
イライラをおさえる薬|生理前や更年期、日々のストレスからくるイライラに


イライラで薬を使うべき?
最近なんだかちょっとしたことでイライラしてしまうので、どうにかしたいという方。
「イライラは薬でおさえるべき?」といった疑問や、「薬を一回使うと依存してしまうのでは?」と、副作用などへの不安から、イライラを薬でおさえるのが正解なのか心配される方もいるでしょう。
ですがイライラをおさえる薬は、適切に上手に活用していくことで、気持ちが楽になることもあります。そして、並行して薬以外にも自分なりのイライラ解消法を見つけることも大切です。
イライラは、女性ホルモンの変動にともなって起こるPMSや更年期障害のほか、社会や家庭で起きるストレス、そのほかさまざまな原因によって、自律神経の働きが乱れたりすることなどで起こります。また、女性だけでなく男性も、加齢にともなって起きる更年期障害によってイライラやうつ症状を感じることもあります。
市販薬によるセルフケアを試すのも手
イライラでお悩みの方は、市販薬によるセルフケアを試してみるのもよいでしょう。
イライラをおさえる市販薬には、心と体のバランスを整えることで自然治癒力を高める漢方薬のほか、イライラを鎮める手助けをするハーブからなる薬もあるため、心の健康を保つための一助とすることもできます。
イライラをおさえる市販薬の選び方
イライラをおさえる市販薬を選ぶ際はまず、イライラの原因が何かを考えてみましょう。原因によって、適した薬が異なります。
ここからは、イライラの原因ごとに市販薬を紹介していきます。
| 原因 | こんなとき | 
|---|---|
| 女性ホルモンの変動 | |
| その他 | 
イライラをおさえる市販薬|生理前〜生理中のイライラに
生理前から生理中にかけてイライラする原因は、はっきりと分かっていませんが、ホルモンバランスが変化することによって、精神を安定させる脳の神経伝達物質セロトニンが低下するためだと考えられています。
生理によるイライラは、乱れがちな女性ホルモンのバランスを整えてくれる薬で改善を図ることができます。
命の母ホワイト
| 特徴 | 
|---|
| ・生理前〜生理中の心と体の不調に ・11種類の生薬を配合 ・漢方薬独特のにおいや味が苦手な方も比較的飲みやすい糖衣錠タイプ | 
命の母ホワイトは、女性ホルモンや自律神経のアンバランスによって起こる症状を改善する薬です。
女性ホルモン調整作用や鎮静作用をもつ11種類の生薬が血行をうながし、体を内側から温めて女性ホルモンや自律神経の乱れによって起こる不調を改善します。
生理前だけでなく、生理が始まってからも「イライラして怒りやすい」「八つ当たりをしてしまう」「気持ちが落ち着かない」などの心の不調を感じるという方。心の不調だけでなく、だるさ、胸の張り、肌荒れなど体の不調を感じるといった場合にもおすすめです。
| 効能・効果 | 
|---|
| 月経痛、月経不順、ヒステリー、腰痛、頭痛、貧血、冷え症、血の道症※1、肩こり、めまい、動悸、こしけ※2 | 
(※1)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性ホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。
(※2)こしけとは、おりもののことです。
イライラをおさえる市販薬|更年期におけるイライラに
更年期になると、以前は気にならなかったことにイライラしたり、怒りやすくなったりすることがあります。
年齢を重ねると、女性ホルモンのエストロゲンが減少することで、精神を落ち着かせる脳の神経伝達物質セロトニンが不足し、感情がコントロールできず、ちょっとしたことでイライラすることがあります。
女性の更年期におけるイライラには、産婦人科でも処方される加味逍遙散などが効果を発揮します。
クラシエ加味逍遙散料エキス顆粒
| 特徴 | 
|---|
| ・漢方薬|加味逍遙散 ・疲れやすくイライラしがちで、気分が不安定になりやすい方に ・体が熱くなるようなのぼせ感もある方に | 
漢方の世界では、更年期におけるイライラや不安、疲れは、元気・やる気の源となる「気」と、全身に栄養分を運ぶ「血」のめぐりが悪くなったために起こると考えられています。
加味逍遙散は、「気」のめぐりを正常化し、「血」を補って体中にめぐらせることで更年期におけるイライラなどの女性特有の不調を改善していきます。
| 効能・効果 | 
|---|
| 体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症: 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症※、不眠症 | 
(※)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。
加味逍遙散以外の更年期症状に使える市販薬は、次の記事で詳しく解説しています。
イライラをおさえる市販薬|日常生活のストレスや男性更年期におけるイライラに
