バファリン®の効果や副作用を徹底解説|成分の違いと選び方【8種類】
バファリン®は販売開始から50年以上!
バファリン*はライオン株式会社が販売している医薬品です。日本では1963年に発売され、痛み止めとして50年以上使われてきました。
バファリン*Aやバファリン*プレミアムなど、用途に応じて様々な種類が販売されています。
バファリン*の効果|頭痛などの様々な痛み、発熱に
バファリン*は、製品によって含まれている成分が異なりますが、頭痛や発熱などの緩和を目的とする全ての製品に共通して解熱鎮痛成分が含まれています。(鼻炎・せき止めを目的とする小児用シロップには解熱鎮痛成分は含まれていません)
解熱鎮痛を目的とするバファリン*には共通して、頭痛や生理痛、肩こり痛、腰痛、咽喉痛、歯痛などの様々な痛みを鎮める効果や、悪寒・発熱時の解熱作用があります。
バファリン*の副作用
解熱鎮痛薬の主な副作用として、胃腸障害や眠気があげられます。
副作用の詳細は薬に添付されている説明文書をご確認ください。
バファリン*の違いは成分
バファリン*の大きな違いは、含まれている解熱鎮痛成分が違うことです。
解熱鎮痛成分の種類や成分量によって、効能・効果や副作用、対象年齢などが異なります。
| バファリン*製品 | 解熱鎮痛成分 |
|---|---|
|
|
・アスピリン(アセチルサリチル酸) |
|
|
・イブプロフェン ・アセトアミノフェン |
|
|
・アセトアミノフェン |
バファリン*A
・制酸成分が配合され、胃に優しい
・眠くなる成分が入っていない
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
15歳以上 |
アスピリン(アセチルサリチル酸) 合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT) |
バファリン*Aの特徴は、眠くなる成分が入っておらず、胃に優しいことです。
アスピリンが、痛みの元になるプロスタグランジンという物質の生成をおさえ、痛みを鎮めます。合成ヒドロタルサイトは、アスピリンの吸収を助け、胃酸を中和して胃を守ります。
●用法・用量
・1回2錠、1日2回を限度として使用してください。
・服用間隔は6時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避けて服用してください。
バファリン*ライト
・バファリン*Aよりも解熱鎮痛成分の含有量が少ない
・制酸成分が配合され、胃に優しい
・眠くなる成分が入っていない
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
15歳以上 |
アスピリン(アセチルサリチル酸) 乾燥水酸化アルミニウムゲル |
バファリン*ライトは、バファリン*Aよりも解熱鎮痛成分の含有量が少なく、効き目がひかえめになっています。乾燥水酸化アルミニウムゲルが胃酸を中和し、胃が荒れるのを防ぎます。
●用法・用量
・1回2錠、1日3回を限度として使用してください。
・服用間隔は4時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避けて服用してください。
バファリン*プレミアム
・2種類の解熱鎮痛成分を配合
・独自技術のクイックアタック錠で速く溶ける
・制酸成分が配合され、胃に優しい
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
15歳以上 |
イブプロフェン アセトアミノフェン 無水カフェイン アリルイソプロピルアセチル尿素 乾燥水酸化アルミニウムゲル |
バファリン*プレミアムには、2種類の解熱鎮痛成分が配合されています。
イブプロフェンが痛みの元となるプロスタグランジンの生成をおさえ、アセトアミノフェンが痛みの伝達に作用することで痛みを鎮めます。複数の補助成分が痛みをおさえる働きを助け、胃を守ります。
独自技術の「クイックアタック錠」が採用されており、速く溶けることがバファリン*プレミアムの特徴のひとつです。
説明文書には使用上の注意として、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」と記載されています。服用後は眠気があらわれることがあるため注意しましょう。
●用法・用量
・1回2錠、1日3回を限度として使用してください。
・服用間隔は4時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避けて服用してください。
バファリン*プレミアムDX
・2種類の解熱鎮痛成分を配合
・独自技術のクイックアタック錠で速く溶ける
・制酸成分が配合され、胃に優しい
・眠くなる成分が入っていない
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
15歳以上 |
イブプロフェン アセトアミノフェン 無水カフェイン 乾燥水酸化アルミニウムゲル |
