メサデルムの市販薬はある?|代用薬と症状別の薬の選び方を解説
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薬剤師監修日:
メサデルムは皮膚の赤みやかゆみをおさえる処方薬で、主に湿疹や皮膚炎の治療に用いられます。メサデルムと全く同じ成分の市販薬はありませんが、代わりに使用できる市販薬や症状別の薬の選び方について紹介します。

メサデルムと同じ成分の市販薬はある?
メサデルムと同じ成分の市販薬はありませんが、メサデルムの代わりにしっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましんなどの症状に使用できる市販薬は販売されています。
また、メサデルムにはクリーム・軟膏・ローション(液体)の3つの剤形があり、市販薬でもそれぞれと同じ剤形の薬があります。各剤形は、症状や部位によって使い分けられます。
メサデルムの商品名 |
・メサデルムクリーム0.1% ・メサデルム軟膏0.1% ・メサデルムローション0.1% |
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主成分は『デキサメタゾンプロピオン酸エステル』
メサデルムの成分『デキサメタゾンプロピオン酸エステル』は、湿疹、虫刺されなどの皮膚の炎症に幅広く使用されている成分です。
メサデルムには、同じ成分のジェネリック医薬品も販売されています。
メサデルムの主なジェネリック医薬品 |
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・デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏0.1%「ラクール」 ・デキサメタゾンプロピオン酸エステルクリーム0.1%「ラクール」 |
メサデルムは”ストロング”のステロイド
ステロイドとは皮膚の炎症をおさえる成分のことです。メサデルムの成分『デキサメタゾンプロピオン酸エステル』もステロイドのひとつです。
ステロイドの塗り薬は、作用の強さによって5種類にランク分けされています。症状や部位などに応じて適した強さが異なります。
メサデルムはストロングに分類され、同じ強さの市販薬も販売されています。
メサデルムの代用薬が使える症状
メサデルムなどの医療用医薬品は医師の診察のもと、ひとりひとりの症状に合わせて処方される薬です。対して、市販薬は自己判断で使用するため、同じ成分であったとしても使用できる症状が異なります。
市販薬も薬によって、効能・効果が異なる場合があるため、薬の説明書(添付文書)の効能・効果の欄を確認しましょう。
症状の判断がつかない場合には薬剤師に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
市販薬の主な効能・効果 |
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しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん |
メサデルムの代わりに使える市販薬
ベトネベートクリームS|塗りやすいクリームタイプ
ベトネベートクリームS 10G(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) |
クリーム |
メサデルムクリームと同じクリームタイプです。クリームタイプは伸びが良く、塗りやすいことが特徴です。軟膏に比べて塗った後のべとつきが少ないのもメリットのひとつです。
ステロイドの強さは、メサデルムと同じストロングに分類されます。
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましんに効果があります。
ラシュリアPEクリーム|かゆみと赤みの両方に効くクリーム
ラシュリアPEクリーム【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(ステロイド) |
クリーム |
メサデルムクリームと同じクリームタイプです。クリームタイプは伸びが良く、塗りやすいことが特徴です。軟膏に比べて塗った後のべとつきが少ないのもメリットのひとつです。
ステロイドの強さは、メサデルムより少し弱いミディアムに分類されます。ステロイド成分『プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル』はステロイド特有の副作用が出にくいアンテドラッグに分類されています。ステロイド成分以外にもかゆみ止め成分や抗炎症成分が配合されているため、かゆみと赤みの両方が気になる方におすすめです。さらに、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールが掻き壊しによる化膿を予防します。
湿疹、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、虫刺され、じんましんに効果があります。
リンデロンVs軟膏|刺激が少ない軟膏タイプ
リンデロンVs軟膏 10g【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) | 軟膏 |
メサデルム軟膏と同じ軟膏タイプです。軟膏タイプは、塗った後のべとつきがありますが、患部を保護する効果が高く、クリームや液体と比べて刺激が少ないことが特徴です。
ステロイドの強さは、メサデルムと同じストロングに分類されます。
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましんに効果があります。
リビメックスコーワ ローション|さらりとした使い心地の液体タイプ
リビメックスコーワローション 8G(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(ステロイド) | ローション(液体) |
メサデルムローションと同じローション(液体)タイプです。さらりとした使い心地で軟膏やクリームを塗りにくい頭髪部などへの使用に適しています。
ステロイドの強さは、メサデルムより少し弱いミディアムに該当します。ステロイド成分『プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル』はステロイド特有の副作用が出にくいアンテドラッグに分類されています。
湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫さされ、かゆみ、あせも、じんましんに効果があります。
症状別の市販薬の選び方
湿疹に効く市販薬の選び方
湿疹に効く薬は症状によって適した薬が異なります。患部に赤みや腫れがある症状にはステロイド入りを、デリケートゾーンなどの皮膚が薄い部位や肌が敏感な方はノンステロイドを選びましょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
適した症状・特徴 | |
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ステロイド入り |
・炎症をおさえる効果が高い ・赤みや腫れがある患部に |
ノンステロイド |
・顔、首、デリケートゾーンなどの敏感な部位に ・広い範囲の症状に |
あせもに効く市販薬の選び方
あせもに効く市販薬はかゆみ止め成分が入った塗り薬がおすすめです。
かゆみによって、皮膚を掻いてしまうと跡が残る原因になります。かゆみ止め成分が入った塗り薬を使用して、皮膚を掻かないように気を付けましょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
かゆみ止め成分 |
・リドカイン ・ジブカイン ・ジフェンヒドラミン塩酸塩 ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 など |
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虫刺されに効く市販薬の選び方
薬は刺された虫によって使い分けます。炎症がそこまで強く出ないものはステロイド無配合の薬を、炎症が強く出るものはステロイド配合の薬を選びましょう。
また、強いかゆみがある場合は、皮膚を掻き壊すことによって症状が悪化しやすいため、かゆみ止めが配合された薬を使用しましょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
刺された虫 | ステロイド無 | ステロイド有 |
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蚊 |
◯ |
◯ |
アブ、ブヨ、ダニ、毛虫、ムカデ |
× |
◯ |
ハチ、マダニ |
× |
◯(病院推奨) |
じんましんに効く市販薬の選び方
じんましんに効く薬のひとつに抗ヒスタミン薬と呼ばれる飲み薬があります。
じんましんの症状には多くの場合、抗ヒスタミン成分の飲み薬の使用が推奨されています。
抗ヒスタミン薬は、成分によって第1世代と第2世代に分けられており、第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代に比べて眠くなりにくいです。市販薬を選ぶ際は、第2世代の抗ヒスタミン薬を選ぶと良いでしょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
じんましんに効く 市販の第2世代 抗ヒスタミン薬 |
・アゼラスチン塩酸塩 ・メキタジン |
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◯飲み薬と塗り薬はどちらがいい?
じんましんの対処には基本的には抗ヒスタミン成分の飲み薬が適していますが、局所的なじんましんでかゆみの症状が強い場合は、飲み薬とあわせて塗り薬を使用することもできます。
塗り薬によって皮膚のかゆみをおさえ、飲み薬によってじんましんを引き起こす物質の作用をおさえることができます。
使用上の注意|治らない場合は病院へ
医師から処方された薬の代用として市販薬を使用する場合は、使用しても問題ないか医師や薬剤師に相談しましょう。
上記の市販薬を、5~6日間使用しても症状がよくならない場合は、使用を中止し、医師に相談してください。また、使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された用法・用量を守って使用してください。
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