排卵検査薬はいつから使える?どう選ぶ?排卵検査薬の選び方と使い方を解説
排卵検査薬の仕組み
卵巣に働きかけて排卵をうながす女性ホルモンとして、黄体形成ホルモンというホルモンがあります。
黄体形成ホルモンはLHとも呼ばれ、普段から分泌されていますが、排卵が起こる直前に分泌量が急増する「LHサージ」と呼ばれる現象が起こります。
排卵検査薬は、尿中に含まれる黄体形成ホルモン(LH)に反応し、陽性を示す仕組みです。
LHサージが起きてから約40時間以内に排卵が起こるため、排卵検査薬によってLHサージを把握することにより、妊娠しやすいタイミングを知ることができます。
排卵検査薬の選び方
排卵検査薬には、いくつかの種類があり、メーカーや商品によって内容や使用方法が異なります。
ここでは、排卵検査薬を選ぶポイントを紹介します。
早めに排卵日を知りたい場合
排卵検査薬は、LHの分泌量の変化を感知することによって排卵日を予測しますが、LHの検出感度は、商品によって異なります。
LHの分泌量が上昇し始めてからすぐに検知ができた方が、早く排卵日を予測することができます。そのため、もし早めに排卵日を知りたければ、感度の良い検査薬を使用する方がよいでしょう。
LHの分泌量は、「mIU/mL」という単位で呼び、mIU/mLの数値が低い方が感度が良いです。
ただし、検出感度が低い=感度が悪いというわけではなく、確実に判定する、慎重に検査することを目的としてつくられていると考えられます。
排卵検査薬はあくまでも目安であり、使用するタイミングや状況により結果が異なることもあります。
使いやすさを重視する場合
メーカーや商品によって、尿をかける時間や、陽性か陰性かの判定結果が出るまでの時間、判定結果の表示、スティックの形状などが異なります。
そのため、少量の尿で済ませたい方は尿をかける時間が少ないもの、判定結果を早く見たい方は、判定結果が出るまでの時間が短いもの、あるいは判定結果の表示が見やすいもの、といったポイントで選ぶとよいでしょう。
値段で選ぶ場合
「排卵日をしっかり確認するために1日2回検査をしたい」もしくは、「妊活をしているため、複数の周期で検査したい」という方。
どの商品も大体「5回分、10回分」といったように、本数が多い規格と少ない規格が用意されており、通常は本数が多い規格の方が割安となっています。
そのため、何回か検査をしたい方やコスパを重視する方は、本数が多いものを選びましょう。
排卵検査薬
ハイテスターH
| LH検出感度 | 10mIU/mL |
|---|---|
| 尿をかける時間 | 5秒以上 |
| 判定時間 | 10分 |
| 特徴 | ・スティック部分が長く、使いやすいロングタイプ ・色の濃淡でなく、線の本数で判定 ・5回分と10回分あり |
キャップを反対側につけると、スティック部分が長くなるため、初心者の方でも使いやすいです。
色の濃淡で判定する排卵検査薬の場合、LH濃度が低いと判定が難しいときもありますが、LH濃度が高ければ高いほど本数が多く出るため、わかりやすいことも特徴です。
スティック本体に検査日時の記入もできます。
チェックワンLH
| LH検出感度 | 30mIU/mL |
|---|---|
| 尿をかける時間 | 2秒間 |
| 判定時間 | 1分 |
| 特徴 | ・持ちやすく扱いやすい鉛筆形状 ・余分な尿は流れ落ちるので尿垂れせず清潔 ・5回分と10回分あり |
キャップを後ろにつけると、スティック部分が長くなり、扱いやすくなります。
尿かけ2秒、判定1分とクイックに検査完了。
検査過程が目で追えて、結果もわかりやすいクリアボディです。
排卵検査薬はいつから使う?
排卵日検査薬を使い始めるタイミングは、次の生理予定日から17日前が目安となります。排卵日の目安は、生理予定日の約14日前と考えられているため、数日前から排卵日検査薬を使うことで、排卵日を予測します。
また、より正確に排卵日を推定するために、排卵検査薬の使用だけでなく、基礎体温を計測するのもよいでしょう。
オムロン 婦人用電子体温計 MC-652LC-PK ピンク
忙しい朝もすばやく平均10秒で予測検温できる婦人用体温計です。
Bluetooth通信機能を搭載しているので、検温データはスマートフォンで簡単に転送できます。基礎体温管理アプリとデータを連携することで、測定データのグラフ化や健康管理に役立つ便利な機能で測定をサポート。
記録・管理が面倒な基礎体温がカンタン・便利に続けられます。
また、ハイテスターHのメーカーHPでは、生理周期や生理開始日から、検査開始日(排卵日)を簡単に計算することもできます。
ただし、生理が不規則な場合は、最近の2〜3周期の中で1番短かった周期を目安にして次回の生理開始予定日を決めてください。なお、生理周期が非常に不規則な場合は、重要な疾患が潜んでいる可能性も考えられるため、なるべく早く医師に相談してください。
排卵検査薬の正しい使い方
①排卵検査薬に尿をかける
スティックの先端にある採尿部に尿をかけます。
製品ごとに尿をかける秒数が異なる場合があるため、事前に添付文書で確認しておきましょう。
排卵検査薬は、少ない尿量でも検査できますが、添付文書にある時間を過ぎて尿をかけすぎてしまうと、正しく検査ができない場合もあります。
また、尿をとる際は、紙コップなどの容器にとって採尿部をひたす方法も可能です。紙コップなどを使用する際も、添付文書にある時間を守り採尿部をひたしてください。
②判定が出るまで水平にしておく
尿をかけたあとは平らな場所に検査薬を置いて、水平にして判定結果があらわれるのを待ちます。
ここで斜めに傾けたり縦にしたりしてしまうと、正確な判定ができなくなる可能性があります。
③判定結果を確認する
判定窓を確認し、線があるかどうかで判断します。
出てくる線の色や場所は、排卵検査薬によって異なるため、添付文書でよく確認しておきましょう。
妊娠しやすい時期については、排卵の3日前から排卵日の翌日までの5日間で、排卵検査薬では、排卵日を約1日前に予測します。
卵子の寿命が精子に比べて短いことから、最も妊娠しやすいタイミングは排卵日当日ではなく、排卵日の1~2日前とされています。そのため、排卵検査薬で陽性が出たら、なるべく早くタイミングをもちましょう。
排卵検査薬で妊娠は判定できる?