仕事や子育てなど日常生活におけるストレスなどからくるイライラや、男性の更年期におけるイライラに使える薬を紹介します。
薬によって配合されている成分や特徴が異なるため、イライラのパターンや当てはまる症状に合わせてお選びください。
ユクリズム
| 特徴 | 
|---|
| ・漢方薬|加味帰脾湯 ・錠剤タイプ ・イライラしてよく眠れないというときに ・漢方独特の味やにおいが苦手な方にも | 
ユクリズムは、加味帰脾湯という漢方薬が配合された薬です。
加味帰脾湯は、体力が低下して、心身が疲労している方の不眠の改善に用いられる漢方薬です。神経の高ぶりを鎮めて、寝つきをよくする効果があります。
日頃から精神不安がある方、イライラしてよく眠れず、夜に何度も目が覚める、眠りが浅いといった方にもおすすめです。
| 効能・効果 | 
|---|
| 体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症: 貧血、不眠症、精神不安、神経症 | 
ユクリズム以外の不眠をともなうイライラに使える薬は、こちらの記事で紹介しています。
ツムラ漢方黄連解毒湯エキス顆粒A
| 特徴 | 
|---|
| ・漢方薬|黄連解毒湯 ・顆粒タイプ ・のぼせ気味で顔が赤く、イライラして落ち着かない方に ・男性の更年期におけるイライラにも | 
黄連解毒湯は、のぼせて顔が赤くほてる方に適した薬で、イライラのみならず、炎症など体の中に熱がこもることで出てくる症状に使えます。
体を冷やして熱をとることで、イライラを鎮めます。
| 効能・効果 | 
|---|
| 体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症: 鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症※、めまい、動悸、 更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎 | 
(※)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。
クラシエ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
| 特徴 | 
|---|
| ・漢方薬|柴胡加竜骨牡蛎湯 ・顆粒タイプ ・精神的に不安定だと感じるときに ・高血圧で不安が強く、不眠がち、もしくは動悸が気になる方に ・男性の更年期に感じるイライラにも | 
漢方の世界では、体を動かす原動力となる「気」がめぐらないと体に熱がこもり、こもった熱は頭に昇って脳を疲れさせてしまうと捉えています。
柴胡加竜骨牡蛎湯は、全身に「気」をめぐらせ、体にこもった熱を冷ますとともに、心を落ち着かせる効果があり、イライラや脳の興奮からくる不眠を改善する漢方薬です。
| 効能・効果 | 
|---|
| 体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症: 高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘 | 
パンセダン
| 特徴 | 
|---|
| ・鎮静作用のある4種のハーブ配合 ・錠剤タイプ ・環境の変化によるイライラに ・試験や会議、人前で緊張しやすい方にも | 
パンセダンは、鎮静作用のあるハーブを配合した薬です。
南米原産のつる性植物パッシフローラ、ブナやカシの樹に寄生する常緑低木セイヨウヤドリギ、日本と中国に自生するつる性の植物カギカズラ、欧州原産で日本でも栽培されているつる性の植物ホップから抽出されたエキスでできています。
生活環境が変わり、今までできていたことができなくなってイライラしている方や、緊張しやすい方で心を落ち着かせたいという場合にも適しています。
| 効能・効果 | 
|---|
| いらいら感・緊張感・興奮感の鎮静、 上記にともなう頭重・疲労倦怠感の緩和 | 
奥田脳神経薬M
| 特徴 | 
|---|
| ・3種類の西洋薬+7種類の生薬+生薬由来成分ルチン配合 ・錠剤タイプ ・ストレスや疲れからくるイライラに ・耳鳴り・めまい・首肩のこり・頭痛がある方にも | 
奥田脳神経薬Mは、3種類の西洋薬(カフェイン水和物・ブロモバレリル尿素・グリセロリン酸カルシウム)と7種類の生薬(チョウトウ・ニンジン・サンソウニン・テンナンショウ・シンイ・インヨウカク・サイシン)に生薬由来成分ルチンを配合した薬です。
神経の疲れや乱れからくる、イライラなどの諸症状を緩和する効果があります。
| 効能・効果 | 
|---|
| 耳鳴り、めまい、首肩のこり、いらいら、頭痛、頭重、のぼせ、不安感 | 
病院の受診が考えられるケース
日々の生活のなかで、誰でもイライラすることはあります。ただ、イライラしすぎると体はもちろん心にも影響を与えて病気につながることもあるため、次に当てはまる場合は精神科や心療内科などの専門医へ相談してみてもよいでしょう。
| 受診が考えられる ケース | ・イライラしている状態がずっと続いており、それが普通だと思っている ・市販薬を試しても、効き目が感じられない ・イライラがひどく、日常生活にも支障がでている など | 
