イボに使用できる市販薬は?イボの種類や治療法を解説
イボは鼻や目元などの顔の他、首、お腹、陰部など体のさまざまな場所にできますが、部位・症状によってはドラッグストアなどで購入できる市販薬の使用が可能です。
イボに使える市販薬には、大きく分けてヨクイニンが配合された飲み薬と、サリチル酸が配合された塗り薬や貼り薬があります。イボの種類やできている部位によっては使用できない市販薬もあるため注意しましょう。
この記事では、イボの改善に役立つ成分や使える市販薬を解説します。
イボの種類
イボには、ウイルスが原因でできるものと、紫外線や摩擦、加齢などが原因でできるものがあります。
子どもに多く見られるイボは、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)です。主にヒトパピローマウイルス2型が感染することでできるイボで、引っかいたところや傷などから入り込んで感染します。
尖圭コンジローマも、ヒトパピローマウイルスによる感染でできるイボです。尋常性疣贅とは違い、主に6型や11型のヒトパピローマウイルスが原因となります。肛門まわりのほか、男性では陰茎の亀頭部や陰嚢、女性では外陰部や腟、子宮口などに見られやすいことが特徴です。
紫外線や加齢などの影響でできるイボには、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)や軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)があります。脂漏性角化症は老人性イボとも呼ばれており、中年以降に多く見られやすいイボです。ウイルスの感染は関係なく、長年にわたって浴びてきた紫外線の影響や老化によって自然にできます。
軟性線維腫は首イボ・中年イボとも呼ばれており、紫外線や加齢の他、摩擦も原因の一つです。
| 名称 | 特徴 | 原因 |
|---|---|---|
| 尋常性疣贅 | ・自覚症状がほとんどない ・傷口から感染し、アトピー性皮膚炎の子どもに多く見られる | ウイルス |
| ミルメシア | ・手のひらや足の裏にできるイボ ・赤くなり、押すと痛みが出ることが特徴 | |
| 青年性扁平疣贅 | ・顔や手、背中や首にできやすいイボ ・若い女性にできやすい | |
| 尖圭コンジローマ | ・おもに性行為によって感染することがあるイボ ・表面が隆起しており、淡紅色~褐色である | |
| 伝染性軟属腫 | ・水イボと呼ばれており、子どもで多くみられる ・軽いかゆみがあり、プールで感染しやすい点も特徴 | |
| 脂漏性角化症 | ・老人性イボと呼ばれており、中年以降でよく見られる ・シミがイボ状に盛り上がったもの | 長年の紫外線の影響 |
| 軟性線維腫 | ・首イボや中年イボとも呼ばれており、中年以降にできやすい ・首や脇、太ももの付け根など皮膚が薄い部分にできやすい | 摩擦や加齢、紫外線 |
市販薬でイボは除去できる?代表的な成分は?
効能効果に「イボ」と記載されている市販薬はいくつもありますが、一度の使用だけで顔や体のイボを完全に除去することは難しいでしょう。症状や薬の種類にもよりますが、1週間ほどで変化を感じる人もいれば、半年ほどかかる人もいます。
イボの改善に役立つ成分として代表的なものに、ヨクイニンとサリチル酸があります。ヨクイニンは皮膚のターンオーバーに働きかけます。また、サリチル酸は硬くなった角質を軟らかくして取り除くことで、肌をなめらかな状態に導きます。
ヨクイニン
ヨクイニンは、ハトムギの種皮を取り除いたもので、肌のターンオーバーの正常化に役立つ生薬として古くから使われてきました。イボが気になる方だけでなく、肌が荒れやすい方やキメの乱れを改善したい方にも適しています。
尋常性疣贅や伝染性軟属腫(水イボ)には効果を発揮しますが、脂漏性角化症(老人性イボ)やその前兆であるシミにはアプローチできません。また、ヨクイニンの原料であるハトムギには子宮を収縮させる作用があるとされているため、妊娠中の過剰摂取は勧められていません。妊娠している方がヨクイニンを服用する際には、かかりつけ医へ確認してください。
サリチル酸
サリチル酸は、イボの剥離を促す成分です。市販薬には、貼るタイプと塗るタイプの2種類があります。イボの治療によく使われる成分であり、市販薬として手に入れることもできますが、目の周囲など顔面や首、粘膜、炎症や傷がある場所などには使用できません。
また、どのようなイボにも使えるわけではない点にも注意しましょう。尋常性疣贅や尖圭コンジローマ、伝染性軟属腫(水イボ)のようなウイルス性のイボには効果がありません。表面がザラザラしており、角質化した硬さのあるイボのみに有効です。
イボに使用できる市販薬8選
イボに使える市販薬には、ヨクイニンが主成分のものとサリチル酸が主成分のものがあると上述しました。これらの成分を配合した飲み薬・塗り薬は、ドラッグストアや薬局などでイボに使える製品として販売されています。
ヨクイニンの入った市販薬4選