排卵検査薬は、排卵日直前に増加するLHというホルモンを検知します。
その一方で、妊娠検査薬では、妊娠時特有のhCGというホルモンを検知します。
LHホルモンとhCGホルモンは、似通った構造をしているため、妊娠すると、排卵検査薬がhCGに反応し陽性を示すことがありますが、必ずしもそれが妊娠によるものかどうかはわかりません。
そのため、妊娠しているかの確認は妊娠検査薬で調べるか、専門医へご相談ください。ただし、妊娠検査薬の判定はあくまでも目安であり、妊娠の確定診断は医師により行われます。
排卵検査薬は朝一を避けるべき?いつの尿がいい?
検査は朝、昼、夜どの時間帯の尿でも検査できますが、生活パターンにより尿の濃さが変化するため、判定結果への影響を少なくするために、1日1回毎日同じ時間帯に行ってください。
また、尿中のLHの濃度は尿量などにより大きく変動するため、検査前4時間程度はできるだけ排尿しないでください。それから、検査前に水分をとりすぎたり、多量の発汗をともなう運動も避けてください。これらの注意事項を踏まえて、朝一番が便利、という方は朝一でもよいでしょう。
過去に検査をしてLHサージがうまく確認できなかった場合や、陽性か陰性かの判断に迷うなどの場合、LHサージは短時間に急激に起こるため、1日2回検査を行うことで、よりLHサージをとらえやすくなります。
排卵検査薬の陽性って何日続く?陽性が続く場合は?
LHの分泌量は個人差や周期差があり、陽性が2~3日続く事もありますが、初めて陽性になった検査時刻から40時間以内に排卵が起こる可能性が高いことがわかっています。
陽性が続く(または1箱全部陽性が続いた)場合は、なるべく早く医師の診察を受けてください。
妊娠、分娩後、流産後、胞状奇胎(異常妊娠)・絨毛癌などの絨毛性疾患、人工妊娠中絶後、あるいは不妊治療のための薬剤投与、内分泌障害、閉経期などでは、排卵と無関係に陽性が続く場合があります。
排卵検査薬で陽性にならない場合は?陰性が続く場合は?
通常、排卵期に排卵検査薬を使用すると陽性となりますが、例えば生理周期が不規則だったり、LHサージが短かかったりすると(12時間以内)、女性の内分泌的背景が原因で、まれに陽性とならないことがあります。
陽性にならない場合や陰性が続く場合は、すみやかに医師に相談してください。
排卵検査薬が陰性でも妊娠することはある?
排卵検査薬を添付文書通りに正しく使えていなかった、LHサージが短かったなどの場合、検査をしたタイミングとLHサージのタイミングがずれ、LHサージをうまくとらえられず、判定が陰性だったけれども実際は排卵していたという可能性は考えられます。
ただし、陰性が続く場合や、何か気になることがある場合は医師にご相談いただくことをおすすめします。
排卵検査薬に関するQ&A
Q 検査の時間帯がずれてしまった場合、いつ検査すればいい?
A 2時間程度の差なら問題はありませんが、時間帯がずれてしまった日も必ず検査を行い、翌日から元の時間帯に検査してください。
Q 薬の服用や飲酒、喫煙は、判定に影響しますか?
A 基本的に影響しません。ただし、不妊治療のために投与されている薬剤の中には、LHサージ以外のときでも判定結果が陽性になるものもあるため、産婦人科医に相談してください。
Q 6周期以上、排卵検査薬を使っても妊娠しません。
A 妊娠の成立に必要なのは、排卵だけではありません。
卵子や精子の状態だけでなく、受精後に子宮内膜に着床するかどうかなど、さまざまな原因が関与しているため、原因を探るために、できればパートナーと一緒に医師に相談することをおすすめします。
特に30代後半以上の方、結婚後妊娠できない期間が長い方、早期の妊娠をご希望の方は、早めに受診しましょう。
また、受診の際は、検査結果や基礎体温を測定した結果があれば持って行きましょう。
妊活のために女性ホルモンバランスや卵巣年齢をチェック
妊娠には多くのホルモンが関わっています。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵巣から出るホルモンのひとつで、AMH検査は卵巣内に卵子がどれくらい残っているかを調べる検査です。年齢が上がると卵子の数が減っていくため、AMHの量も少なくなっていきます。そのため、AMHの値から自分の「卵巣年齢」を知ることができます。AMH値は、将来の妊活を考えるうえで、重要な指標になります。
また、エストラジオールやFSHは、「排卵」や「月経」に関連するホルモンです。これらのホルモン検査をすることで、女性の体が妊娠に適した状態かどうかがわかります。ホルモンバランスが妊娠や生理に大きな影響を与えるため、妊活を考えるうえではこれらのホルモンをチェックすることも大切です。
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