妊娠中の不眠に市販薬は使える?
妊娠中の不眠症状に対して、自己判断で市販薬を使用するのは控えてください。妊娠中は体の状態が特別なため、主治医と相談しながら適切な対処をする必要があります。
ドリエルなどの睡眠改善薬は妊娠中に使える?
エスエス製薬から販売されているドリエルなどの睡眠改善薬(ジフェンヒドラミン塩酸塩配合薬)は、薬の添付文書にも妊娠中の使用はできないことが記載されています。授乳中の方もドリエルなどの睡眠改善薬を服用する場合は授乳を避ける必要があります。
漢方薬は妊娠中の不眠に使える?
酸棗仁湯や柴胡加竜骨牡蛎湯などの一部の漢方薬は妊娠中の不眠症状に対して使用されることがあります。ただし、漢方薬の場合でも体質や体の状態によって適した薬を選ぶ必要があるため、使用する前に主治医と相談するようにしてください。
妊娠中の不眠に使用されることがある漢方薬
妊娠中に市販の漢方薬を使用する場合は、使用する前に主治医と相談するようにしてください。体質や体の状態によって適した薬を選ぶ必要があります。
酸棗仁湯(サンソウニントウ)
漢方ナイトミン 72錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】
酸棗仁湯は、どちらかといえば体力がなく、心身が疲れて眠れない方に適した漢方薬です。
漢方の酸棗仁湯処方のお薬である漢方ナイトミンは、心身のバランスを整え、続く不眠を改善します。
錠剤のため、漢方独特の苦味が苦手な方でも比較的飲みやすいお薬です。
効能効果 |
体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの次の諸症: 不眠症、神経症 |
柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒 24包【第二類医薬品】
体型が割とガッチリしていて、精神不安があり、動悸、便秘などをともなう不眠に使用される漢方薬です。
ストレスが強くイライラしやすいと、脳が興奮状態になるため寝つきが悪くなります。
「気」をめぐらせ、体にこもった熱を冷ますとともに、心を落ち着かせることで、脳の興奮からくる不眠を改善します。
顆粒タイプなので錠剤を飲み込むことが苦手な方にもおすすめです。
効能効果 |
体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症: 高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘 |
日常生活での注意点
妊娠中は生活習慣の乱れや妊娠による様々なストレスで不眠になりやすい時期です。
妊娠中の不眠に悩んでいる方は、生活習慣を見直してみるのも1つの対策方法となります。次のことに気をつけてみましょう。
朝起きたら日光をを浴びる
起床したら何よりも先に日光を浴び、体内時計を正常に動かします。
特に昼~夕方に体温をあげることによって、就寝時間の体温が下がりやすくなります。
就寝前の食事ついて
就寝4時間前には夕食を終えるようにしましょう。生活のサイクル的に難しい場合は、油ものを控えるなど、胃に負担がかかりすぎない夕食を意識することが大切です。
就寝前に電子機器を見ない
就寝の1時間〜30分前にはテレビ・パソコン・スマートフォンなどの電子機器から離れましょう。電子機器の画面を見たり操作しているときは脳は興奮状態にあります。脳が落ち着くまでには時間がかかるため、就寝の妨げになってしまいます。
寝る前には脳を落ち着かせる行動をすることが大切です。リラックスというと自分が好きなことをすればいいと考えがちですが、就寝前においては例え音楽でも自分が好きなものだと脳は興奮してしまいます。布団の中での考えごとも、脳を活発に活動させてしまうため控えましょう。
適度な運動をする
適度な運動で程よい疲労感を得ることによって、寝つきが良くなり、夜中に目覚めてしまうことを予防します。また、運動はストレス解消に繋がる場合もあります。
妊娠の経過が順調で安静の必要がない段階であれば、ウォーキングなどの軽い運動をおこなうと良いでしょう。運動して大丈夫か心配な方は、妊婦健診で医師に確認してみましょう。