バファリン*プレミアムDXには2種類の解熱鎮痛成分が配合されており、バファリン*プレミアムと比べ、1回服用量としてそれぞれ約20%増量されています。イブプロフェンが痛みの元となるプロスタグランジンの生成をおさえ、アセトアミノフェンが痛みの伝達に作用することで痛みを鎮めます。複数の補助成分が痛みをおさえる働きを助け、胃を守ります。
独自技術の「クイックアタック錠」が採用されており、速く溶けることがバファリン*プレミアムDXの特徴のひとつです。
眠くなる成分を含んでいません。
●用法・用量
・1回2錠、1日2回を限度として使用してください。
・ただし、再度症状があらわれた場合は3回目を服用できます。
・服用間隔は4時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避けて服用してください。
バファリン*ルナi
・2種類の解熱鎮痛成分を配合
・制酸成分が配合され、胃に優しい
・眠くなる成分が入っていない
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
15歳以上 |
イブプロフェン アセトアミノフェン 無水カフェイン 乾燥水酸化アルミニウムゲル |
バファリン*ルナiには、2種類の解熱鎮痛成分が配合されています。
イブプロフェンが痛みの元となるプロスタグランジンの生成をおさえ、アセトアミノフェンが痛みの伝達に作用することで痛みを鎮めます。複数の補助成分が痛みをおさえる働きを助け、胃を守ります。
1回服用量あたりの解熱鎮痛成分はバファリン*プレミアムと同量ですが、鎮静成分のアリルイソプロピルアセチル尿素が配合されていません。
●用法・用量
・1回2錠、1日3回を限度として使用してください。
・服用間隔は4時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避けて服用してください。
バファリン*ルナJ
・7歳から服用できる
・水なしで服用できるチュアブル錠
・眠くなる成分が入っていない
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
7歳以上 |
アセトアミノフェン |
バファリン*ルナJは7歳から服用でき、子どもや授乳中の方でも服用できることが最大の特徴です。妊娠中の方は、時期や状況によって服用の可否が異なるため、服用前に主治医に相談してください。
眠くなる成分が含まれておらず、水なしでも飲めるチュアブル錠のため、学校に通っていて授業がある日でも安心して服用できます。
子どもに持たせる場合は、間違って多く飲まないように服用量やタイミングを一緒に確認しておきましょう。万が一多く飲んでしまった場合は、水をたくさん飲ませてから病院を受診しましょう。
●用法・用量
・服用間隔は4時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避け、かみくだくか口の中で溶かして服用してください。
・以下の服用量、服用回数を必ずお守りください。
| 年齢 | 1回量 | 1日の服用回数 |
|---|---|---|
|
15歳以上 |
3錠 |
3回まで |
|
11~14歳 |
2錠 | |
|
7~10歳 |
1錠 |
小児用バファリン*CⅡ
・3歳から服用できる
・小粒で飲みやすい、フルーツ味
・眠くなる成分が入っていない
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
3~14歳 |
アセトアミノフェン |
小児用バファリン*CⅡは3歳から15歳未満の子ども専用の解熱鎮痛薬です。
眠くなる成分も含まれていないため、就学中の子どもでも服用できます。
フルーツ味で飲みやすい小粒の錠剤です。
●用法・用量
・服用間隔は4時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避けて服用してください。
・以下の服用量、服用回数を必ずお守りください。
| 年齢 | 1回量 | 1日の服用回数 |
|---|---|---|
|
11~14歳 |
6錠 |
3回まで |
|
7~10歳 |
4錠 | |
|
3~6歳 |
3錠 |
小児用バファリン*チュアブル
・3歳から服用できる
・水なしで服用できるオレンジ味のチュアブル錠
・眠くなる成分が入っていない
| 対象年齢 | 主な成分 |
|---|---|
|
3~14歳 |
アセトアミノフェン |
小児用バファリン*チュアブルは、錠剤を飲み込むのが苦手な子どもでも服用しやすいオレンジ味のチュアブル錠です。
かみくだくか、口の中で溶かして服用するため、水なしで服用できます。
眠くなる成分も含まれていないため、就学中の子どもでも安心して服用できます。
●用法・用量
・服用間隔は4時間以上あけてください。
・なるべく空腹時を避けて服用してください。
・以下の服用量、服用回数を必ずお守りください。
| 年齢 | 1回量 | 1日の服用回数 |
|---|---|---|
|
11~14歳 |
4錠 |
3回まで |
|
7~10歳 |
3錠 | |
|
3~6歳 |
2錠 |
解熱鎮痛成分の違いは?