|---|
精神科・心療内科でのイライラの治療
精神科や心療内科で行われる治療には、薬による治療と薬以外による治療があり、患者さんの状態に応じて必要なものを組み合わせ、回復のサポートをしていきます。
薬による治療では、次のような薬が使われます。対して、薬以外による治療は、話をしたり、話を聞いたりすることで治療する精神療法が行われます。
| 精神科・心療内科で処方される イライラをおさえる薬 | ・抗精神薬 ・抗うつ薬 ・抗不安薬 ・睡眠薬 ・気分安定薬 ・漢方薬 など | 
|---|
薬以外によるイライラ解消法
薬を飲み始めても、薬以外の方法で不安をやわらげる手段を見つけることが大切です。
「イライラをおさえられない!」と感じたときは、いつも以上に心と体を労わる方法、リラックスする方法を探してみましょう。
イライラを理解する
まずは、自分の感情を客観視するために、イライラの原因を思い出して紙に書き出してみましょう。
自分の感情を客観的に理解したり分析したりすることで、なぜイライラしたかという原因に向き合えると、自分の力ではどうしようもないと思えたり、心がスッキリすることもあります。
深呼吸する
深呼吸する時間を意識してつくってみましょう。
体中の「悪い気」をすべて吐き出すようなイメージで、ゆっくり、しっかり空気を吐き出しましょう。その後は、新たな「良い気」を迎え入れて、体全体にめぐらせるようなイメージで、鼻からゆっくり、深く、吸い込んでいきます。
胸だけでなくお腹の中、手足の先まで、体のすみずみまで行きわたるような気持ちで行うことがポイントです。
自分で自分を癒す時間をつくる
体が疲れていると、心も疲れてイライラしやすくなります。疲れをとるためには、睡眠も重要です。「最近イライラしやすいな」と感じたら、睡眠を見直してみましょう。
また、有酸素運動には、副交感神経を優位にし、脳内のセロトニン分泌を増やしてストレスを緩和する作用があると言われています。ウォーキング、ジョギング、水泳、ヨガなど、続けることがストレスにならない方法でいろいろな運動を試してみても◎
気軽にできる癒しの方法には、アロマもあります。忙しい日々でどうしても時間の取れない場合には、ハンカチにお気に入りのアロマオイルを1滴たらすだけでも香りで心が軽くなることもあります。
イライラをおさえる市販薬に関するQ&A
Q 副作用はある?依存性はない?
A イライラをおさえる市販薬に含まれている、依存性を引き起こす可能性のある成分には、「ブロモバレリル尿素」があります。また、イライラをおさえる市販薬のみならず、薬全般にいえることですが、副作用のリスクがゼロの薬は存在しません。依存を避けたり副作用が起きないようにするためには、添付文書に記載の服用期間や用法・用量を守ることが大切です。
この記事で紹介している奥田脳神経薬Mには、「ブロモバレリル尿素」が含まれていますが、服用の際は添付文書をよくお読みの上、5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
Q 処方薬と比べた違いは何ですか?
A 「イライラをおさえる市販薬は、病院でもらう薬に比べて効果がおだやかで、依存しにくいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、効果の強さや依存性を一概に言うことはできません。
イライラのなかでも更年期におけるイライラであれば、男性も女性もホルモン補充療法という治療法がありますが、医師による適切な管理下で行うため、市販されていません。
また、漢方薬も、種類によっては生薬の配合量が市販に比べて医療用の方が多いこともあります。
加えて病院にかかるメリットをいうと、心の専門家によるサポートで、イライラの原因や大元を探り、それに対してアプローチできるということもあります。
Q ずっと飲み続けていると効果が薄くなることはないのですか?
A イライラをおさえる市販薬は、鎮痛剤のように長期間にわたって飲み続けると、その薬に対する耐性ができ、効かなくなってくるということは考えにくいです。
また、処方薬に関しても、医師と相談し、その指示に従って服用していれば、耐性や依存性が生じるリスクは軽減します。
自己判断で使える市販薬を服用の際は、添付文書にある服用期間を守り、それでも効果を感じられない場合は、一度受診をすることをおすすめします。
Q いつまで飲めばいいですか?
A 市販薬であれば、効き目があらわれ、症状がおさまったと感じれば服用を中止してください。その一方で、添付文書に書かれた服用期間を過ぎても効き目を感じなければ、一旦服用を中止し、医師へご相談ください。
処方薬については、症状が改善し、安定したと医師が判断した場合は、服用をやめることがありますが、服用期間は人によって異なります。処方薬の場合は、自分の判断で服用を中止せず、減量や中止は医師の指示に従いましょう。


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