mg ・アレグラ*14錠60mg ・アレグラ*14ドライシロップ5% など |
| ケトチフェンフマル酸塩 | ・ザジテン®*15カプセル1mg など |
| ベポタスチンベシル酸塩 | ・タリオン®OD錠5mg ・タリオン*16OD錠10mg など |
| メキタジン | ・ゼスラン®*17錠3mg など |
| ロラタジン | ・クラリチン®錠10mg ・クラリチン*18レディタブ錠10mg など |
虫刺されによるかゆみには塗り薬を使用
虫刺されによるかゆみには、かゆみ止め成分が含まれた塗り薬を使用しましょう。
虫刺されに効く塗り薬の選び方についてはこちらの記事をご覧ください。
なお、第1世代の抗ヒスタミン薬には、虫刺されによるかゆみに使用できる薬があります。
虫刺されによるかゆみが強く、塗り薬での対処が難しい場合は、皮膚のかゆみ全般に使える第1世代の抗ヒスタミン薬が使用できます。ただし、全身にじんましんが出ている場合や、刺された範囲が広範囲など市販薬を使ってもいいか判断に迷う場合は、医師、薬剤師にご相談ください。また、刺した虫の種類によってはすみやかに受診しましょう。
※1レスタミンは興和株式会社の登録商標です。
※2ペリアクチンは日医工株式会社の登録商標です。
※3アタラックスはファイザー・プロダクツ・インクの登録商標です。
※4ヒベルナ、※16タリオンは田辺三菱製薬株式会社の登録商標です。
※5アレルギンはアルフレッサファーマ株式会社の登録商標です。
※6ポララミンはメルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシーの登録商標です。
※7タベジールはジーエスケー コンシューマー ヘルスケア エスアーの登録商標です。
※8エバステルはアルミラル・エセ・アの登録商標です。
※9アゼプチンはエーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社の登録商標です。
※10アレジオンはベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフトの登録商標です。
※11アレロックは協和キリン株式会社の登録商標です。
※12ジルテックはユーシービー バイオファルマ エスピーアールエルの登録商標です。
※13ザイザルはユセベ ファルチム エセアの登録商標です。
※14アレグラはアベンティサブ・エルエルシーの登録商標です。
※15ザジテンはノバルティス アクチエンゲゼルシャフトの登録商標です。
※17ゼスランは旭化成ファーマ株式会社の登録商標です。
※18クラリチンはバイエル・コンシューマー・ケア・アクチェンゲゼルシャフトの登録商標です。


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