病のスタート地点と言える「生活習慣病」を予防しましょう
生活習慣病って何のこと?
生活習慣病とは、食生活、運動習慣、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症や進行に強い影響を与える病気の総称です。
かつては成人病と呼ばれていましたが、生活習慣の改善で予防ができること、成人でなくても発症する可能性があることから呼び名が変更されました。
生活習慣病には次のような病気があります。
- 糖尿病
- 脂質異常症(高脂血症)
- 高血圧
- 肥満症
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 脂肪肝
- アルコール肝疾患
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- がん など
どんな生活習慣が原因?
生活習慣病は「健康的といえない生活習慣」が関係している病気です。
具体的にどのような生活習慣が悪影響をおよぼすのでしょうか。病気につながるリスクのある代表的な生活習慣を4つ解説します。
① バランスの悪い食生活が続いている
食べすぎや高脂肪・高塩分などの偏った食生活は、糖尿病や肥満、脂質異常症、高尿酸血症、痛風などの原因となります。また、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器疾患や、大腸がん、歯周病も食習慣に関連する病気です。
食生活が偏って特定の食品ばかりを食べると、栄養不足あるいは栄養過剰となり病気を引き起こします。
さまざまな栄養素を過不足なく摂取するためには、食品種類が偏っていない、バランスのよい食生活が大切です。主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べると、栄養バランスが整いやすいです。
② 運動習慣がない
運動不足で消費エネルギーが少なくなると、肥満になりやすくなります。さらに、糖尿病や脂質異常症、高血圧などを引き起こすリスクが高まります。
これらの病気の人が運動量を増やすと、病気が改善することがわかっています。
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」によると、成人の場合、
1.歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)
2.息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上
3.筋力トレーニングを週2~3日
4.座ったり寝ころんだりする時間が長くならないようにする
が推奨されています。
運動能力や体力には個人差があるため、自分ができる範囲で始め、今よりも少しでも多く体を動かすことを目標に取り組むとよいでしょう。
ただし、これまで運動習慣がなかった人が、運動を始めるのはなかなか大変です。そこで、まず意識してNEAT(Non-Exercise-Activity Thermogenesis:非活動性熱産生)を増やしてみましょう。NEATとは、運動以外のふだんの生活の中で消費されるエネルギーのことです。
- 掃除や洗濯、料理などの家事をする
- 買い物をする
- 子どもの世話 など
NEATを高めるには、座って過ごす時間を減らして、立ったり歩いたりする時間を増やしましょう。
③ 喫煙習慣
喫煙や受動喫煙で多くの病気が引き起こされることが、これまでの研究から明らかになっています。喫煙は肺がんや心筋梗塞、脳梗塞、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、歯周病などに関わっています。
タバコには7,000種類の化学物質、250種類の有害物質が含まれていますが、代表的な有害物質は次の4つです。
■ ニコチン
依存性がある。血管を収縮させる作用が強く、高血圧や脳梗塞、脳出血リスクを上げる。代謝異常を引き起こし、糖尿病や脂質異常症の原因にもなる。
■ 一酸化炭素
全身の酸素供給を妨げ、血栓症の原因となる。
■ 活性酸素
細胞にダメージを与え、老化させる。
■ タール
さまざまな発がん物質が含まれている。
喫煙習慣のある方は、禁煙に足踏みする気持ちがあると思います。ただ、禁煙による健康効果があらわれるのは早いんです!
- 禁煙して24時間/心臓発作のリスクが低下。
- 禁煙1か月/咳などの呼吸器症状の改善。
- 禁煙1年/肺機能の改善。
- 禁煙2~4年/虚血性心疾患・脳梗塞リスクの低下。
- 禁煙5年/肺がんのリスクが低下。
- 禁煙10~15年/さまざまな病気のリスクがタバコを吸わない人に近づく。
と判明しています。
タバコには強い依存性があるため、自分の意志だけでやめるのは難しいケースが多いです。「禁煙をしようかな」と思ったら、ぜひ禁煙外来でご相談ください。
④ お酒をよく飲む
飲酒は肝障害をはじめ、脳出血や脳梗塞などさまざまな生活習慣病の発症に関わっています。また、過度の飲酒はアルコール依存症につながりかねません。
ではどれくらいの量なら、過度ではないのでしょう?
「健康日本21」のなかでは「1日20gまでの純アルコール摂取が望ましい」とされています。純アルコール20gは、ビールだとロング缶1本、日本酒だと一合、ワインだとグラス1杯半ほどです。
ただし、お酒は年齢、性別、体質によって影響の出方に個人差があります。純アルコール20g以下であっても影響が強く出ることもあるため、自分にあった飲酒量を知り、健康に配慮した飲酒を心がけましょう。
「生活習慣病」の中には、様々な病気があるんです!
