メディトリートやフェミニーナは、どちらもデリケートゾーンに使用する市販薬ですが、対応できる症状や部位に違いがあります。
メディトリートは腟カンジダの治療薬であり、腟カンジダが再発したときのみ使用可能です。一方のフェミニーナは、デリケートゾーンのかゆみ・かぶれに使える外用薬です。
この記事では、メディトリートとフェミニーナの違いや使い分け方を解説します。
メディトリートとフェミニーナの違い
メディトリートは腟カンジダの再発治療薬、フェミニーナは女性のデリケートゾーンのかゆみやかぶれを抑えるための市販薬です。
使用できる症状の違い
メディトリートは、腟カンジダの再発治療薬として販売されている市販薬です。有効成分には、抗真菌薬のミコナゾール硝酸塩が配合されています。単なるかぶれやかゆみなどの症状に使う市販薬ではありません。また、過去に医師から腟カンジダと診断されたことがある方のみ、再発時に購入できます。
腟坐剤とクリームの2種類があるため、症状に合わせて剤形を選びましょう。腟に症状がある場合は腟坐剤、外陰部に症状がある場合はクリームが適しています。ただし、症状が外陰部だけであっても腟内でカンジダ菌が増えている可能性があるため、腟坐剤との併用が望ましいでしょう。
フェミニーナは、腟カンジダの治療には使えません。フェミニーナは、デリケートゾーンのかゆみやかぶれ、湿疹、虫刺され、じんましん、あせもなどに使える塗り薬です。以前は「フェミニーナ腟カンジダ錠」という市販薬も販売されていましたが、現在は生産が終了しています。
使用できる部位の違い
メディトリートには、腟の中に挿入して使う腟坐剤と外陰部に塗って使うクリームタイプの2種類があり、腟坐剤は腟の中、クリームは外陰部のみにしか使用できません。その他の部位には使用しないでください。
フェミニーナはデリケートゾーン用の塗り薬として販売されていますが、かゆみやかぶれがある場合は体の他の部位にも使用できます。ただし、目や目の周囲、粘膜には使用できません。また、デリケートゾーンに使用する際も、腟カンジダの症状が出ているときは使えない点に注意しましょう。
メディトリートとフェミニーナは併用できる?
メディトリートとフェミニーナは、そもそも治療の目的としている疾患が異なります。そのため併用は勧められていません。
フェミニーナを腟カンジダの症状があるところに塗ると、一時的にかゆみが落ち着くことがあります。しかし、これは腟カンジダが根本的に治ったわけではありません。フェミニーナに配合されているかゆみ止めの成分によって、一時的にかゆみが治まっているだけです。
症状が治まったと勘違いして腟カンジダの治療が遅れてしまう恐れがあるため、メディトリートとフェミニーナは併用しないようにしてください。
腟カンジダに使用できるメディトリートシリーズ
メディトリートシリーズで販売されている腟錠タイプ・クリームタイプは、どちらも腟カンジダの再発治療薬です。症状が出ている部位に合わせて適切な剤形を選んで治療しましょう。
なお、3日間使用しても症状が改善しない、または6日間使用しても症状が消失しない場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。
メディトリートクリーム
外陰部に腟カンジダの症状があるときに使える、ベタつきにくいクリームタイプの市販薬です。1日2~3回、患部に適量を塗布してください。症状が落ち着いたら使用を止めても構いませんが、3日間使用しても改善しない、または6日間使用しても症状が消失しない場合は医療機関を受診しましょう。
なお、おりものや熱感などの腟症状があるときは、腟坐剤も併用するようにします。
効能効果 |
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腟カンジダの再発による、発疹を伴う外陰部のかゆみ(過去に医師の診断・治療を受けた方に限る) ただし、腟症状(おりもの、熱感等)を伴う場合は、必ず腟剤(腟に挿入する薬)を併用してください |
メディトリート
メディトリートは、腟に挿入して使うタイプの坐剤です。剤形が細長いため、腟の奥までスムーズに挿入しやすくなっています。1日1回、寝る前に1個を使用してください。途中で症状が改善しても、必ず6日間続けて使用します。
効能効果 |
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腟カンジダの再発(過去に医師の診断・治療を受けた方に限る) |
デリケートゾーンのかゆみにフェミニーナシリーズ
フェミニーナは、デリケートゾーンのムレやかぶれを抑える薬であり、腟カンジダには効果がありません。腟カンジダが疑われる場合は使用を避けましょう。
フェミニーナには4つの種類がラインナップされているため、好みの剤形や自分の症状に合うものを探してみてください。
フェミニーナ軟膏S
フェミニーナ軟膏Sは、かゆみやかぶれを抑えるための塗り薬です。かゆみを抑えるジフェンヒドラミン塩酸塩とリドカイン、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノール、肌の新陳代謝を高めるトコフェロール酢酸エステルが配合されています。
伸びがよくベタつきが少ないクリームタイプなので、ムレが気になるデリケートゾーンにも快適に使えるでしょう。