バファリン*に配合されている解熱鎮痛成分は3種類あります。それぞれの特徴について解説します。
解熱鎮痛成分にはNSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれるグループがあります。
| バファリン*の 解熱鎮痛成分 |
NSAIDs |
・アスピリン(アセチルサリチル酸) ・イブプロフェン |
|---|---|---|
|
- |
・アセトアミノフェン |
NSAIDs(エヌセイズ)とは
NSAIDsとは解熱鎮痛成分の一部のグループのことを指します。
非ステロイド性抗炎症薬の英語の頭文字をとってNSAIDsと呼ばれています。痛みの元となるプロスタグランジンという物質の生成をおさえ、痛みを和らげる効果があります。
アセトアミノフェンと比較して薬の効き目が強い傾向にあることが特徴です。
●NSAIDsの成分の違い
NSAIDsに分類される成分は、痛みに対する効果はほとんど変わりません。
市販されているNSAIDsには、バファリン*に配合されているアスピリン(アセチルサリチル酸)やイブプロフェンのほかに、ロキソプロフェンナトリウム水和物などもあります。
ロキソプロフェンナトリウム水和物は、アスピリンなどの成分に比べて胃に優しい成分ですが、現在第1類医薬品に指定されており、購入するには問診を記入したり、薬剤師から説明を受けたりする必要があります。
バファリン*に配合されているアスピリン(アセチルサリチル酸)やイブプロフェンは第1類医薬品ではないため問診の記入などは必要ありません。
●NSAIDsの注意点
NSAIDsは胃腸を荒らしやすい成分のため、胃腸が弱い方は注意して服用してください。鎮痛薬で胃が荒れた経験がある方は服用を控えた方が良いでしょう。
また、15歳未満の方は市販されている薬の中では服用できるNSAIDsの薬がないため、小児用のバファリン*を使用しましょう。
|
市販されている NSAIDs |
・アスピリン(アセチルサリチル酸) ・イブプロフェン ・ロキソプロフェンナトリウム水和物 など |
|---|
アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは脳が痛みを感じる部分に働きかけることで、痛みを和らげます。NSAIDsと比較して胃腸障害が起こりにくく、15歳未満の方も服用できる小児用バファリン*もあります。
アセトアミノフェンは胃に優しい分、痛みを和らげる効果もNSAIDsに比べておだやかです。
効き目が強いバファリン*は?
効き目が強いバファリン*をお探しの場合は、NSAIDsの成分が含まれているものを選びましょう。NSAIDsの成分はアセトアミノフェンに比べて、胃腸障害などの副作用は出やすいですが、薬の効き目が強い傾向にあることが特徴です。
授乳中・妊娠中に使えるバファリン*は?
授乳中の方や妊娠中の方は、NSAIDsが含まれた市販薬の服用は控えた方が良いでしょう。授乳中・妊娠中の方は解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンのみのバファリン*がおすすめです。
ただし、妊娠中の方は、時期や状況によって服用の可否が異なるため、服用前に主治医に相談してください。
眠くなりにくいバファリン*は?
眠くなりにくいバファリン*をお探しの場合は、眠くなる成分が含まれていないものを選びましょう。バファリン*プレミアムに含まれる鎮静成分”アリルイソプロピルアセチル尿素”は鎮痛作用を助ける効果がありますが、眠気があらわれることもある成分です。
薬の説明文書にも「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」と記載されています。
子どもが服用できるバファリン*は?
NSAIDsが含まれたバファリン*は15歳から服用できます。
バファリン*ルナJは7歳から服用でき、小児用バファリン*CⅡと小児用バファリン*チュアブルは3~14歳の方が服用できます。
バファリン*の効果時間
バファリン*の解熱鎮痛薬は製品によって配合されている成分が異なります。
一概に効果時間を断定することはできませんが、病院で処方される解熱鎮痛薬の効果時間は1つの目安になるでしょう。
以下に主成分が解熱鎮痛成分のみの処方薬のデータを紹介しますが、バファリン*の効果時間を特定するものではないため、参考程度にご覧ください。
※薬が効くまでにかかる時間は、個々人の症状、体質、代謝能力などにより異なります。
イブプロフェンの効果時間
イブプロフェンの処方薬のデータによると、健康な成人が錠剤(イブプロフェン200mg)を服用すると、血中のイブプロフェン濃度が最高値になるのが服用からおよそ2時間後になっています。
薬によってイブプロフェンの含有量は異なり、この時間も体質や環境差によりずれはありますが、多くの方では1〜2時間以内に解熱鎮痛効果が出てくると考えられます。
参考文献:ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書
アセトアミノフェンの効果時間
アセトアミノフェンの処方薬のデータによると、健康な成人が錠剤(アセトアミノフェン400mg)を服用すると、血中のアセトアミノフェン濃度が最高値になるのが服用からおよそ30分後になっています。
薬によってアセトアミノフェンの含有量は異なり、この時間も体質や環境差によりずれはありますが、多くの方では15〜30分以内に解熱鎮痛効果が出てくると考えられます。
参考文献:カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書
他の薬との飲み合わせ
バファリン*は、市販薬や処方薬に限らず、以下のような薬との併用はお控えください。バファリン*の種類によって併用できない薬は異なるため、それぞれの添付文書をご確認ください。
成分が重複すると、薬の作用や副作用が強く出てしまう可能性があります。薬を併用する場合は必ず医師や薬剤師に確認しましょう。
・他の解熱鎮痛薬
・かぜ薬
・鎮静薬
・乗り物酔い薬
自分に合ったバファリン*を
痛みを鎮める解熱鎮痛成分には様々な種類がありますが、どの成分が合うかは人それぞれです。バファリン*には種類ごとに特徴があります。この記事で解説した内容を参考にしていただき、ご自身の体質や用途に合わせて薬を選んでください。
| バファリン*製品 | 解熱鎮痛成分 |
|---|---|
|
|
・アスピリン(アセチルサリチル酸) |
|
|
・イブプロフェン ・アセトアミノフェン |
|
|
・アセトアミノフェン |
※バファリンはライオン株式会社の登録商標です。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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