ヨクイニンは、イボなどの肌荒れが気になる方に使用される漢方薬です。炎症を抑えたり体内の水分バランスを整えたりする作用があるとされてます。ただし、1か月ほど使用しても改善が見られない場合は、服用を続けずに医師や薬剤師などに相談してください。
ヨクイニンS「コタロー」
ヨクイニンからエキスを抽出し、錠剤にした飲み薬です。体の熱を冷まして膿を排出する働きがあり、イボや肌荒れに効果を発揮します。成人の方は1回5錠を1日3回服用してください。5歳から服用可能です。
| 効能効果 |
|---|
| 皮膚のあれ、イボ |
ヨクイニン末
粉末タイプのヨクイニンです。15歳以上の方は1回2g(添付されているサジ1杯分)を1日3回服用します。15歳未満の方は服用できません。
| 効能効果 |
|---|
| イボ、皮膚のあれ |
日本薬局方ヨクイニン末
粉末タイプのヨクイニンで、15歳から服用できます。添付されているサジ1杯分(2g)を1日3回服用してください。
| 効能効果 |
|---|
| 皮膚のあれ、イボ |
山本漢方ハトムギ錠大型
イボや肌荒れに効果があるヨクイニンを、服用しやすい錠剤にした市販薬です。5歳から服用できるため、子どものイボにも使用できます。成人の方は、1回6錠を1日3回服用してください。ヨクイニン末は固まりにくいため、やわらかい錠剤です。
| 効能効果 |
|---|
| イボ、皮膚のあれ |
サリチル酸の入った市販薬4選
サリチル酸は、角質をやわらかくする成分です。サリチル酸を配合した塗り薬・貼り薬は角質化した硬さのあるイボに使えますが、伝染性軟属腫(水イボ)や脂漏性角化症(老人性イボ)、尖圭コンジローマ、群生したイボなどには使用できません。自分のイボがウイルス性のものなのかわからない方は、医師に相談して治療を進めましょう。
スピールジェル
イボに直接塗って使うタイプの市販薬です。ジェル状になっているため、液だれせずに有効成分が患部に浸透します。塗ったあとはすぐに乾いて目立ちません。テープで固定する必要がないため、保護テープなどで肌トラブルを起こしがちな方でも使いやすいでしょう。
なお、顔面や粘膜への使用は避けてください。
| 効能効果 |
|---|
| うおの目、タコ、イボ |
スピール膏
イボの形や大きさに合わせて、薬剤のシートを切り取って使うタイプの市販薬です。患部より少し小さめに薬剤のシートを切って貼り、上から固定用テープでとめます。痛みがある場合は、保護用パッドを使うと軽減されるでしょう。
使用後は2~5日ほど貼ったままにして差し支えありません。ただし、テープが剥がれてしまったときには新しいものへ貼り替えてください。
| 効能効果 |
|---|
| うおの目、タコ、イボ |
イボコロリ
患部に塗るだけでイボのケアができる市販薬です。塗布するとすぐに薬剤が乾燥して被膜を作り、患部に密着します。蒸しタオルで患部を温めたあとか、入浴後に使用すると効果的です。
塗布した薬剤が乾いたあとは、入浴や水仕事をしても差し支えありません。塗布し直すときは、白い被膜を剥がしてから塗りましょう。
| 効能効果 |
|---|
| うおの目、タコ、イボ |
イボコロリ絆創膏ワンタッチM
主成分であるサリチル酸が、硬くなった皮膚をやわらかくする、テープで貼るタイプのイボ薬です。保護用パッドがついているため、衣服とのこすれなど外部刺激による痛みがある方にも適しています。
7歳から使用できます。
| 効能効果 |
|---|
| うおの目、タコ、イボ |
イボや市販薬に関するQ&A
イボができる原因は加齢や紫外線、摩擦の他、ウイルス感染も考えられ、原因に合わせた適切な対処を行うことが大切です。イボの種類によっては、放置することで数が増えたり痛みや炎症を起こしたりする場合もあります。市販薬で対処できるのか自己判断が難しい場合は、医療機関の受診を優先しましょう。
イボを除去する市販薬やそれ以外の方法はある?
イボの改善に効能効果を持つ市販薬はいくつかありますが、市販薬でイボの一因となるウイルスをすべて除去することはできません。そのため、ウイルス性のイボだった場合には、市販薬を使用しても再発する可能性があります。
イボを確実に除去するには、皮膚科で受けられる液体窒素やレーザーなどを使った治療が効果的です。イボの種類や体質によって適切な治療法が異なるため、気になる症状がある方は皮膚科で相談してみてください。
イボを予防する市販薬やそれ以外の方法はある?
イボのなかには、ウイルス感染が原因でできるものがあります。現時点でイボの原因となるウイルスに効くワクチンは存在しません。ただし、子宮頸がんワクチンとして知られるヒトパピローマワクチンで尖圭コンジローマの発症を防ぐことが可能です。
その他、ウイルス感染によって発症するイボ全般を完全に予防することは難しいですが、皮膚を健康に保つことで感染予防につながります。正しい方法でスキンケアをしたり、アトピー性皮膚炎を治療したりすることで、イボができにくい状態を目指しましょう。
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