効能効果 |
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かゆみ、かぶれ、湿疹、虫さされ、皮ふ炎、じんましん、あせも、ただれ、しもやけ |
フェミニーナJ
生理やおりもの、汗や下着などによるかゆみ・かぶれにアプローチする、ジェルタイプの塗り薬です。かゆみ止め効果のあるジフェンヒドラミンとリドカイン、殺菌作用があるイソプロピルメチルフェノールの3種類が配合されています。
パウダーが配合されており、サラッとした使用感が特徴です。メントール類は不使用のため、ジェルがしみる心配は少ないでしょう。
効能効果 |
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かゆみ、かぶれ、湿疹、虫さされ、皮ふ炎、じんましん、あせも、ただれ、しもやけ |
フェミニーナUP
尿かぶれで悩む方をターゲットにした、ノンステロイドのクリームです。炎症を抑えるウフェナマートや局所麻酔成分のリドカイン、かゆみ止め成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩などが配合されており、ヒリヒリとした痛がゆさにアプローチします。
低刺激性の処方で、香料やメントールは含まれていません。
効能効果 |
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皮ふ炎、かゆみ、湿疹、かぶれ、おむつかぶれ、ただれ、あせも |
フェミニーナミスト
手を汚さずに使えるスプレータイプのフェミニーナです。スプレーするだけで、デリケートゾーンのかゆみやかぶれを鎮めてくれます。主成分は局所麻酔成分のジブカイン塩酸塩、かゆみ止め成分のジフェンヒドラミン塩酸塩、殺菌成分のベンゼトニウム塩化物の3種類です。
ノンガスタイプかつ、さっぱりとした使い心地で、外出先での使用にも適しています。
効能効果 |
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かゆみ、かぶれ、湿疹、虫さされ、皮ふ炎、じんましん、あせも、ただれ、しもやけ |
メディトリートとフェミニーナに関するQ&A
メディトリートとフェミニーナはどちらもデリケートゾーンに使用する薬ですが、使用用途が異なります。間違った使い方をしてしまうと症状が長引きかねない他、副作用があらわれてしまう可能性もあるでしょう。腟カンジダやかゆみ、かぶれなど、自分の症状に適した方法で治療を進めることが大切です。
メディトリート・フェミニーナはどこで購入できる?
メディトリートとフェミニーナは、どちらもドラッグストアや薬局、インターネットショップなどで購入できます。ただし、メディトリートは第1類医薬品に該当するため、薬剤師から説明を受けなければ購入できません。ドラッグストアや薬局の場合、薬剤師が不在の時間は購入できない点に注意しましょう。フェミニーナシリーズはすべて第2類医薬品であるため、薬剤師からの説明は必須ではありません。
ミナカラでは、メディトリートとフェミニーナのいずれも取り扱っています。薬剤師が在籍しており、第1類医薬品の説明も受けられるため、ドラッグストアや薬局で購入するのに抵抗がある方はミナカラをご活用ください。
腟カンジダかわからないけどメディトリートを購入してもよい?
メディトリートは、腟カンジダの再発治療薬です。腟カンジダが再発したのかわからない場合は購入できません。また、過去に腟カンジダの診断を受けたことがない方も購入できず、まずは医師の診断が必要です。
腟カンジダと似た疾患として、トリコモナス腟炎や淋菌性腟炎などがあります。これらの疾患と判断がつかない場合は、自己判断での治療を試す前に、産婦人科や婦人科を受診してみてください。
強いかゆみがあったら腟カンジダと判断してメディトリートを使ってもよい?
強いかゆみがあるからといって、必ずしも腟カンジダであると断言はできません。かゆみが出やすい疾患には、上述したトリコモナス腟炎や性器ヘルペス、細菌性腟炎なども考えられます。
かゆみの他におりものから強い悪臭がする、水ぶくれができている、魚が腐ったようなニオイがするといった場合は、腟カンジダ以外の可能性があるでしょう。腟カンジダ以外の疾患はメディトリートでは改善できないため、症状が悪化してしまう前に、産婦人科や婦人科の受診をおすすめします。
メディトリート・フェミニーナに副作用はある?
メディトリートやフェミニーナには、以下のような副作用が報告されています。
市販薬 | 副作用 |
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メディトリート (腟用外用薬) |
じんましん、かゆみ、発赤、痛み、熱感、刺激感 |
メディトリート クリーム |
かゆみ、発疹、発赤、かぶれ、熱感、びらん、刺激感、小水疱、腫れ、乾燥、亀裂、落屑 |
フェミニーナ 軟膏S |
発疹、発赤、かゆみ、腫れ |
これらの症状があらわれたり、症状の持続・増強がみられた場合は、使用を中止して医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。
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