生活習慣病にはさまざまなものがありますが、ここでは代表的な病気として糖尿病、脂質異常症、高血圧、気を付けるべき具体的な生活習慣について解説します。
糖尿病とは
膵臓からのインスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌量が減ったり、働きが悪くなることで、血液中のブドウ糖の量(血糖値)が多くなる病気です。
血糖値が高い状態が続くと、やがて血管が硬くもろくなり(動脈硬化)、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。また、3大合併症と呼ばれる網膜症、腎症、末梢神経障害を引き起こすおそれがあります。
脂質異常症とは
脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が増えすぎたり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なくなっている病気です。
血液中の脂質が高い状態だと血管の壁に脂がたまって硬くなり(動脈硬化)、血管内が狭くなったり血栓ができやすくなることで、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすおそれがあります。
また、善玉コレステロールは血液中の悪玉コレステロールが増えすぎたときに、回収して肝臓に運ぶ役割があります。そのため、HDLコレステロールが少ない状態も動脈硬化を進行させてしまいます。
高血圧とは
高血圧とは、血圧が高い状態が続く病気です。病院で血圧測定を行い、140/90mmHg以上で高血圧と診断されます。
高血圧状態が長く続くことで血管に負担がかかり、徐々に血管が厚く・硬くなって(動脈硬化)、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすおそれがあります。
生活習慣を自己チェックして、対応しよう
生活習慣病は、初期の自覚症状があらわれにくい病気です。何らかの不調があらわれる頃にはすでに進行してしまっているおそれがあります。症状があらわれる前に、生活習慣病かもしれない、と気づくことが大切です。
次に挙げるような生活習慣がある方は、注意しましょう。
■ 食生活
- 脂っこい食事が好き
- 濃い味付けが好き
- 丼やパスタなど炭水化物が多い食事が好き
- 甘いものをよく食べる
- 食事の時間が日によってバラバラ など
■ 運動習慣
- ふだん、運動する習慣がない
- 車移動が多い
- あまり歩かない など
■ そのほか
- タバコを吸っている
- お酒をよく飲む
- あまり眠れていない
- ぽっちゃりしている
- ストレスが多い など
生活習慣病は早期発見・早期治療が大切です。健康診断などで異常を指摘された方は、放置せずに早めに専門医へご相談ください。
生活習慣病かな?と思ったら、まず病院でこれらの検査でチェックを!
生活習慣病かな?と気になる場合は、早めに病院でチェックしてみましょう。まずこれらの検査をすることで、生活習慣病の疑いがあるかどうかを確認できます。
1.血液検査/糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、肝機能障害などがわかります。
2.心電図/心筋梗塞や狭心症などの循環器疾患などのチェックが可能です。
早く検査を受けて病気が判明すれば、いち早く治療に取りかかることができます。
生活習慣病の多くは自覚症状がないまま進行していきます。生活習慣病が進行・悪化すると、生活の質(QOL)が下がるだけでなく、命に関わることもあります。
健やかな暮らしを続けるためにも、気になる症状がある場合は、まず病院で現在の体の調子を確認しましょう。
検査結果があれば、いつでもオンライン受診が可能です!
病院を受診したいけど、なかなか行けないという方も少なくありません。
例えば、このようなお悩みはありませんか?
- 家や会社の近くに病院がないので、通院に時間がかかる
- 仕事の都合で診療時間内に病院に行くことが難しい
- 病院の待合室が混んでいて、待ち時間が長い
- 病院の診察が終わっても、薬局で待たされる
自宅で受けられるオンライン診療なら、これらの問題を解消できます。「ちょっとしたすきま時間に医師の診察を受けたい」という方におすすめです。
ミナカラオンライン診療は、健康診断などの検査結果があればご利用いただけます。
スマホ1台で完結するので、忙しい方でも手軽に専門医の診察を受けることができます。
【オンライン診療の流れ】
- 診療科目を選択し予約する
- 医師による診察、薬剤師による服薬指導をビデオ通話で受ける
- 提携薬局から自宅に薬が届く
生活習慣病の改善のためには、定期的に専門医に診察してもらう必要があります。
忙しくてなかなか病院を受診できない方は、すきま時間で利用できるオンライン診療で治療に取り組んでみてはいかがでしょうか。
▼ 診療予約はこちら ▼


この記事は参考になりましたか?
新着記事
ご利用に当たっての注意事項
- 掲載している情報は、セルフメディケーション・データベースセンターから提供されたものです。
- 適正に使用したにもかかわらず副作用などの健康被害が発生した場合は(独)医薬品医療機器総合機構(TEL:0120-149-931)にご相談ください。
- より詳細な情報を望まれる場合は、購入された薬局・薬店の薬剤師におたずねください。
- 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラ及び、セルフメディケーション・データベースセンターではその賠償の責任を一切負わないものとします。
掲載情報について
掲載している各種情報は、株式会社ミナカラが調査した情報をもとにしています。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。 掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラではその賠償の責任を一切負わないものとします。情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社ミナカラまでご連絡をいただけますようお願いいたします。 使用されている写真はイメージです。実際の内容と異なる場合があります。


